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45

ダングレストに着いた一行は早速職人に出会うことになる。
「あ!あんた前に依頼してきた…っ」
「ノビスさん!」
名前を忘れているであろうユーリの言葉に続いてカロルが彼に行儀悪く指を指して叫ぶ。
「あんたらは凛々の明星っ奇遇だなぁ」
仕事か?と尋ねながらお互い近付くと
「あんたに是非依頼したいことがあんだけどさぁ」
と思ってもない言葉が返ってきてノビスは首を傾げた。


「…なるほどな…」
酒場でいきさつを簡単に話した。
「あんたさ、魂の鉄槌だろ?なんとかなんねぇかな?」
「う~ん…」
ノビスはしばし腕を組んで悩んでいるようだったが
「製造工程を書いたものはあるのか?」
と前向きな言葉をくれた。
「あるよ!これっ」
カロルが大きな鞄から汚れてボロボロな本を取り出す。
「…ボロボロだな…」
「アスピオから発掘したのよ、しょうがないでしょ」
リタが言う。
「で、どうだ?出来そうか?」
「……そうだなぁ…これなら…いや、やってみせるさ、あんたらには借りがあるからな」
ノビスは真剣な表情で本を読んでいる。
「材料は全部集まったのか?」
「あぁ、そのことで聞きたいことがあんだけどさ、
 あと一つ、輝星石ってのがどこにあるんだか検討もつかねーんだよ」
「輝星石…聞いたことはある気がするんだけどな…」
すまんと頭を下げられていいって、と手を振った。
「じゃあやっぱりしらみつぶし?」
「か、アスピオに資料ありゃなぁ…」
「アスピオといえばジェバンニが…」
「誰それ?」
エステルが上げた名前にリタとユーリが揃って首を傾げた。
「あ…確かコレクターの…」
フレンがエステルの助け舟を出す。
「あ、あぁ~そんな奴もいたなぁ」
「そっか!あいつなら知ってるかもね!」
ユーリとリタは揃って手をポンと叩いた。
「よっしゃ、じゃあも一回アスピオだな!」
ガタリと席をたつ一行。
「ノビス、材料集まったら頼む。」
「あぁ、わかった。俺はしばらくダングレストにいるから。」
「了解。んじゃ行こうぜ!」
ドアの方へ歩き出す。
フレンが「よろしくお願いします」とペこりと頭を下げた。
「任せてくれ、目、見えるようになるといいな」
ノビスが言った言葉にフレンはにっこり微笑む。
「フレン」
横で待っていたユーリに名前を呼ばれて振り返るとそのまま手をとった。
「行こうぜ」
「うん」
「ノビス、またな」
「あ、あぁ」
二人の自然な様子に
「…慣れているな…」
と顔を少し引き攣らせていたことなんて二人は知らなかった。







半分寝ながら書いたらリタがとんでもないことに…www
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44


翌日ユウマンジュを後にした一行はバウルに乗って世界を回ることになった。

「とりあえず居そうなのはダングレストだな」
「そうだね、あとノードポリカと…オルニオンとかかな」
ユーリの言葉にカロルが付け足した。
「帝都にはいなさそうだよね」
「だな。ま、最初はダングレストでいいだろ。」
「そうね、バウル、お願い」
ジュディスがバウルにそう言うとバウルが了解と声を発した。

「で、フレンちゃんどしたのよ?」
一人で話し合いに参加しているユーリにレイウ゛ンが首を傾げる。
「あぁ、なんか一人で風に当たりたいって向こうにいるよ。
 ラピードに付いてもらってるからなんかあっても大丈夫だろ」
たまには一人になりたいこともある、とユーリは物分かりよくフレンの気持ちを尊重した。
しかしそれを聞いたジュディスだけが少し苦しそうな顔をしていたのに気付く者はいなかった。



「…っはっ…はぁ…」
苦しくなった胸を摩り落ち着いてきたのを感じて安心する。
隣にはラピードが心配そうに見詰めている。
時々ユーリがいる方向を見てはそわそわと落ち着かない様子を見せている。
それを感じたフレンは優しくラピードの頭を撫でた。
「ごめんねラピード…ユーリに隠し事してるの、辛いよね…」
「くぅ~ん…」
「…でも…お願いだよ…言わないでね…誰にも。」
念をおしてラピードが悲しそうな声を出すのに苦笑した。
「…ユーリがね、目が治ったらまたユウマンジュに来ようだって。…来れたらいいなぁ…」
遠くを見詰めて言った。
見えない視界では何も見えない。
バウルに乗って見下げる大地も、流れていく雲も、
未来さえ。
フレンは遠くを見詰めるのを拒むようにラピードにしがみついた。
本当は怖いのだ。
これっぽっちも強くない。
昔のままの自分が顔を出す。

自分がいなくなった時、ユーリはどう思うのだろう…
しがみつく腕を一層強くした時「フレン?」と呼ばれた。
ゆっくり顔を上げる。
「何?ユーリ」
その表情はいつものそれで…。
「…泣いてんのかと思った」
「泣かないよ。僕は今幸せだからね。」
言った瞬間きつく抱きしめられた。
「ゆ…ユーリ…?」
突然の行動に困惑してユーリの名を呼ぶ。
「…泣けばいいのに…」
「…え…」
「幸せなんて嘘のくせに…辛いなら泣けばいいだろ…昔みたいにさ」
「…嘘じゃないよ…泣きたいと思わないんだ…ちっとも。それって幸せだからでしょう?」
「違ぇよ…お前は嘘ついてんだよ…自分にも…幸せだって思いたいだけなんだよ」
「…あ、今少し残念だなぁ…」
「…何が」
背中に震える腕を感じてフレンが呟くとユーリがぶっきらぼうに聞き返した。
「…ユーリの泣いてる顔、見れない」
「…泣いてねぇよ…」
「そうだね、僕の中のユーリはいつも笑ってるもんね…」
「あ?」
「ずっと…あの時の…最後に見た君の笑顔のまま…僕の最後の世界は君の笑顔だったから…」
「…そっか…」
ユーリがやんわり微笑んだのを感じた。
「…ユーリ…」
「ん?」
「…一つだけさ…我が儘があるんだ…」
「何だ?」
「目が見えるようになる時…最初に見たいんだ…君を…。」
「…そりゃ我が儘じゃねーよ、頼まなくたってそうなるだろ。俺はずっとお前の隣にいるんだからな」
「…うん…そっか…そうだね」
フレンは頷いてそっとユーリの背中に手を回した。
この世にしがみつくように…
離れないように…。







今日は絵を描きながら何度意識飛んだか…。
変な線とか勝手に付け加えられてたりするんで修正大変だよっ!!!
19


「で?話って?」
「え?あ~、いや…うん…」
ユーリにしては珍しく歯切れの悪い言葉が並ぶ。
フレンは窓の外を眺めながら「今日もいい天気だなぁ」なんて考えていた。
「傷、痛むか?」
「傷?ん~……大丈夫」
「痛むんだな」
「大丈夫だってば…」
「大丈夫ってことは痛むけど我慢出来るって意味だろ?」
「…さすが鋭いね」
ごまかしきれないと悟るとフレンは観念したように苦笑した。
「ホント…謝りたくて…あの時色んなこと頭ん中ぐちゃぐちゃしてて…
 お前の言葉、聞けてなかった…」
「あぁ、あの時はどうしようかと思った。」
わざとらしく言ってやった。
「…ホント…ゴメン」
殊勝に謝るユーリにこちらも胸の内を明かしてやろうとフレンはゆっくり口を開く。
「あの時…どうして刺されたのがあの人で僕じゃなかったのかと責められているようだった…」
声が震える。あの恐怖を思い出すとみっともなく泣き出したくなる。
涙の流し方なんてとうに忘れてしまったけれど。
「んなことあるかっ」
「でも…」
「…お前が…この世からいなくなったら…俺は…」
「…でも…斬るんだろう?僕が悪になったら」
「斬らねぇよ…」
「斬らないって…意味わからないよ、僕が悪になるなら斬るって言ったじゃないか」
「…消すっつってたろ…」
「……同じ意味だろう?」
ユーリは首を振る。
「お前は…そうだな…監禁する」
「……は?」
思ってもない答えが返ってきてフレンは唖然とする。
ふざけてるのかと目を見ればユーリは存外真面目に答えているようだった。
「お前は斬りたくない。だから外と接触させないように監禁する」
「……脱走するかもしれないよ?」
「鉄の檻にぶち込んでやるから覚悟しろよ」
「…怖いね」
「飯はちゃんと食わしてやるから安心しろ」
「どうなのそれ。殺してくれた方がいいんじゃない?」
「言ったろ、お前がいなくなったら…俺が生きていけねぇ。だから殺さない。」
「…自分勝手だね」
「なんとでも言えよ。そんなこと、ならねぇだろうけどな、お前なら。」
「……。」
言ってること違うじゃない、とは言わなかった。
「今回のことで…俺がどんだけお前のこと、必要としてるかわかった。
 お前は俺の半身だ。お前が死ぬかもしれないと思ったとき…立っていられなかった。
 死ななくてホント良かった、死ぬなんて言うな。いいな?」
「…それって愛の告白?」
フレンがニヤリと笑ってからかうように言った。
だがその言葉に返ってきたのはからかわれたことを怒るものでも笑うものでもなく…
「あぁ。」
と短く真っ直ぐ真面目な面持ちで言われた。
「………。」
「………。」
「……ぷ…」
フレンがしばし呆然とユーリの表情を見ていたがユーリが耐え切れないとばかりに笑いを零した。
「…くくっあっははっ本気にすんなって!」
「……ユーリ…」
腹が痛いと抱えて笑う姿を見ていると一体どこからからかわれていたのかわからなくなる。
フレンはその様子をじとっと睨んだあと目を逸らした。
まったくこいつは、と一つ溜め息をつく。
窓の外を眺めながらユーリの笑い声をムスッとした表情で聞いていたら突然頬にキスされた。
「っ!?」
「怒んなよ、本気だから。」
優しく微笑まれたがどうにも信用しがたい。
「…あっそ。」
相手にしないように短く返事を返して再び窓の外を眺めた。
ユーリから目を逸らしていたから彼がどんな表情をしていたのかはわからない。

フレンは空を流れる雲を見ながら顔が熱いのを気のせいだとごまかした。








これにて「君がそういうのなら。」は完結いたしました。
長らくお付き合いありがとうございました。
纏まってんだか纏まってないんだか…;
これからは「最後の世界」を重点的に更新していきます~。



そういえば今日なりダン体験版DLしてやってみました~~
侍強いなぁ!!!
1回勇者でやったら負けました、シルフにwww
体験版だと思ってなめてたww
面白いですね!!早く始めからやってみたいです~~
クルールのドット絵が可愛すぎてやばい。
18

呪文を唱えるとぽうっと手の平が輝きだしてフレンの体を優しく包み込む。
「…ありがとうございますエステリーゼ様、もう大丈夫ですよ」
ふわりと微笑んで告げる。
「…はい、では今日はこの辺でやめておきましょう」
言葉を受けてエステルは治癒術をやめた。
「いつもありがとうございます。でももう大分よくなったのでしていただかなくても…」
「フレン!」
「はっはいっ」
彼女を気遣って遠慮した言葉はその当人の叱るような声にはねつけられた。
「フレンは遠慮しすぎです!フレンは怪我をしていて私にはそれを治す力がある、
 それなら少しくらい頼ってくれてもいいじゃないですか。それとも私、そんなに頼りないです?」
「えっい、いえ決してそういう意味では…」
焦りながら彼女のマイナスな思考を否定する。
それを少し離れた窓際で眺めていたユーリはフレンの慌てぶりを見てプッと吹き出した。
「まぁフレンの立場を考えたら遠慮しちまうのもわかるけどな」
それを聞いたエステルは少し寂しそうな表情をしてフレンを見詰めた。
「そんなこと言わないでください…確かに少し身分は違うかもしれませんが」
「少し…」
フレンは少しという言葉を反復しながら苦笑した。
片や騎士団長まで上り詰めたとはいえ下町出身の成り上がりと片や帝国を治める副帝である。
その少しの間には天と地ほどの差がある。
そんなことを全く気にしていないという風にエステルは続ける。
「私はフレンのこと大切な友人だと思っています。それもフレンは特別なんですよ!」
「…特別…?」
「はい、だって私最初はフレンのこと兄みたいに慕ってましたから」
「……あ…はい…」
フレンは私の兄であり友人なんですよ、特別です。とにっこり微笑まれて
フレンは少しの間呆気にとられていたがすぐにその言葉を理解して嬉しそうにフワリと笑顔を返した。
「お城で話す相手もいなかった私に気軽に話し掛けてくれて、
 今日はフレンとお話出来るかしらと毎日毎日楽しみにしていたんです」
にっこりと花のような笑顔が咲く。
「でも今考えてみたらあの時の話の主役は殆どユーリでしたね」
「ん?」
「エッエステリーゼ様っ」
自分の名前が出てきてユーリは思わず反応する。
フレンの焦りっぷりを見る限りあまり知られたくない事実だったらしい。
それを確信するとニヤリと笑ってフレンに近付いた。
「へ~…フレンは俺の話ばっかりしてたのか~」
「し、仕方ないだろっ下町での話をしようとするとどうしても君が出て来るんだからっ」
「いろいろ伺いましたよ、二人で結界の外へ出ようとしておじいさんに怒られた話や
 遊んでいて窓ガラスを割ってしまって怒られた話とか…」
「…怒られた話ばっかだな…」
「ユーリといるといつも怒られてた気がするよ…」
「あっ倉庫に忍び込んで怒られた話もありましたねっ」
「…フレン、俺らそんなに怒られたエピソードしかねぇのか…」
「…あ、あの時はちょっと…色々あって…」
少し顔を赤らめて憮然とした表情で言い訳している。

言えない…あの時ユーリが騎士団勝手に辞めてちょっと拗ねていて
そういう話しか思い出せなかったなんて…。
とても楽しい話なんてする気になれなくて思い出すのは腹の立った思い出ばかり。
今思うとかなり気持ちを込めて訴えてしまっていた気がする。
鬱憤を晴らすように。
あの時の話を掘り返されるのは結構恥ずかしいかもしれない…。
困ったフレンは無理矢理話題を変えようとした。
「え、えと…ユーリたちはいつまでここにいるの?」
「だからお前が治るまでだよ」
ユーリがまたその話かとばかりに少し怒ったように言った。
「で、でももう結構大丈夫そう…」
「お前の「大丈夫」は一切聞かねぇ」
言葉の途中で言葉を被せられ全否定された。
「この間だって俺たちが戻んなかったらどうなってたと思ってんだお前。
 もう絶っっっ対お前が退院するまではここを離れねぇからな」
「…はい…ごめんなさい…」
ユーリが怒っているのもわかるような気がしてフレンは気まずそうに謝った。
「……んで、エステルはいつまでここに居んだ?」
少し言いにくそうに言ったユーリの言葉にエステルは首を傾げる。
「へ?あ、何かまずいでしょうか…」
「まずいっつーかさ…ちょっとフレンと二人きりで話したいことがな…」
「僕にはないけど」
「俺にはあんだよっ」
きっぱり話はないと即答されてユーリは少し傷付いた。
「あ、そういうことでしたら…」
ガタリと座っていた椅子から立ち上がる。
「では私は失礼しますね、ごゆっくり」
ぺこりと一度頭を丁寧に下げて部屋から出て行った。

「…それで?話って?」
「…あ~…えっと…」
気まずそうにユーリが言葉を紡ぎだした。






エステルはリタに「初めての同年代の友達」って言ってたんですが
じゃぁフレンは一体なんなの!?ってことで。
リタは同性の友達ってことでしょう、とか勝手に解釈。
フレンのことは当時は優しいお兄さんとか思ってたらいいです。


昨日眠いとか言っといてユリフレ小説サイトさま徘徊して寝たの3時半とか…
今日休みだったから羽目はずしてみた!!
明日はまた朝早いから早く寝なきゃ~~
あぁユリフレ補充したい。
そういえばバサラ3がもうすぐ発売ですね。
んでそのすぐ後になりダンが発売…
やばい急がしすぎるよ!!
17

「フレンっ!!!」
部屋の扉がバタンと無遠慮に開かれたと思ったら次の瞬間には視界は黒で埋め尽くされていた。
頭を抱えられているような感覚に抱きしめられていると理解する。
震えているのがわかる。
「…泣いてるの?」
「…泣いてねぇよ…」
一層力を入れて抱きしめられる。
「心配かけてごめん」
「…ここ来たときに…護衛兵倒れてるし…部屋入ったら血まみれのお前が倒れてるし…」
「…あ、そういえばソディアは…」
「…あの姉ちゃんならお前の側で倒れてた…怪我とかはなかった」
「そうか…良かった」
「良かった!?」
ユーリがばっと離れて肩を強く掴む。
目にはうっすら涙を浮かべていた。
「良くねぇだろ、死にかけたんだぞ」
「あぁそうか…そうかも…」
「そうかもって…お前な…」
ユーリが何を言いたいのかはわかっているつもりだ。
「大丈夫、今回は死のうとは思ってなかったから。
 だって身を呈して守った相手に怪我でもされてたら合わせる顔がないじゃないか。」
「…だからってな…ちょっとは自分のことも考えろっての…」
ユーリが怒ったように言うが顔は心配しているそれで手は優しく頭を撫でた。
支離滅裂だ。
しばし頭を撫でる気持ちいい感覚に身を委ねているとユーリが突然何かを決めた。
「俺決めたからな!」
「は?何を?」
主語なく宣言されてもこっちはついていけない。
「お前の怪我が完全に治るまでここから離れない!」
「な…そんなの無理に決まってるだろ…君にも仕事があるじゃないか…」
「じゃあお前から報酬貰う」
「目茶苦茶だよっ!」
思わずツッコミを入れる。
「お前がこんな状態でいつ命狙われるかわかんねぇのに心配で仕事どころじゃねーよ。
 それならここにいた方がずっと安心だろ?」
あっけらかんと言い放つユーリにフレンは目を点にしてしばし固まっていた。
「そっそんな依頼絶対出さないよ!?」
「んじゃあ俺が出すわ」
「は!?」
「俺が凛々の明星に依頼出す。」
「な…」
「もう諦めろって。屁理屈ではお前に負ける気しねぇ」
「…………。」
フレンはもう言い返すことすらしんどくなった。
こうなったらこっちの言うことなんて絶対に聞いてくれないのだ。
…はぁ、と大きく一つ溜め息をつく。
「わかったよ…好きにしてくれ」
「お前に言われなくても俺は好きにするぜ?」
ニヤリと口の端を上げられてこちらはへの字に下げた。
本当、口では勝てる気がしない…
そんなやり取りの中でも休まず頭を撫で続けてくれていた手の感触が心地好くて
フレンは静かに目を閉じる。
「少し眠くなってきた…」
「寝ろよ、ずっとここに居てやるから」
「…うん…お休み…」
「お休み」
「……」
「………」
額に何かが当たる感触がした。
「…今キスしただろ…」
目を閉じたままだが憮然とした声で言った。
「よく眠れるおまじないってやつだ。」
「…子供じゃないんだから…」
「昔はこうしないと眠れないっつってたろ?」
「…だからもう子供じゃないの……も、いいよ、寝る。」
諦めて口を閉じた。
寝返りをうってそっぽを向きたいところだったけど傷口が痛むので動けなかった。
ユーリにずっと見詰められている感覚が少し恥ずかしくて意識してしまうのだけど
心地好いリズムで撫でられる感触に眠りへと誘われた。

こんなに気持ち良く眠れたのはいつ以来だろう…
深く深く夢の中へ落ちていった。







ダメだ…眠すぎる…。
眠すぎて最近眠いしか書いてない何この日記…。

あと2回で終わります。
とりあえずこっちを終わらせてあとはひたすら「最後の世界」を更新していきたいと
思いますよ~~
次の連載がつっかえてるので(笑)
あと「最後の世界」ですが全58話とか言ってましたが壬の番号が間違っていまして…
59話が正解でした~~
よろしければお付き合いくださいませ。
43

風呂から上がるとユーリはぐったりしていた。
「…青年、温泉入って疲れるって…」
レイウ゛ンが物言いたげにユーリを見る。
「うっせぇ…」
自分の理性との戦いで辛勝したユーリはそれでも内心自分を褒めてやりたいと思っていた。
服を脱がしてやるのも背中を流してやるのも浴衣を着せてやるのも
とにかくどれもこれもがヤバかった。
何がって全てが。
白い肌、細い腰、綺麗なうなじ。
どこを見ても目に毒でユーリは温泉に入っている間、まともにフレンを見ることは出来なかった。
「…目さえ見えてりゃ…」
「見えてたら何?」
「そりゃ色々と……ってうわっおまっびっくりしたっ」
話し掛けてきたのはフレンだったのだが
「何でびっくりするのさ…ずっと手、握ってたのに。」
フレンが意味がわからないと言った顔で繋いだ手を持ち上げる。
出来るだけフレンのことを考えないようにと努めた思考は繋いだ手のことさえ追いやっていた。
「あぁ~いや、何もねぇ…」
ユーリはどこか哀愁を帯びた声を出した。
「…フレン、目、元に戻ったらまた来ような。」
「え、あ、うん、そうだね…」
ユーリの誘いにフレンは少し戸惑った返事を返した。



本日の部屋は大部屋で全員が同じ部屋で寝ることになった。
「じゃ、せっかくだしこれからのことでも話しましょうか。」
ジュディスが布団の上に座って提案する。
「そうね、えっと~?今集められてんのはレアメタル、水晶、神木、紳士の誇り…か…
 あとは輝星石だけね…」
「その輝星石ってのはどこにあるんだ?」
「さぁ…わからないわ…」
リタが周りを見渡すも仲間も知っている者はいなさそうだ。
「…こりゃ情報集めがてら後回しだな…とりあえず腕のたつ職人探しを優先すりゃ
 そいつがなんか知ってねぇかな?」
「そうね~それがいいかもね」
レイウ゛ンが賛同する。
「じゃあ明日からは街を回って魂の鉄槌をさがそうよ、腕のいい職人ならきっといっぱいいるよ!」
カロルが言う。
「じゃ、それで決まりな!……勿論ついでにな。」
不安そうな顔をしてその話を聞くフレンに付けたしの一言を忘れない。
「…本当についででいいから…仕事入ったらそっちを優先してくれ」
フレンが頼むように言った。
「勿論だよ!心配しないで、そうするつもりだから!」
カロルがすぐに願いを受け入れる。
カロルにとってやはりギルドの運営資金というのは気になるらしく
言った言葉はあながちフレンへの取り繕いというわけだけではなかった。
その少し本気が入り混じる言葉に安心したようにフレンはこくりと頷いた。
「よっしゃ、じゃあもう寝るか。」
ユーリが伸びをしながら言う。
「そうね、そうしましょ。」
「…ぅわっ!」
リタがそれに賛成したその時ユーリが前触れもなくフレンを押し倒した。
「俺、実は結構眠いんだよな…お前ももう寝るだろ、フレン」
「え?あ、そうだね…ユーリが寝るなら寝ようかな…」
フレンは何だか流されて頷く。
ユーリはフレンをギュッと抱きしめて眠りに就こうとしている。
「っていうか皆いるんだからちょっとは自重しなさいよこのバカップルっ!!!」
リタの怒りのツッコミはもっともなことだった。






昨日は帰ったのが遅かったのでそのままパソコンお預けくらったんですが
実は今日の方が眠いという罠。

昨日はアリエッティ見に行ってきました~~
内容どうこうというよりすみません、翔→ユーリ、アリエッティ→フレンで妄想がとまりませn…
42


「いらっしゃいませ~っ」
元気な声で出迎えられる。
永久無料券と貸し切り権がある一行は
今回もそれを使用しようとしたが番頭の反応がいつもとは違った。
「なになに?今日はダメなの?」
レイウ゛ンがその反応を見て駄々をこねる子供のように言った。
「えと…実は先客が入ってまして…その方は貸し切りにされてませんので
 普通にご利用いただくには問題ないのですが…」
「なるほど?貸し切りがダメってことね?」
ジュディスが簡潔に纏めた。
「そういうことになりますね」
「入れんだったらそれでいいよな?」
ユーリが皆に促すと皆もこくりと頷いた。


「じゃあまずは俺達から入っていいか?」
「そうですね、カロルとレイウ゛ンが入りたかったわけですし…」
ユーリとエステルのやり取りを聞いてレイウ゛ンが「えぇっ!?」とわざとらしく声を荒げた。
「ちょっとちょっとっ何でよ男湯と女湯とわかれてんだから一緒に入ったっていいじゃないのっ」
「とか言いつつ覗く気満々だろおっさん」
「ひどいっそんなことないわよっおっさんだって我慢するときはするんだからっ」
「んじゃあこうしようぜ。おっさんとカロルは今すぐ入れ。おまえらの為に来たんだからな!」
「うんもちろんだよ!早くこの臭い取りたいもん…」
カロルはそれに賛成する。
「…で?」
レイウ゛ンが先を促す。
「女子は自分らの好きなタイミングで入ってもらう」
「あらいい案ね。ちょうどお土産でもみたいと思ってたのよ」
「私もこの本読んじゃいたいからそれでいいわ~」
「あ、二人がそういうなら私も…」
女性陣3人はそれぞれの理由を述べて賛成する。
「えぇ~っそんなの後で出来るじゃないの~っ
 リタっちはいいけどジュディスちゃんはすぐに汗を流すべきだと思うな~っ」
レイウ゛ンが唇を尖らせながら言う。
「おっさんうざい!さっさと入ってこいっ」
それに苛立ちを表したのはジュディスではなくリタだった。
「ぶー。じゃあ行きましょうかフレンちゃん」
「ちょっと待て。」
レイウ゛ンがフレンの手を取ろうとするとユーリがフレンの体を引いた。
「何よ…?」
「…俺らもあとで入る。行こうぜフレン」
「え?あ、あぁ…」
腕を引かれてわからないまま付いていく。
「ちょっ青年っ!?」
「目が見えないフレンと一緒に風呂なんか入れられるか!」
目が見えてても出来れば嫌なのに!
…とは心の中で叫ぶに留めた。
「あ、そ、そうだよね…僕と入ると迷惑かけるもんね…」
とフレンはまた違った意味に捉えて一人で沈んでいる。
「ユーリもせっかくだからレイウ゛ンさんたちと入っておいでよ」
「はぁ!?お前な、そういうこと言うの禁止だって言ったろ。
 俺には気を遣わなくてもいいから。ってか迷惑じゃねーし」
「…でも…」
それでも渋るフレンにジュディスが提案する。
「じゃあフレンは私たちと入る?」
「…へ!?」
フレンの顔はボフッという効果音が似合うようにいっきに紅潮した。
「だって一人じゃ心配ですものねぇ」
ジュディスはわざとらしく手を頬にあてて溜め息をつく。
「…だってさ。フレンそうするか?」
にやりと笑ってフレンに意地悪くジュディスの案を推してやると
フレンは聞くや否やの素早い動きでユーリの服を掴んだ。
「ゆ…ユーリと入る…よ…」
「最初からそう言っときゃいいんだよ」
ユーリは満足そうにフレンの頭を撫でた。
っていうかナイスアシスト!とジュディスを見ると
「貸し一つね」
と笑顔で言われて冷や汗を流した。






眠すぎる…
明日は映画見に行ってきますね~~更新できるかは眠気によりますwww
16

「…ん…」
かすかに意識が戻ってゆっくり目を開ける。
「フレン!」
「……エステリーゼ…さ、ま…」
エステリーゼはフレンの手を握り目に涙を浮かべていた。
「…どうして…」
「ユーリが…嫌な予感がするって…引き返すってきかなくて…それで…戻ったらフレンが…う…」
ついに耐え切れずに泣き出してしまった。
さすがにこの心優しいお姫様に血まみれの人間は刺激が強すぎたか…
怖かっただろうに…。
「…すみません…こんな姿をお見せしてしまって…」
見ればエステリーゼの服は血まみれだ。自分の血がついてしまったのだろう。
エステリーゼの疲労の様子から一晩中治癒術をかけてくれていたとも見れる。
…自分がどれだけ眠っていたのかはわからないが。
「あ、エステリーゼ様はお休みになってください。もう大丈夫ですので…ありがとうございます」
「いっいえっ私なら大丈夫ですっ」
「何言ってんのよ!そんなフラフラしてっ」
リタがエステルの頭をコツンと叩く。
「あんた寝ずに治癒術使ってたんだから疲れてて当然でしょ!?
 遠慮せずに休めばいいのよっもう大丈夫だって言ってるんだしっ」
リタがエステルを心配して言う。
「でもフレンは大丈夫じゃないときでも大丈夫って言うってユーリが…」
「そうかもしれないけど今はあなたは休んだ方がいいわ。
 肝心な時に倒れでもしたら…今は大丈夫なようだし休める時には休むのが得策よ」
ジュディスもリタの肩を持つ。
「…わ、わかりました…フレン、何かあったら遠慮せず起こしてくださいね?」
「ありがとうございます、エステリーゼ様」
ふわりと笑顔を見せると漸く安心したのかエステリーゼも同じように優しく微笑んだ。

リタに連れられ隣の病室で休むことになったエステルが部屋を出て
この部屋にはジュディスとフレンの二人になった。
「…あの…他の皆は?」
「ユーリならここにいられると心配なのがエステルにまで伝わって落ち着けないから追い出したわ」
にっこり笑って言う。
「…そう…」
皆と言ったのにユーリのことしか言わないジュディスに苦笑する。
「あら、ユーリのことが聞きたかったのでしょう?」
違ったかしらとわざとらしく傾げられる。
カロルやレイウ゛ンのことも気になったのは確かなんだけど。
「呼んでくるわね、あなたが目を覚ましたこと早く教えてあげないと可哀相だから」
クスッと微笑んでゆっくりした動作で部屋を出る姿は
とても「可哀相」などと思っているようには思えなかった。

しかしそのジュディスが部屋を出て数分後、部屋の扉は無遠慮にバタンと開かれた。
「フレンっ!!」
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ユリフレが好きすぎて辛い
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