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「ワンワン!」
「ラピード、見付けたか!?」
ラピードが急に吠えだしてユーリは辺りを見渡す。
するとそこに足を引きずりながら走ってくる子供の姿があった。
「なっお前どうしたんだ!?」
ユーリの元まで走ってきた少年に肩を掴んで理由を聞く。
こんな所で会うはずもない子供と出会うなんて想定外にもほどがある。
「ユーリ殿っその子供は…あ、街の…!」
少し遅れてやってきたソディアが少年の顔を見て思い出したと口にする。
「ま、魔物に襲われて…っ」
ひくひくと泣きじゃくりながら話す少年。
「魔物に!?よく無事だったな…」
「お、にいちゃんが…助けて、くれ、たから…ひっく…」
「お兄ちゃん…?団長か!?」
ならなんでそのフレンがここに居ない?
何故一人こんな危険な森を子供に走らせている…?
瞬時にユーリの脳内に認めたくない考えが過ぎる。
冷やりとした汗が伝う。
「で…そのお兄ちゃんどこ居んだ…?」
声が震える。
「あ、あっち…怪我して…後で追い掛けるから、心配、いらな、って…」
「…っ」
ユーリはすぐ立ち上がって駆け出す。
残されたソディアは子供を放っておくわけにもいかずフレンのことを心配しながらも子供の手をとる。
「街まで頑張れるか…?」
少年はこくりと頷いた。
その瞬間溜めていた涙が溢れだし大声で泣きじゃくった。
「はぁ…はぁっフレンっ!!!」
生い茂る草木を掻き分け少し開けたところに出た。
そこには巨大な魔物が倒れており息はない。
その魔物の回りを伺うように歩く。
嫌な予感が大きくなる。
徐々に角度が変わって見える景色も変わる。
そして、
見慣れた金色がその場に倒れているのを見て
ユーリの心臓は一瞬止まったんじゃないかと言うほどの衝撃を受けた。
「…フ、レン…」
ぴくりとも動かず横たわるフレンによろめきながら近付く。
へたりとそばに崩れるように座り込んでフレンの頬に手を当てた。
手にフレンの血がついて、はっと我に返ったように勢いよくフレンの体を揺らす。
「っレン!フレン!!!!おい起きろ!!起きろよ!フレン!!」
背中からはまだ大量の血が流れていた。
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フレンが体を預ける森の中の一本の木の傍には先程倒した魔物が横たわる。
「…怪我、痛む?」
フレンが優しく尋ねると少年は首を大きく横に振った。
「お兄ちゃんの方が…ずっと痛い…」
フレンの背中には爪で付けられた大きな傷。
そこから止めどなく血が流れ出す。
「僕のことはいいよ。それ、より…歩けそうかい?」
「…ダメだよ…足が動かない…」
「…そうか…」
一か八か一人で街まで走ってもらうことも考えたが今のままでは無理そうだ。
こんなとき魔導器があれば治癒術をかけてあげられるのに…
「…気休めにしかならないかも、しれないけど…」
フレンは自分の剣を地面に突き刺した。
目を閉じて集中する。
すると地面がぽうっと光りだし少年の傷を癒していく。
「…治ってく…」
徐々に光りは薄れていく。
「…っ…はぁ…はぁ…」
ずるりとフレンの腕がつかから落ちる。
「お、おにいち…」
「歩ける?」
少年の言葉を遮るように質問を投げかける。
「え?あ、うん…」
「そうか…なら…危険だと思うけどここから街へ一人で帰れるかな…」
「お兄ちゃんは…?」
「僕のことは心配いらないから…いいかい?よく、聞いて…。
ここから街まではこっちの方向に真っ直ぐだ。絶対横に逸れちゃいけない。真っ直ぐだよ?
もしかしたら君を捜して街の人が森に来てるかもしれない。
そういう人を見かけたら絶対一緒に街まで帰ること。
…君は街に帰ることだけ考えればいい。僕も…後から追い掛けるから。」
「…にんむ…?」
「ん?あ、あぁ任務だ。とても大切なね。出来る?」
フレンが問うと少年はこくりと頷いた。
「よし、いい子だ。後ろを振り向いちゃいけない。真っ直ぐ前を見て出来るだけ速く走れ、行け!!」
「っ!」
少年は走り出す。
言った通り前だけを見て。
「…はぁ…はぁ…どうか…」
街まで無事で…
そのまま意識を手放した。
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壬の中でのお話しですが。
ファーストエイドなどの治癒術は魔導器なしでは発動できない。
でも守護方陣はなんというか…気合?なので発動可能。
でも魔導器有のときに比べると威力は落ちる。
という設定です。
魔術使えないユーリが守護方陣覚えるくらいだからこれは気合だと思います(笑)
っていうか日本シリーズがすごいことになってますね。
壬別にどちらを応援してるとかないんですが…。
今ふとテレビ見ると同点になっとるやないか!!!
あれ、最大4点くらい差あったんじゃ…。
今日中/日勝ってまた明日にもつれ込んだほうが面白いな~と思うので
今日のところはD応援しときます。
「お兄ちゃん大丈夫…?」
「…はぁ…うん、大丈夫…ごめん、早くお母さんの所に返してあげれればいいんだけ…ど…」
フレンがそう言うと少年はふるふると首を横に振った。
「ぼく…お留守番してたら…こんなこと…うっうぅ…」
目に堪えていたものが一つ二つと零れ落ちる。
「…そんなことないよ。僕こそごめん…ちゃんと守って…あげられなくて…」
今から数時間前。
休憩時間を貰ったフレンは街の外の魔物の状況などが知りたくて一人外に出た。
森の中を探索し生息する魔物の種類をチェックする。
作業自体は滞りなく進んでいたのだがそこに予期せぬ事態が舞い込んだのだ。
「…住んでる魔物の種類は変わらないみたいだな…
でも危険なことは変わらないしやはり騎士の人数を増やして街の安全を確保しないと…」
顎に手をあてこれからの方針を決める。
その時だった。
ガサガサと草木が揺れてフレンは警戒する。
しかしそこに現れたのは魔物ではなく…
「じゃーん!へへ~お兄ちゃんびっくりした!?」
一人の少年だった。
この少年は街でもやんちゃ坊主で有名でいつも街の外について来たがっていたのだ。
「な…ついてきたのか!?」
「そうだよ!お兄ちゃん気付かなかったでしょーっ」
「………」
なんてことだ…
完全なる自分のミスだ…。
まさか子供の気配に気付かなかったなんて…
寝不足と疲労はこんなところに影響してしまった。
「えっと…怪我はないかい?ダメじゃないか、街の外は危険だって知ってるだろう?」
気を取り直して説教を始める。
「大丈夫!僕最近剣の稽古してるんだよ!お兄ちゃんより強いかも!」
「稽古って…それは偉いと思うけど君の力じゃはっきり言って魔物の相手にならないよ。
今はまだ街から出ちゃいけない。自分の力を見極めることも強さだよ」
「なんだよ、大丈夫だよ僕強いもん!」
「きみ…」
叱ってやろうとしたその時だった。
グォォォオオン!!!
と言う低く響く鳴き声と共に巨大な魔物が姿を現した。
「!しまっ…」
突然現れた魔物にフレンは考えるより先に体を動かす。
前線から離れ反応の鈍くなった体を無理矢理動かして狙われている子供を抱えて庇う。
がその時振り下ろされた魔物の爪がフレンの背中を裂き、少年の足に怪我を負わせた。
「っく!」
「わあぁぁぁっ!!!」
足の痛みで取り乱した少年を自分の後ろに隠し剣を構える。
襲い来る魔物。
走り出す。
魔物の攻撃に合わせ剣を光らせる。
勝負は一太刀だった。
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すみません、この絵ものすごい眠いときに描いてます(笑)
書き直そうかとも思ったんですが絵が酷いのは今に始まったことではないので!!!
気にしない気にしない!!!
オルニオンに着いた。
「騎士団の詰め所か?」
「でしょうね。ここに来ても仕事の山は無くならないみたいだから
今頃部屋でサインしまくってんじゃない?」
「…はぁ…簡単に想像出来て困るな…」
ユーリが額に手を置いて眉間にシワを寄せる。
そんなわけで依頼人に仕事完了の証を渡しに行ったカロルとジュディスと別れて
ユーリとレイウ゛ンは真っ直ぐ騎士団詰め所へ向かったのだが…
無表情で机に向かってペンを走らせる見慣れた金髪はそこには居なかった。
「…あれ、居ねぇじゃん…」
「そうねぇ…」
部屋を見渡して見ても居ないものは居ない。
しばし立ち尽くした二人の元にバタバタと駆け寄る足音が近付いてきた。
「団長!お戻りになったのですか!」
「あら?ソディアちゃんじゃないの」
「!シュウ゛ァーン隊長…ユーリ…殿……」
息を切らせながら二人の顔を見てそこに目当ての人物が居ないことに肩を落とした。
「…あ、の…団長を見ませんでしたか?」
「フレンを?俺ら今来たばっかりなんだ。あいつどうしたんだ?」
「…休憩時間に「少し出て来る」と行かれたまま戻って来ないんです…」
「まぁ…フレンちゃんだってサボりたい日くらいあんじゃないの?」
「サボるだなんてあの方に限ってっ!今までこんなこと一度もなかったっ!
それに最近特にお疲れの様でしたし…団長の身に何かあったら…っ」
ただ事ではなさそうなソディアの様子を見てユーリもだんだんとその表情を固くした。
次の瞬間には走り出していた。
部屋を勢いよく出て辺りを見渡す。
「この辺一帯は何度も捜しましたっ多分外に出られたんだと…っ」
ソディアが後ろから追い掛けてきた。
「ラピード呼んでくるわっ!」
ユーリはカロルたちと居るはずのラピードの元へ走った。
外ならラピードの鼻が必要だ。
ユーリの背中には冷たい汗が伝った。
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眠すぎてあまり目を開けれてません…
誤字脱字あったらすみません~~
ギルドの仕事を再開して数週間が過ぎた。
「よし!じゃああとはこれを依頼人に届けたら終わりだね!」
目的のものを手にしてカロルが満足そうに笑う。
「無くさないようにしっかり持っててね、カロル」
「そうだぜ、届け終わるまでが依頼だからな」
ジュディスとユーリに揃って子供扱いされてカロルが頬を膨らませる。
「わかってるよ!」
怒ったカロルは先を歩き出す。
しかし目の前に見知った姿を見ると怒っていたことももう忘れてその人物の名をいつもの調子で呼んだ。
「あれ?レイウ゛ン!」
名前を呼ばれたおっさんは片手を軽くあげながら小走りでユーリたちのもとに来た。
「よ!皆元気そうね」
「何してんだよおっさん」
「仕事よ仕事。今日は騎士団のお使い。」
騎士団…と聞いてユーリはぴくりと反応する。
そんなユーリを見てレイウ゛ンは聞かれる前に質問に答えた。
「フレンちゃんならバリバリ働いてるわよ」
何も言ってねぇよ、という顔をしてユーリに見られる。
「フレンちゃんのこと気になってんでしょ?」
「……まただだ漏れなのかよ……。いや、まぁいいわ。なぁあいつちゃんと休んでんの?」
「さぁねぇ…おっさんの知る限りでは取ってなさそうだけど…」
「相変わらず休んでねぇのか…」
「毎日忙しそうよ。おっさんも気になってたのよねぇ…」
「おっさんから何か言えよ。俺じゃ聞きやしねぇ」
「おっさんも一回言ったことはあるのよ?
「ちゃんと休んでますよ?」ってにこってされて終わりだったけど…
でもホント忙しそうなのよね…こんな状態が既に何ヶ月も続いてるし
そろそろ真面目に危ないかもしれないわよ」
「……あいつ…今度会ったら一発ぶん殴って気絶させてやる…」
「ま、それでも寝てんのと変わらないなら青年のしたいようにしたらいいわよ」
さすがに休まないフレンが心配なのかレイウ゛ンも止めなかった。
「レイウ゛ンこれからどうするの?」
カロルが話題を変えた。
「とりあえずフレンちゃんに仕事の報告しなきゃだからねぇ…
今オルニオンに視察に行ってるはずだからそこに行くわ。」
「あ、オルニオンなら一緒だね!」
「ホントに?じゃあおっさんも連れてってよ。船代浮いて助かるわぁ~」
「ケチ臭いこと言ってんなよ」
「おっさんも色々入り用なのよ」
「どうせ夜飲み歩いたりしてるんでしょ」
カロルが渇いた目をしながら言う。
「必要経費よ。やっぱ癒しは必要でしょ」
「フレンに一部でもおっさんの不真面目さがありゃなぁ…」
「ちょっと青年失礼よ?」
ムッと頬を膨らませながら見られたが、そんなこと言える素行してないだろ、と見て見ぬ振りをした。
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最近横になれば気が付けば意識がないという生活をしています。
それなのに昨日から今日にかけて腹痛と目眩と吐き気…
目を瞑ると目が回るので寝れたもんじゃないです。
ウイルス性の風邪じゃないかと言われました。
最近周り風邪ばっかり引いてたからなぁ…。うつったのかな。
皆様もお気をつけくださいませ。
「おはようユーリ!今日からまたバリバリ働こうね!」
「はは、カロル先生相変わらず元気だなぁ」
集合場所にカロルの姿を見つけて小走りに近寄る。
「そりゃ今日からユーリと居られるしね!下町の様子はどうだった?」
「こっちも相変わらずだな。
ちょっと何日か居るだけで「仕事無くなったんじゃないだろうな」ってうるせぇうるせぇ…」
「フレンは元気だった?」
「あ?あぁ…元気なんじゃね?仕事の鬼みたいになってたけど。」
「そっかぁ…やっぱり騎士団長って忙しい仕事だよね。
レイウ゛ンの力もあるけどギルドと騎士団が歩み寄ってるのってフレンの力が大きいみたいだよ。
騎士団長でありながらちゃんと本人が会議とかに出席するしね。
そういうの今までの騎士団にはなかったから。」
「ふーん、そんなことまでしてんのか、あいつ…」
忙しいのに重要な仕事も些細な仕事も全部引き受けてんだろうなぁ、なんて思う。
あんなに仕事ばかりして本当に倒れてしまわないだろうかと一つ溜め息をつく。
そんなユーリの姿にカロルが首を傾げたが「何でもねぇよ」と苦笑した。
「ジュディは外か?」
「うん、バウルと一緒に待ってるよ。…ユーリ、フレン元気じゃないの?」
「は?元気だって言ったろ?」
「そっか。ユーリなんか心配そうな顔したから。」
「……そんな顔したか…?」
「うん。ユーリがそんな顔するのってフレンのことが多いから…。」
「………」
参った…顔には出してないつもりだったんだけどな…
そんなだだ漏れになるほどあいつのことが心配だったのか、
それともカロルに対して緊張感が足りなさ過ぎるのか…
あまり心の中を悟られることがないユーリはカロルの言葉に信じられないという感情を隠さなかった。
「…カロル、俺いつも感情漏れてるか…?」
「え?そんなことないよ、逆にわからないくらいだよ。
でもフレンのことはわかりやすいよねって皆言ってる。」
「…皆言ってんのか…」
「うん」
…完全に前者だったが…
何だかとても恥ずかしい気がする。
どんな感情が漏れていたというんだ…
一番隠したい気持ちだけばれてなきゃもうそれでいいや…
ユーリは遠い目をしてそんなことを思ったが
その部分がよもや一番だだ漏れだったなんて知らなままだった。
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数日前の話しですが友人宅では徹夜でVやってました(笑)
その影響かはたまた関係ないのか最近眠くて眠くて…。っていつもですね。
友人初Vだったのにイベントシーンをことごとくカットしてくれるという
内容知ってる上に戦闘しか参加できない壬ら友人になんとも優しい待遇。感謝!!www
そういえばこのサイト見てるとか言われた。むしろここを読んでるといわれた。
こんな文章載せてるのにどうしたらいいんだ。
今音楽ソフトをランダム再生で流していたらアビスのドラマCDが…
思わず聞き入ってしまいました。
「大きくなりたいですの」。
アッシュとみゅうの会話が面白すぎる。
あとなんかジェイガイに聞こえてしまうのは気のせいですか。気のせいじゃないですよね。
あれはジェイガイだ。
「お疲れ様です団長閣下。これより30分の休憩を取りそれから…」
30分も休憩があるのか…過去最高だな…
「会議室に移動していただき予算会議に出席して頂きます。」
…あぁ、なるほど。その30分で会議の資料に目を通せってことか。
残念、貯まった報告書を片付けられると思ってたのに…
「18時にはノールの新執政官との食事会があります。」
終わってから報告書に目を通すのか…今日も1時間寝れたらいい方かな…
「わかった。会議で使う資料を持ってきてくれ。」
「了解しました」
私室に入って肩を下ろす。
張り詰めていたものを体から流す。
ふぅ、と息を吐いて椅子に座って暖かい日差しに少しうとうとしてきたが
部屋に響いたノックの音でまた目が覚める。
「はい」
「失礼します。会議の資料をお持ちしました」
「ありがとう。」
その資料を受け取る。
「君も少し休んでくれ。ずっと付きっ切りで疲れているだろう?」
「え、いえ、私は…」
「私のことは気にしなくていい。時間になったらちゃんと準備するから。」
「あ…で、では…失礼します」
「どうぞ。」
見るからに疲労で倒れそうな様子だった騎士は、我慢の限界を感じてその言葉を受け入れた。
優しい笑顔で送り出すとその騎士はぺこりと頭を下げて部屋を出る。
それを見届けてからフレンは再び資料に目を戻す。
最早眠気はなかった。
一日が漸く終わって部屋の明かりを消す。
ベッドに潜り込んだのは起床時間の2時間前。
少しだけ予定より多い睡眠時間。
眠りに就こうと目を閉じる。
何秒、何分、何時間経っただろうか。
眠れない。
そっと目を開けて空を見ると月の位置も変わりなくあれから時間もあまり経っていないとわかる。
はぁ…
最近ずっとこんな調子だ。
寝ようと目を閉じても眠れないのだ。
そんなとき考えるのは幼なじみの彼のこと。
自分だって仕事で忙しいくせに時間を作っては様子を見に来てくれるユーリ。
そんな優しさに甘えてはいけないと思うし彼には彼のやることがあるはずで、
自分のことは心配いらないと、ちゃんと自分自身のことに集中して欲しいと思うのに、
彼はここに来ることをやめない。
自分がしっかりしていないからだ、と思った。
だから昔みたいに心配されるんだと。
そう思って仕事を頑張ってみるとユーリの眉間の皺は更に増えた。
どうしたらいいのかわからない。
こんなに頑張ってるのに。
だから冷たくして彼を遠ざけた。
これが正解だったんだろうか。
きっと違うんだろうなとフレンは考える。
答えの出ない考えを終わらせようと立ち上がって机の明かりを点けた。
城の中でその部屋だけに明かりが点いていた。
「10時から12時半まで5名の執政官と会談、時間が無いので一人30分でお願いします。
その後休憩を5分ほど挟んで新人騎士の訓練視察、
13時30分から魔導器に変わる新しい動力についてアスピオの研究者から説明があります。
15時からそれについての検討会、引き続き会議室にて予算会議、
18時より貴族様方と会食があります。この時は礼服でお願いいたします。
終わり次第本日の業務は終了です。」
「わかった。」
長い説明を書類に目を通しながら聞いて簡潔に返事をする。
「下町の治安悪化の問題も上がってきています。各地でも食料の奪い合いや事件も多発、
魔導器が無くなって混乱が各地で見られます。」
「あぁ。来週になれば時間が取れるはずだ。一度街を回りたい。部隊の編成を頼む。」
「了解いたしました!」
ピシリと姿勢を正して敬礼する部下。
二人のそんなやり取りをソファーの上で寛ぎながら聞いていたユーリは「ふあぁ…」と大きく欠伸をした。
「失礼いたしました!」
再び敬礼して部下が部屋を出る。
ソファーの上の人物については暗黙の了解のような状態になっていた。
特に気にとめられることもなくなった。
「騎士団長ってのはお忙しいんだなぁ…いつ休むんだ?」
「夜だよ」
「でもたまった報告書に目を通し終わる頃には朝がきてるってか?」
ユーリはゆっくり立ち上がってフレンに近付く。
「ちょっとは休めよ…ひでぇ顔してんぜ?」
目の下の隈を親指で触れながら言った。
「今はダメだ。さっき聞いただろ?魔導器がなくなって各地が混乱してる。
休暇なんか取ってる場合じゃないよ」
ユーリを睨みつけるように見る。
あぁ、昔はこんな顔しなかったのになぁ…
あの素直で純粋無垢な天然天使はどこへ行ったんだ…
ユーリはそれを無表情で見詰め返しながら思う。
「んで、いつになったら休めんだ?」
「さぁ、知らないよ。休みが欲しくて騎士やってるわけじゃないからね」
「…あそ。」
感情のこもらない冷たい言葉。どこか突き放したような、そんな。
前はもっと笑いあったり喧嘩したり、表情がころころ変わる奴だったんだけどな…
ユーリは一つ溜め息をつく。
「気に食わないなら出て行ってくれないか?君と口喧嘩で割く時間はないんだ。」
目線はすでにユーリから離れて資料に集中していた。
「……可愛くねぇの。ぶっ倒れても知らねぇからな」
言っても何の反応もない。
聞いてるんだか聞いてないんだかすらわからない。
「…。あ、俺明日からギルドの仕事で帝都離れるから。せいぜい仕事頑張れよ」
言い残して部屋を出る。
窓から。
ユーリが出て行った後、フレンは息を一つ吐いてペンを置いた。
「…そっか……頑張ってね…」
ぽつり呟いた声は誰の耳にも届かなかった。
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ちょっくら友人宅へ行ってきます~。
