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「……」
「……」
「………」
「………」
続く沈黙。
「…あー…そろそろ帰るわ!」
いたたまれなくてユーリが立ち上がる。
「えっ、あ、うん、そうだね、もう夜も遅いもんね」
「じ、じゃあ…っ」
「じゃあ…」
2人は急に止まっていた時間が動き出したようにわたわたしながら会話をする。
ユーリはそれでも平静を装いながらドアを開けて部屋を出る。
「………」
しかしそこでぴたりと止まって考える。
意を決したように振り返ってフレンの元に駆け寄る。
「言っとくけど今のは冗談じゃねぇからな!」
「っえ、あ、あの………はい…」
「……俺、お前のこと…好きだ…」
「…っ」
「あんまり他人に懐かねぇラピードが懐いた奴って最初は興味わいただけだったけど…
会って話して…また明日も会いたいって思った…
俺に会いたくなったっつうお前が可愛いと思った…今まで誰にも感じたことない感情だ…」
「……」
フレンは何も言わずに聞いてくれている。
「好き…なんだと思う…毎日会いたいって思った。キスしたいって思った。」
「う、うん…」
「………。…いや!わりぃっ勝手にキスしたことはやっぱ謝るっ」
「え、あ、いやあの…」
「でも俺は冗談でしたわけじゃねぇから!」
「うん、あの…嫌じゃなかったので…謝らなくても……いい……」
「………」
「………」
「フレン」
ユーリがゆっくりフレンに近付いてベッドに腰掛け顔に触れる。
「…好きだ」
「……うん…僕も…」
「そっか。うん。じゃあ、両想いってやつだ…」
「両想い………」
かぁっと赤くなるフレン。
「可愛いなぁお前…」
「…可愛くないよ…」
ちょっと拗ねたように返してきた。
「まぁ自覚してるよりはいいよな…」
「…なにそれ…」
「まぁ何でもいいじゃん別に…」
「…そうだね…」
「フレン…」
好きだ
耳元で囁くときゅっと目を暝って紅潮させる。
素直な反応が可愛くて可愛くて、ユーリはもう一度キスをした。
「明日熱下がったら公園で会えるね…」
「…下がってなくてもここに会いにくるよ」
息もかかる至近距離で二人はクスクス笑いあった。
はい!これにて完です。
当サイトでも1,2を争う糖度の高さでした(笑)
やっぱ幼馴染じゃない分2人ともどこか遠慮がちでよそよそしく、
でもやっぱり惹かれてて離れたくないんです。
次回からはまたゲームの世界に戻ります~~。
ハロウィンにたくさん反応ありがとうございます!!
1日のために頑張った甲斐がありました!!!(><)
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食べ終わった後もユーリはフレンのそばに居た。
額のタオルをこまめに冷たくし直して頭や頬を撫でて、
そんなことをしながら何を話すでもなく付き添っていたのだが
ユーリはふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「何で風邪なんか引いたんだ?季節の変わり目に引くとかいうやつか?」
「…そうだね…そんなとこ…」
少し布団を上げて口を隠したフレンを見て何か理由があるなと思う。
「何、なんか心当たりあんの?」
「……大したことじゃないよ…」
「なんだよ、言ってみ?」
「…言ったらユーリ引くよ…」
「なんで俺が引くんだよ」
意味がわからず首を傾げるとしばらく悩んでいたフレンがゆっくり口を開いた。
「………雨で…」
「雨?」
「ずぶ濡れになって風邪引いた…」
「………あめ…」
思い出すのは2、3日前のあの雨だ。
「…!まさか…お前公園に来てたのか!?」
あんな大雨の中、一人。
とても読書しに、なんて理由では絶対行かない環境だろう。
こくりと頷くフレンを見てユーリは「なんで…」と呟く。
「…ったから…」
布団を頭まで被ってしまった聞き取りにくい声。
ユーリが「ん?なんだ?」と顔を近付ける。
「………会いたく…なったから…」
「……会いたくなったって…。……っ俺か!?」
布団を被ったままの頭が肯定するように頷いた。
「……わ、わり…あの…ラピード…水ダメで…」
わたわたと焦りながら行けなかった理由を言う。
「うん…別に謝らなくてもいいよ…勝手に行っただけだから…」
「……そか…俺に会いにきてくれたのか…」
理由を知ってなんだかくすぐったい気分になる。
自然と嬉しさで顔がにやける。
「…なぁ、何で会いにきてくれたの?」
「………。」
「フーレーンーー」
「…僕…君のこと前から知ってたんだ…」
「…へ?」
脈絡なさそうな話題にユーリは思わず間抜けな声を出す。
「いつも周りに人が集まって…どんな人なのかなぁって思ってた…話してみたいなって…」
「…あ、あぁ…」
「……あの時出会った犬がユーリの飼い犬だとは思わなかったけど…嬉しかった…接点が出来て…」
「………」
「話してみたら想像してたのとは違う性格で…でもそれも想像通りで…
ユーリともっと話したいなって思った…もっとそばに居たいなって…。」
「…へぇ…」
ユーリも少し赤くなって相槌もぎこちない。
「…そしたらあんな土砂降りなのに…散歩になんか来ないって考えたらわかるのに…
ユーリに会いたくって…」
「…………」
言葉が出なかった。
自分に会いたくなって来てくれたフレンの存在がとても愛しくて、可愛くて仕方ない。
「…フレン…」
そっと触れる。
「顔見せて…」
優しく言うと布団を掴んでいた手が緩んだ。
そっと布団を退けると真っ赤になったフレンがそこに居た。
「すげー嬉しい。フレンありがとな。」
「引いたでしょ?」
「引かねぇよ…」
「ホントに?」
「ホントに。」
ユーリは安心させるようにそっとフレンに口づけた。
明日で終わりです~~
この次の連載が恐らく修正だらけになると思うので大変そうだ…
ってことで!!今度こそハロウィン!!!
0時まで起きてることが自分にとって最大の試練です(爆)
すでに眠い…。
手際よくお粥をこしらえてユーリが戻ってきた。
「フレン、起きてるか?」
ドアを開けると少し眠ろうとして下ろしていた瞼をゆっくり開けたフレンが見えた。
「わり、寝てたか?」
「ううん、うとうとしてただけ…いい匂いだね」
「だろ?起きれるか?」
「うん」とフレンは返事してゆっくり上体を起こした。
鍋の蓋を開けるとシンプルなご飯だけのお粥。
「飯以外何も入れるもんなかったから。お前ホントに毎日食ってる?」
「食べてるよ、たまたまなかったんじゃないかな」
「ふーん…」
「…本当だよ…」
疑いの目を向けられてフレンは少し戸惑ったように念を押した。
「まぁいいや。ほら、あ、猫舌?」
「うん」
そうか、とユーリは自然な動作でふー、ふーと息をかけて粥を冷ます。
冷めたそれを口の前に差し出されてフレンは若干戸惑いつつもそれを受け入れた。
その顔は熱からか、はたまたそれ以外の理由か、少し紅潮していた。
「…慣れてるね…」
「は?」
「彼女とかにもしてあげたことあるの…?」
突然の質問にユーリは何事もなく答える。
「いや、いねぇしそんなん…」
「意外だね、モテるでしょ?」
「…好きでもねぇ奴と付き合ってもめんどくせぇだけだろ?別れ話すんのとか…」
「…別れる前提なんだ…」
「だって好きじゃねぇんだもん」
「…それなら付き合わないのが賢明だね」
「ってかお前はどうなんだよ?」
「僕?」
「彼女とか居んの?」
「…居たら今ここに来てくれてるんじゃないかな…」
「…なるほどね」
食欲はなかったがユーリに促されるまま次々に口に含んでいると
鍋の中はいつの間にか空になっていた。
せっかくユーリが作ってくれたのに残すの勿体ないと思ったのもあるけれど。
「御馳走様」
フレンがふんわりした笑顔を向けるとユーリは照れたのか目を逸らして「お粗末様でした」と返した。
「食器片付けてくるから寝てろよ」と言われて素直に横になる。
こんな風に看病してもらうなんて何年ぶりだろう…
心も体もポカポカして気持ち良かった。
ハロウィンイラスト書き直そうと思って今描いてるんですがいかんせん進みません。
間に合わなかったらすみません;;
「ここか…」
マンションの一室、表札を見てユーリは呼び鈴を鳴らす。
しかし誰も出て来る気配はない。
ドアノブに手を掛けて手前に引くと簡単に扉は開いた。
「…居んのか?」
控え目に中を覗く。
「ごめんくださ~い、誰かいませんか~?」
静まりかえった室内からは何も返ってはこない。
「留守…か…?」
無用心だな、と扉を閉めようとしたその時。
ガタッと何か物音がした。
その音を聞き逃さなかったユーリは再びドアを開ける。
「フレン?居んのか?」
やっぱり返事はない。
しかしフレンが家にいると何故か思えたユーリはゆっくり家の中に入った。
「お邪魔しますよ~…」
靴を脱いで廊下を歩く。
一つの扉の前でユーリは立ち止まった。
「フレン?」
ガチャッと開けた部屋の中には…
「……」
薄暗い室内に目当ての人物を見付ける。
気持ち良さそうに、とは言えない表情で眠っている。
額には大粒の汗が浮かんでいて呼吸も荒かった。
ユーリは自分の手をフレンの額に当て熱を計る。
「…こりゃ高いな…」
回りを見渡して水が入った洗面器とフレンの頭のそばに落ちているタオルを見付ける。
水に手を入れてみると気温があまり高くないからかまだ冷たいままだったので
それにタオルを浸して軽く絞る。
それをフレンの額に乗せてやると冷たいのが気持ち良かったのか少し楽そうな顔をした。
しばらく温くなったタオルを変えたり頭を撫でたりしていると
フレンが「ん…」と眠りから覚めて目を開けた。
「……あれ…」
「よ」
少し辺りをキョロキョロ見渡してやっぱり自分の家だと認識する。
「…どうして…」
「あぁ悪ぃ鍵開いてたから勝手に入った。無用心だぜ、親御さん買い物かなんかか?」
何気なくきくと「あぁ…」と思い出したように言った。
「両親とも今仕事で海外なんだ」
「…こんな状態のお前を置いてか?」
「両親は仕事人間だから…」
「……」
「気にしないで。もうずっとだから。家に居る方が違和感感じるくらいだし…」
顔をしかめたユーリにフレンは苦笑する。
「…飯とかちゃんと食ってんの?」
「え、あ、うん」
目を逸らした。
「…食ってないんだな」
「……食欲ないんだ…」
「そんなん言ってるから熱下がらねぇんだよ」
ユーリは立ち上がりながら言った。
「台所借りていい?お粥でも作ってくるわ」
そう家主に承諾を得ようと尋ねるとフレンは目を見開いてパチパチと瞬きした。
「…ユーリが作るの?」
「おぉ、こう見えても料理得意なんだぜ」
「…へぇ…」
心底意外だという表情で見詰めてくる。
その目から逃げるように片手を軽く上げて部屋の扉に手を掛けながら言った。
「んじゃちょっと待ってろよ。」
ユーリは部屋を出て台所に向かった。
アビスが3DSでリメイクだそうで…。
今日知ったとかちょっと遅いですか。
3DSとか買わないなぁ…
出来ればPS3で完全版のアビス出してくれないかなぁ…
ガイとナタリアの秘奥義…あのカットイン両方すごいすきなんですが…
それとはちょっと関係なかったんですがアビスの動画見てました。
やばいガイがやっぱり好きだ。
久しぶりにアビスしたくなったけど今PS2のコントローラーアニキんところでないんですよね;;
アビスのアニメを全部見たい気分だ。
特にガイ関係のところを全部見たい気分だ。
次の日、すっかり快晴になった空に感謝しながら急ぎ足で公園に向かう。
こんなウキウキしてるとこ、知ってる奴には絶対見られたくねぇな…
そう思いながら。
ラピードも隣で元気にはしゃいでいる。
しかし公園に着くとそこにいつもならユーリよりも先にあるはずの姿はなかった。
「…まだ来てねぇのかな…」
そんなことをぼんやり思ってベンチに腰掛ける。
ラピードも周りをきょろきょろ見渡して捜しているようだった。
しばらく待ってみたがその日フレンは現れなかった。
しかしその日だけではなかった。
次の日もその次の日も、フレンは公園にはこなかった。
「なぁ、フレンいる?」
「え?フレン?」
人づてにフレンのクラスを聞いてユーリはそこに訪れた。
手近にいた女子に声をかけるとその女生徒は少し眉を下げた。
「フレンなら2、3日前から休んでるわ…」
「休んでる?」
思いがけない言葉を聞いてユーリは目を丸くする。
「えぇ…風邪引いたとかで…あんまり休まない人だから心配よね…」
「………。なぁ、あいつの家知ってる奴いる?」
ユーリは家の場所を聞き出す。
今日はバイトも休みだし帰りに寄ろうと計画を立てた。
やばいくらい意識飛びます最近。
何だこの異常な眠気…
「おはよう、ユーリ」
「はよ。フレン」
「ワン」
「おはよう、ラピード」
次の日も次の日もお互い約束なんてしてないのに
そこで会うことを約束しているかのように二人は落ち合う。
話す話は何でもない日常の話から学校の話まで広まった。
「あ、もうこんな時間だね」
「ん、本当だな。フレンと話してると時間あっという間だな」
「本当かい?嬉しいな」
「嬉しい?」
何が?とユーリは首を傾げる。
「時間が早く感じるってことはこの時間を楽しいって思ってくれてるってことだよね?」
「あぁ…確かに嫌な授業とか遅く感じるもんな…」
「違った?」
「いや、違わねぇな。お前と話してるの楽しい」
「良かった、僕だけじゃなくて」
「…へ?」
何気なく言われた可愛い一言にユーリは思わず間抜けな声を出す。
「じゃあまたね、ユーリ!」
フレンは立ち上がって手を振る。
言った言葉が少し恥ずかしかったのか頬が少し紅く染まっていた。
「またね」と言われたことに毎回嬉しいと思う、
やっぱ惚れちまってんのかなぁ…
と自分の道が逸れていっていることも軽い認識で惚れちゃってんならしょうがねぇなと受け入れられる。
それはきっと相手がフレンだったから。
なんでだか好きになっても仕方ないと思えるのだ。
ユーリも立ち上がってラピードを連れて家へ戻る。
「また」という言葉にまた明日会えるんだと期待を膨らませながら。
しかし。
ザァァァァァ…
「雨か…」
雨だ。
何度見ても。
「…こんな大雨じゃ散歩は無理だな。」
ただでさえこの大雨、普通に家を出るのも嫌になる。
加えてラピードは水が大の苦手だ。
さっきから元気なく丸まっている。
「…まぁこの雨じゃフレンも来てねぇよな…」
どんより黒い雲に覆われた空を恨めしそうに睨みつけた。
「よっし!散歩行くぞ、ラピード!」
「ワウ?」
いつもと違うユーリの行動に首を傾げるラピード。
今日はシャキシャキと起きて散歩に行こうとラピードを促す。
いつもは面倒がって嫌がるくせにどういう風の吹き回しだ
と目で訴えられる。
しかしユーリはそんなことに気付かないほど浮足立っていた。
「フレン、今日も居んのかなぁ…」
ボォ~と空を眺めながらぽつり口にする。
「ラピード、いつ頃からあいつに遊んでもらってたんだ?」
「ワンワン」
「……あぁ…なるほど…全然わかんねぇな…」
「ワン!!」
「怒んなよしょうがねぇだろ」
「ワン!」
努力が足りないんだとでも言いたそうにラピードはユーリの足にタックルした。
いつもの公園、
いつものベンチ。
は、無視して昨日フレンと会ったベンチまで歩く。
「あ…」
そのベンチに座る一人の青年の姿にユーリは思わず笑みを零した。
「……ほら、行けよラピード」
「ワウ!」
明らかにダシに使われていると感じてラピードはユーリを睨む。
「いいだろ早く行けよ!」
「ワンワン!」
「おはよう、…何してるの?」
「え…」
言い合いの声が大きすぎてフレンはクスリと微笑んでこちらを見ていた。
「あ…その…、よ、よぉ!奇遇だな!」
若干上擦った声で言うとフレンは優しく微笑み返してくれた。
その表情に安心してユーリはフレンの方に歩き出した。
「ワン!」
ユーリが辿り着くより前にラピードがフレンに飛び付く。
「わっ!あははっラピードおはよう」
ラピードに顔を舐められてくすぐったそうに肩を震わせる。
そんな光景を、羨ましい…なんて思ってしまってユーリは首を振る。
「どうしたの?ユーリ」
尚もラピードにじゃれられながらフレンは様子のおかしいユーリに首を傾げる。
「あ?や、何も…」
朝も早からウキウキしたり
ラピードを羨ましいと思うなんてどうなってんだ俺…相手は美人とはいえ男だっつの…
自分の思考回路がおかしくなっていることをごまかすようにフレンに話し掛けた。
「いつもこの時間に居んの?」
「あぁ、そうだね、大体。朝の方が静かで読者も捗るでしょ?」
「ん…したことねぇからわかんねぇけど…」
正直にそう言うとフレンは「そっか。」と楽しそうに笑った。
「ユーリもいつもこの時間?」
「そうだな…学校とかバイトとかで朝しか時間取れなくて。ラピードに毎朝起こされてる。」
今日自分で起きたことは秘密にしておく。
何気なく隣に座って何気ない会話をする。
ラピードが気を許す理由が何かわかるな、とユーリは思った。
しっかりしてるかと思えば時々天然で、笑顔が可愛くて…っていや、そうじゃなくて…!
暴走する自分の思考に突っ込みを入れる。
「あ~…タメくらいだよな?高校どこなの?」
「ウ゛ェスベリア学園だよ」
「え…?」
「え?」
何気なくした質問の答えにユーリは目を丸くして思考を停止させた。
同じ高校だ。
一人暮らしを許してくれた親にこれほど感謝したことはなかった。
簡単な意思疎通ならお茶の子さいさいなユーリでも
具体的なところまでラピードの言葉がわからないのは当然といえば当然(笑)
次の日もユーリはラピードによって叩き起こされた。
「ふあぁぁぁ…眠ぃ~」
いつも通り、ラピードが隣を歩きながらガウッと咎める。
「あのなぁ…俺はバイトで寝てねぇの。遊んでんじゃねぇんだぜ?」
高校受験に成功してから親の転勤が決まり、着いて行くか行かないかで家族で話し合った結果、
ユーリの我が儘を通してもらい一人暮らしで残ることを許してもらったのだ。
あまり親に頼るのが好きではなかったユーリは必要最低限の仕送りしか貰わず、
それ以外は自分でバイトしてやりくりしていた。
「お前のメシ代だって稼いでんだぞ」
と恩着せがましく言ってやると
「ワウ…」
と控え目な声が返ってきてユーリは思わず噴き出してしまった。
「本気にすんなっての。お前のメシ代くらいどってことねぇって」
「ワン!」
歩きながら体を寄せてくるラピードを見ながらユーリは優しく微笑んだ。
今日もユーリはベンチに座り走り回るラピードを見詰める。
だがここ最近の寝不足と疲労で意識はゆっくり離れようとしていた。
頭がかくんとなっては頑張って留めようとしていたそれは
ついに抵抗虚しく夢の世界へと旅だってしまうのだった。
「ん…」
ユーリが目を覚ましたときラピードの姿はどこにもなかった。
「…ラピード…?」
ゆっくり起きて辺りを見渡す。
それでも姿はない。
心配になって捜しに行こうと立ち上がる。
携帯の時計を見るとあれからさほど時間は経っていなかった。
それほど遠くへは行っていないはずだとユーリは小走りで捜し始めた。
しばらく走って見覚えのある尻尾がベンチからふりふりと垂れ下がっているのを見付けた。
よかったと肩を撫で下ろすと同時にそのベンチに座る金髪の青年に目が行く。
顔は後ろからなのでよく見えないが左手には本を持っていて読者中なんだと理解出来る。
そして、他人にあまり懐かないラピードが頭を撫でられながら穏やかに眠っている。
ゆっくり近付いていく。
後ろからでもわかる、綺麗な姿勢と清潔そうな白のシャツ。
自分とは真反対の人間だと思いながら近付くも何故か嫌な感じはしなかった。
あと数歩というところまで近付いた時、ラピードの耳がピンと持ち上がり顔を上げる。
「ワン!」
「どうしたの?」
首を傾げながらラピードが視線を寄越した方にフレンも追うように目を向ける。
綺麗な青がユーリを捕らえる。
「…あ…と、それ…俺の犬…」
「え?あ、あ!そうなんだ!ごめん、心配してきたんだよね?」
慌てて立ち上がって頭を下げる。
「や、ラピードが勝手にどっか行くのはいつものことだから…」
「…ラピードっていうんだ」
知りたかったのか青年はラピードを見て目を細めた。
「昨日もラピードと遊んだんだ。その時も一人だったから今日も何も思わなかった…
飼い主と一緒に来てるの当たり前なのに…」
またシュンと眉を下げたフレンにユーリは手を振る。
「ホント気にすんなって!こいつ意外にしっかりしてるからそういうの信頼してるってか…
大体こいつあんま他人に懐かないんだ…あんたが安心出来たってことだろ、きっと。」
言うとフレンは嬉しそうに目を細めた。
「ありがとう、飼い主さん」
「かい…あぁ……ユーリ…」
「え?」
「飼い主の名前。ユーリ・ローウェル」
「あ、ユーリ…僕フレン、フレン・シーフォ。」
にっこりと微笑んだその顔が頭から離れなかった。
そうだ、イラストソフトを買おう!!
と突然思い立ち最近そういう系を調べまくっています。
ものすごい出費になりそうだぜ。
