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17


「…………」

フレンがギシギシと言い出しそうな動きで体を離す。
「………っ」
「あ、おはよ、フレン。」
「………ひ………うわあぁぁぁっ」
正気に戻ったフレンは直ぐさまユーリを引きはがすように暴れた。
が、ユーリは離さない。
「どした?なんかいい夢でも見たか?」
ニヤニヤと満面の笑顔で詰め寄る。
「はっ離してくれっ何でここに居るんだっ…
 っていうかもう顔を見ないでくれっいや見せないでくれっあっち行けっ!!」
「や、何気にそういう拒絶は傷付くからな?一体どうしたんだよ?」
「ぼ、僕…っな、何かおかしいこと口走らなかったか!?」
青い顔でそう尋ねられてユーリは首を傾げる。
「さぁ、おかしいこと?何だ?」
「何って……いや、言ってないならいいっ夢だった、よかった!」
あまりの動揺で心の感想まで口走る。
「何だ?夢では何て言ったんだ?」
「聞くなっ!っていうか離れてくれっ!!」
「気になるなぁ、だってお前が現実に言ったことは俺のこと「大好き」ってことだけだからなぁ」
「………」
サァッと顔が青くなったような赤くなったような、なんとも言えない顔色をした。
「い…っ言ってるんじゃないかっ!!!」
「お?おかしいことってこれか?」
「他に何があるんだっ」
「てっきりもっと激しいこと言ってんのかと…」
「激しい!?とにかく何でもいいから離れてくれっ」
「いや、離れるとか無理だろ、何たって大好きだって言われちまったからなぁ…」
「君はこれをどういう意味だと…」
はたと止まってフレンは何かを考え込んでいる様だった。

そうか、ユーリはきっと友達としての「好き」だと勘違いしているんだ。
冷静に考えて突然男に、
それも親友に「好き」だと言われて恋愛感情が含まれてるなんて考える方がおかしいじゃないか。

フレンは考えを纏めてユーリをキッと見据える。
「ユーリ!僕は君のこと好きだよ!だって親友だもんね!」
瞳の力を強くして言った。
それは拒否も反論も許さないという意思が込められている。
「…親友…?」
「そう!さ、ユーリはベッドで寝てくれ!お休み!」
ぐいぐいとベッドの方へ押しやる。
「親友ねぇ…まぁ別に今はそれでもいいけどな」
フレンに押されていた背中は急に反転してフレンの顔を覗き込む。
「そろそろ素直になってくれねぇと襲っちまうぞ」
「…………へ?」
真面目な顔をしていたかと思えば次の瞬間には表情をにっと崩してフレンの頭をぽんと撫でた。
「ま、楽しみにしてるわ。」
「………」
そう言って自分からベッドの方に歩き出したユーリをフレンはただぽかんと見ているしか出来なかった。



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GCD聞きました~~ネタバレですよ~
というか…なんでしょうあの他のCDよりもはるかにギャグ濃いストーリーは…www
ヒューバートがかわいいですね。
「この青いひらひらのところに書いてください」
「ヒューバート君へ」
「日付を忘れるところでした!」
「お前があんまり嬉しそうなんでつい…」
この兄弟よすぎるでしょう~~~vvv
しかしやはりGはノマカプ要素も濃いですねぇ~。
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16



フレンがシャワーから戻って交代にユーリがシャワーへ向かった。
そうだ、と思い付く。
今のうちにソファーで寝てしまえばユーリは何も言えないではないか。
フレンはソファーの上で寛ぐラピードの肩をとんとんと叩いた。
「ラピード、君はあっち。」
フレンが指差したベッドを見る。
「ワンっ」
そんなことをすると後でユーリに仕返しされるとラピードは拒む。
「そんなこと言わずに…お願いっ今度埋め合わせするからっ」
「ワン!」
ラピードはフレンの顔を舐める。
「ん、遊んで欲しいの?」
「ワン!!」
ラピードが頷く。
「わかった、今度のお休みには思いっきり遊ぼう!だから、ね?」
ラピードはフレンの首元にスリスリと顔を擦りつけると起き上がってベッドに飛び乗った。
「ありがとう、ラピード」
ラピードにお礼を言ってソファーに寝転ぶ。
ふぅ、これで一安心だ。
早く寝ようと目を閉じる。
思ったより疲れていたみたいで簡単に眠りの世界に旅立った。


ユーリがシャワーから帰ってくるとベッドにラピードが寛いでいて、
ソファーを見ると規則正しく動く布団にフワフワの金髪が見えていた。
「ふ~ん…ラピード、何て言われたんだ?」
「ワフ?」
何のことだと惚けたように言われる。
「しっかり買収されやがって。ま、そっちがそのつもりなら…」
ユーリはソファーに向かって歩き出す。
そして何の躊躇いもなくその布団に潜り込んだ。

突然背中に感じた圧迫感に目を覚ますフレン。
「…ん?」
寝ぼけ眼で振り返るとユーリの顔が近かった。
「……ユーリ…?」
「悪ぃ起こしたな」
ぽんぽんと謝る気もないことを言いながら頭を撫でた。
それにくすぐったそうにしながらフレンは幸せそうに微笑んで、ユーリの首に腕を回してきた。
どうやら中途半端に寝ていたせいで相当寝ぼけているらしい。
それをいいことにユーリはフレンの甘えを受け入れ
デレデレの顔を隠すことなく優しい声でフレンの鼓膜を刺激する。
「フレン、お前俺のこと好きか?」
優しく尋ねるとフレンはにこりと微笑んだ。
「うん、大好き…」
そい言ってまた抱き着いてくる。

あぁ可愛いな、こいつ何だホント…

寝ぼけて大分幼くなってしまった幼なじみを抱きしめてしみじみと思う。
昔から誰にも渡したくなかった存在。
物に執着がない性格だと言うことは自分でも理解している。
何もいらない。
こいつさえいれば。

「…………」

その時、フレンの体がぴしりと固まるのがわかった。


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昨日は職場での飲み会でした。


ところで!CD来ました~~~vvv
楽しみすぎて最後に聞こうとしたんですが
結局我慢できなくて最初に聞いたVCD。
というわけでネタバレです。

今回のはよかったですね~~!!!
騎士団の仕事で弱るフレンと心配するラピードだなんてなんて壬が喜ぶ設定!!!
時々ものすごくわかりやすいユーリ萌え
ガールズトークktkr
リタユーリには厳しい
リタですらフレンに対してはあまり悪いこと言わない。
なんか逆にどっちも脈有な感じがする。
最後のフレンの料理、誰も本人を咎めない件www
これぞフレンちゃん天使設定!!!!
とりあえず悩むフレンを放っとけないエステルとか
寝ぼけたパティとか
ユーリに手厳しいリタとか
鍋を1人で平らげるジュディとか
女性陣が可愛すぎた!!!!

今SCD聞いてます。
ロイドのアホっぷりが神がかり的に可愛い。
ゼロスのハニー呼びを普通に受け流す慣れっこになってしまったロイド萌え。
ゼロスの悪徳金貸しキャラ(関西弁)
コレット可愛い
TOG if
小野坂さんトルネ愛用。

TOGとかはまた後日。
15



トリムに着いた。
日はすっかり落ち月が辺りを照らす。
「とりあえず今日はここまでだな」
「そうだね…今日は部屋二つ取れるといいね…」
「ん、別に一つでもいいんじゃね?」
あっけらかんと言い放つユーリにフレンは久しぶりにユーリの目を真っ直ぐ見詰めた。
「……君さ……もう少し警戒してくれないと困る…」
「…は?」
伏せるように目を逸らした。
「…何でもない。行こう」
フレンは先を歩き出す。
ユーリはそれを見ながら呟いた。
「…そっちのが警戒しろっての…俺の理性よく持ってるよなぁ、なぁラピード」
「…ワフ」
ラピードは呆れたように溜め息にも似た返事をした。



「いらっしゃい、おや、久しぶりだね」
星喰みとの戦いで世界中殆どの宿屋の主人と知り合いになっていた二人は
主人に気さくに挨拶され、そして。
「悪いね、今空き部屋が一つしかないんだ。ま、君達なら大丈夫だよね!」
と、にこやかな笑顔で言われるのだ。
「は、はぁ…」
フレンは作り笑いを顔面に貼付けた。

「…どうしてこう一部屋しかないんだろう…」
「さぁな。魔導器無くなっちまったしいろいろあんだろ」
「…そっか…」
フレンはなるほど、と頷いたがそれにしたって何でどうしてこう…
「ベッドが一つしかない部屋に入れられるんだ…」
部屋の扉を開けてがくりと肩を落とした。
「ん~…やっぱ俺らが仲いいの知ってんだろな。」
「………。」
あの旅でもうちょっと意識して離れておくんだったと後悔した。
「…じゃあ今日は僕がソファーで寝るから…」
「だから何でそうなんだよ」
「だってユーリが言ったんじゃないか、僕の寝相が悪くて眠れなかったって。」
「や、別に迷惑してねぇからいいって。」
「ダメだろ、魔物との戦闘でも弊害が出るじゃないか」
「大丈夫!そこは何とかするから」
「何とかって…駄目だ!怪我でもしたらどうするんだ!」
「しねぇっ絶対しねぇから!」
フレンはなかなか引かないユーリに気になる一言を投げかけた。
「大体ベッドなんて一人で使えた方がいいじゃないか、一緒に寝たがる意味がわからないよ…」
「意味?」
瞬間ユーリの瞳の色が変わった気がした。
「知りたいか?」
どくりと、
心臓が反応した。
知りたいかって?
知りたいよ、君は僕のことどう思ってるのかって。
それでただの友達なら諦めがつくだろう?

「……」
「…フレン」
「……し、知り…」
「………」
「…知りたくない!!!」
フレンは立ち上がる。
「は?っておい…」
呆気にとられるユーリに言い放つ。
「シャワー浴びてくる!」
赤い顔を見られないようにそう言うとユーリは漸く状況が飲み込めたようでニヤリと笑みを浮かべた。
「一緒に入るか?」
なんて悪戯っぽく言われてフレンは顔を真っ赤にして「からかわないでくれっ」と部屋から出て行った。
そんなフレンを愛おしそうに見る瞳にラピードはまた溜め息をついた。




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フレンのフィギュア、仮予約してたんですがサイトの表示が「完売」になっていてちょっと焦ってます。
本当に予約できてるんだろうか…。
14



波に揺られてふぅ、と一つ息を吐いた。
隣には眠る親友。
「……意識しないようになんて…無理だよ…」
体育座りの膝をギュッと抱える。
意識し始めたのはユーリがエステリーゼ様と一緒に居るのを見た時だった。
それまでも下町や騎士団でユーリが誰かと居るのを見た時
よくわからない感情が胸を締め付けることがあった。
だけどエステリーゼ様と居るのを見た時に、
レイウ゛ンさんやジュディスにからかわれているのを見た時に、
エステリーゼ様に対して嫉妬を抱く自分に気付いてしまったのだ。
気付きたくなかった汚い感情。
ユーリにはただの重みにしかならないことを知っているから、
だからあの旅が終わった後距離を置いたのに…。
忘れるために、
ユーリに迷惑をかけないために、

ユーリに嫌われないために………


「何を意識すんだ?」
「何ってそりゃ…………っ!?ゆ、ゆユーリっ君いつから起きて…」
振り向くとユーリが寝転んだまま頬杖をついてフレンを見ていた。
「俺さっき寝転んだだけだぜ?そんな寝付き良くねぇっての」
「…そ、そうだね…」
「元気ねぇな、何かあった?」
「…そ、そんなことないよ?あ、僕ちょっと気分悪いから向こう行ってる」
そう言って立ち上がろうとしたら腕をぐっと掴まれて拒否された。
「…!…ゆ、ユーリ…?」
「…俺枕がないと寝れねぇんだよ、」
そう言ったと思ったらごく自然に体を乗り出して膝枕をせがんでくる。
「わぁぁぁぁっ!」
「…何だ!?そんな叫ぶことか?」
「あ、あああああの…僕ほら、今鎧着てるし頭痛いよっ」
「平気」
ユーリは更に体を乗り出す。
「えっとえっとっそうだラピードっ」
フレンは隣に居たラピードを抱き上げてユーリと自分の間に押し込んだ。
「ラピードなら…気持ちいいよっうんっ」
「………」
「……」
ユーリとラピード両方から何か訴えるような目で見られてフレンは目を泳がせた。
「じ、じゃあ僕あっち行ってるっ」
慌てて立ち上がって二人から離れた。
人にぶつかりながらふらふらと立ち去って行くフレンを見ながらユーリはラピードと顔を見合わせた。
「……すげえ動揺してんな」
「わん!」
「素直で可愛いこった」
そういってユーリはラピードの背に頭を乗せて目を閉じた。
13



「間もなく出航しま~すっ」
船長が乗客に船に乗り込むよう伝える。
ノール港に着いた二人と一匹はすぐ船に乗り込んだ。
「ギリギリだったな」
「ユーリが途中小腹空いたとか言って木の実を採り出すからだろ」
「お前だって美味しい美味しいって食ってたじゃねぇか」
「…美味しかったんだよ…」
「じゃ、いいじゃねぇか、間に合ったしうまいもん食えたし?」
そんなユーリにフレンは苦笑を漏らした。
「……ホントに君は…」
「それでは出航します!」
フレンの言葉はボォォォという汽笛の音と船長の出発の合図に掻き消された。


船が出る。
気持ちいい風が頬を撫でる。
「気持ちいいね、ユー…り…」
フレンが隣を見ると早速寝る体勢のユーリが居た。
「…まさか寝るつもりか?」
「何だよ、寝不足なんだよこっちは」
「そうなの?眠れなかったの?」
「あぁ。誰かさんの寝相が悪くてな」
「え…………僕…?」
フレンが自分を申し訳なさそうに指差した。
ユーリはちらりとフレンを見ただけで「気にすんな」と目を閉じた。
フワッと、
優しく触れる感触がしてパチッと目を開けた。
見るとフレンが優しく頭を撫でていた。
「ごめん…殴ったりとかしたのかな…」
心配そうに「痛いとこある?」「手当てしようか?」なんて
オロオロするフレンを見てカァッと顔が赤くなった。
「い、いや、大丈夫っ大丈夫だからっ殴られたりしてねぇから!」
慌ててユーリはフレンの腕をぐっと掴んで言い聞かせた。
「……そう?」
じゃあなんで寝不足なんだろう?
フレンは首を傾げる。
「あ、もしかしてベッドから落ちそうなのを助けてくれたとか?」
「あ?あ~…いや、むしろその逆っつーか…」
「逆?……落ちる逆?……浮く?」
「なにがだよっ……いや、まぁいいじゃねぇか。」
「良くないよ、やっぱり一緒に寝たのが良くなかったよ。」
「いや!そこは違う!」
ユーリは断固否定した。
自分のせいで寝られなかったと愚痴を零すくせに変なことだ。
「…一緒に寝たのは悪くねぇ。わかったか?」
「う、うん。でもそれ以外はちんぷんかんぷんなんだけど…」
「ん~…だからお前は寝てる時のが素直で可愛いってこった」
「はぁ?」
「あぁもう終わり!俺はトリムに着くまで寝るから、着いたら起こして。」
その場にごろんと寝転んで目を閉じてしまった。
フレンはじっとユーリを見て、やっぱりわからない、と小首を傾げた。
12


「ふあぁぁぁ…」
「おはようさん、よく眠れたか?」
フレンが伸びをしているとユーリはすでに起きていて目を細めてフレンを見ていた。
「え……あれ、いつの間に寝たんだろう…」
そういえば昨日はユーリが近すぎて眠れない予定だった。
蓋を開けてみればその匂いに安心しちゃって熟睡したというわけだけど。
最近こんなにすやすや眠れたことなかったなと思う。
城の私室は広すぎて落ち着かなくて、深く眠れたことはあまりなかった。
「…なんかすごいすっきりしてるよ。ベッドがよかったのかな」
「いや、ベッドは硬くてそれなりに最悪だったろ」
「ん~……じゃあなんでこんなすっきりしてるのかな。
 あ、何かね、下町のベッドと同じ感じがした気がする」
「…下町の、ね。」
ポンポンとフレンの頭に手を置いたユーリにフレンは首を傾げる。
「さ、支度しろよ、今日は峠を越えて船の時間に間に合うようにしねぇとダメだからな。」
「わかってるよ、」
普段と立場が逆になってしまってフレンは少しむっとしたように返して支度を始めた。
そんな様子を見て微笑んでいたユーリは「ふぁ~」と一つ大きな欠伸をした。
「やべぇ、眠すぎる…」
頭をガシガシと掻いて頬を両手で叩いて覚醒を促した。



ハルルを出て再び歩く。
「なんか懐かしいな、あの旅を思い出す。」
「そう、だね」
あの旅でユーリは世界を広げて、自分が知らない人ともたくさん知り合った。
知らない所でたくさん経験を積んだ。
合流して仲間と笑い合うユーリを見たとき、
何だか知らない人になってしまったみたいで寂しい思いをしたのを思い出す。
「でもお前と二人きりでこうして外の世界を旅すんのは始めてだな。」
「そうだね、最初はエステリーゼ様と一緒だったんだよね…」
あ、また胸が痛んだ…
はぁ、と溜め息を一つ。
「あぁ。エステルがフレンに会いたいってな。びっくりしたぜ、お前の彼女かと思って…」
「まさか。彼女は皇位継承者だよ?」
「いや、知らなかったしな、最初は。」
「………うん…そうだよね…知らなかったんだよね…」
だからあんな風に気さくに喋ることが出来る。
もし…最初からエステリーゼ様が皇族だと知っていたら…
もし…二人が出会ってなかったら…
もし…僕が帝都に居たら…
魔導器だって僕が取り返しに行っていたと思うし、
ユーリとエステリーゼ様二人で旅をするようなこともなかった。

もし、たら、れば…
後ろ向きな考えばかり浮かんで来る。
ユーリは嫌いそうだな、こういう考え。

フレンは自嘲気味に微笑んだ。
11



「ほら、さっさと来いよ」
「………。」
簡易的に備え付けられたシャワーをさっと浴びて髪も乾かないうちにベッドに寝転んだユーリは
隣の空いたスペースをポンポンと叩いてフレンを呼ぶ。
気付かれないように深呼吸をしてユーリの隣に寝転んだ。
ギリギリ端っこに。
「…何でそんな今にも落ちそうな所に寝るわけ?」
「…そ、そういう気分なんだ、気にしないでくれ…」
「意味わかんねぇし」と呟くユーリに背を向けるように寝返りをうったら床に落ちた。
「痛った~…」
「ほらそんなギリギリんとこ寝るからそうなんだよ。」
肩を打って摩っているとその手を掴まれて引き寄せられた。
顔が近い。
ドクンと心臓が反応したのがわかった。
まずい、と思って体を離そうとしたらぐっと一層力を込めて抱きしめられた。
「ゆ、ゆゆゆユーリ…っ」
「何だよ」
「ち…ちょっと…とりあえず離してくれないか…っ」
「そんな端っこに寝られたらなんか俺がベッド占領してるみたいで居心地悪ぃだろ」
「わかった!ちゃんとするからとりあえず離してくれっ」
「い、や、だ。」
「ユーリ…っ」
抵抗しようとすればするほどユーリは腕に力を入れて体を近付ける。
ぎゃあぁぁぁぁっ
と叫びたいほどフレンの頭はパニックになっていた。
こんなに密着して、平常心でいられるはずがない。
ユーリへの気持ちを悟られないようにずっと避けていたのだ。
会うのだって久しぶりなのに。
フレンはギュッと目を暝って体を硬直させた。
「……何、寝ねぇの?」
「…っ……ね、寝るよ?寝るから少し離れて…」
「ん~…」
ユーリは更にギュッとフレンを抱きしめて髪に顔を埋める。
「!き、今日はなんだか甘えん坊なんだね…」
「甘えん坊っつーか……」
髪にかかる息がくすぐったくてフレンはぴくりと体を震わせる。
「やっぱ落ち着くわ、お前の匂い…」
「お、…落ち着く…?」
「あぁ…………くっ」
「ゆ、ユーリ?」
突然堪えきれないとばかりに笑い出したユーリにフレンはどうしたんだと目を向ける。
「いや、お前…やっぱ可愛いなと思って…」
言いながらもくくくっと笑い続けるユーリにフレンは眉を潜める。
「か、可愛い…!?」
「…あぁ。可愛い」
「…………。一応聞くけど…どの辺が…」
嫌そうにフレンが尋ねる。
「そりゃ………気付かれてないと思ってるとこ…?」
「は?何が?」
フレンはますます頭に疑問符を浮かべる。
「まぁいいじゃねぇか、もう寝ようぜ」
「…………。」
ギュッと体をくっつけてくるユーリにもう言うのも諦めて今夜は眠れない夜を過ごすことを覚悟して、
そっとユーリに擦り寄って目を閉じた。
10


一日かけてハルルまでやってきた。
「よかった、今日は野宿しないですみそうだね」
「ま、部屋が空いてたら、の話だけどな」
「ハルルの目の前まできて野宿は嫌だな…」
「そうか?俺は別に構わねぇけど」
「ユーリが野宿好きなんて知らなかった」
「や、別に野宿が好きなわけじゃねぇけどな?」
そんな会話をしつつ、宿屋にやってきた。

「いらっしゃい、おやあんたたちは…」
見覚えのあり客に店主は顔を綻ばせた。
「お久しぶりです。」
「今日は二人かい?珍しいね」
「えぇちょっと用事がありまして…」
「そうですか、ご苦労様です。…えっと、泊まりですよね?」
「あぁ。部屋空いてるか?」
「えぇ。…ですがその…」
「何か?」
「いえ、あなたらなら大丈夫か。これ部屋の鍵ね」
「はぁ……?」
鍵を受け取りながらも首を傾げるフレン。
しかし部屋に行ってみて店主の様子がおかしかった理由がわかった。

「………。」
「……ベッド一つだな…」
「……しかもシングル……」
なるほど、と理解する。
一人部屋しか空いてないということか。
「……じ、じゃあ僕こっちのソファーを使うよ」
「は?勝手に決めんなよ」
フレンが提案したことにユーリが反論する。
「…じゃあユーリソファー?」
「嫌だ。」
「…じゃあ僕がソファーじゃないか…」
「だから勝手に決めんなっての。」
「じゃんけんする?」
「いやいやまてまてまて。」
とりあえずフレンを落ち着かせる。
「ソファーはラピードがいるだろ?」
「……あ。じゃあ僕が寝る場所がないじゃないか…」
「だから、ベッドで寝りゃいいじゃねぇか」
「じゃあユーリはどこで寝るんだ?」
「だからベッドで」
「…じゃあじゃんけんを…」
「だから一緒に寝りゃいいじゃねぇかって言ってんだ!」
堂々巡りの会話にユーリがついに我慢ならずにはっきり言った。
「…一緒に…?」
「あぁ!」
「………」
フレンは苦笑いをしながら冷や汗をかいた。
冗談じゃない。そんな一緒に寝るだなんて…
心臓が爆発してしまうかもしれない。
昔と違って今はユーリのことをそういう意識で見ているフレンは断固反対した。
「わ、わかった!じゃあユーリとラピードがベッドで寝ればいいよ!僕はソファーで寝るから!」
言いながら布団を一枚引き抜こうとするとその手をパシッと掴まれた。
そのままぐいっと引っ張られ、ベッドにダイブした。
「わっな、何す…っ」
反論の途中でユーリが上に跨がってきて息を呑む。
「ちっちょっちょっとユーリっ!?」
「うっせぇ、もう寝るぞ」
「だ、だから僕はソファーでっ」
「ソファーはもうラピードが使ってる。」
見るとラピードがソファーの上で寝る準備をしていた。
「………。せめて鎧は外させてくれ…」
諦めてそう言うと「脱がしてやろうか?」なんて言われたから反射的に殴ってしまった。
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