□最新記事がTOPにない場合があります。
■カテゴリーをクリックしていただくと更新されている場合があります。
□予約更新機能が不安定のようです。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「昨日は知らない間に飲みつぶれてお触りあんまり出来なかったって客から苦情がきてさ…」
事情を話す店主にその場にいた三人は頼むからそれ以上喋らないで!と心の中で懇願した。
フレンのことでは我を忘れる傾向にあることは昨日フレンとの関係を知ったエステルも、
まだ知らないカロルも、確信を持っているレイウ゛ンも知っていることだった。
「確かにあいつ美人だからギルドの連中が入れ込むのもわかる気がするしね、
彼さえよければそのままうちで…」
まだ話続ける店主の言葉を遮ったのは、ベキッと言う大きな音だった。
それは堪え切れなかったユーリの拳が壁に大きな穴を空けた音。
その場にいた全員が言葉を無くす。
ユーリは俯いているせいで表情は見えない。
「……悪ぃけど……あいつのことは忘れてくれ…」
静かな、声だった。
「え、でも…」
「そのギルドの連中が暴れたら…俺がどうにかするから…」
ピリピリと空気が痛い。
精一杯感情を抑えている。
それでも漏れ出す怒り。
店主はこくこくと二、三度頷いて逃げる様に帰って行った。
残された三人も立ち去りたい気持ちでいっぱいだったが、ユーリの目がギロリとカロルを捕らえた。
「……カロル…」
「はっはいっごめんなさい!」
条件反射の様にカロルは謝罪を口にした。
「…今後こういう仕事が来て人手が足りなくても…」
「わかってるよっフレンには頼まない!」
カロルが宣誓するように言う。
その時カチャッと隣のドアが開いた。
「なんか僕のこと呼んだ…?」
フレンだ。
この重っ苦しい空気を全く感じないこれは体質なのか。
いっそ羨ましいと三人は思う。
ユーリは部屋にフレンを押し込んでドアを閉め、鍵をかけた。
「え、ユーリ、なに?」
と戸惑いながら部屋に連れ込まれるフレンを見ながら三人は
「フレンには悪いが助かった…」と肩を撫で下ろした。
「なに?」
フレンは部屋で首を傾げた。
部屋に連れ込まれ、ベッドに座らされて肩をきつく掴まれている。
「…お前昨日飲み屋でバイトしたのか…?」
「うん。そうだよ。」
「…触られたり…したのか…?」
「あぁ~…」
フレンはしみじみ思い知ったように言った。
「ギルドの仕事って大変なんだね…」
「大変じゃねぇよっんなもんにいちいち付き合ってんじゃねぇっ!」
「だってユーリたちのギルドは何でも屋みたいなものでしなかったら名折れだって…」
「真に受けんなアホっ!」
ベシッと頭を叩く。
「痛ぁーっ」
「うるせぇ、で、どこ触られたか詳しく話せ」
「なんでっ」
「洗うんだよっ嫌なんだよなんかっ!」
「自分で洗うよっ」
「いいから来いっ!」
ぐいっと腕を引かれて風呂場へ連れて行かれた。
触られたかところも、そうじゃないところも、綺麗にされたとかされてないとか。
こうしてユーリの昨日から溜まった鬱憤は少し晴らされた。
PR
朝早く宿に来客があった。
「カロル、カロル~、お客様がいらっしゃってます、カロル起きてます?」
コンコン、コンコン、と何度もノックするのは早起きして応対したエステルだった。
「おきゃくさん~?」と、カロルが寝ぼけ眼で扉を開ける。
そこに立っていたのは…
「昨日のっ昨日のあいつはどこ!?」
昨日仕事を受けた酒場の女店長だった。
丁度その頃、ユーリは目を覚ましたところだった。
隣を見ると昨日なかなか寝付けなかったらしい恋人がまだ夢の中を旅していた。
そんな姿に苦笑して頭を一撫でしてやると少し身じろいだもののすぐに旅を継続させた。
そういえば昨日「俺がデートしてる間何してたんだ」と聞くと
「ギルドの仕事を手伝ってた」と言っていた。
何をしていたのかはわからないが「ギルドって大変だね…ユーリたちはすごい…」と
繰り返し言っていたところを見ると余程大変な仕事だったのだろう。
ぐっすり眠って起きる気配はない。
隣のカロルたちの部屋が騒がしいことに気付いたのはその時だった。
朝っぱらからうるせぇな、とユーリは外に顔を出す。
「だからっ昨日の奴にもう一回助っ人頼みたいんだよっ!」
「そんなこと言われても昨日の人はうちにとっても助っ人で本当はギルドの人じゃないんだよっ」
「でも知り合いなんだろ!?」
「なんだぁ?なんか問題か?」
「…おっさん眠いんだけど~…」
「あっユーリ、レイウ゛ン!」
大人の登場にカロルは縋る様な目を二人に向けた。
「あんたらブレイブなんとかのギルドの奴かい?」
「あぁそうだけど?」
答えたのはユーリ。
レイウ゛ンは関係ないとばかりに部屋のベッドに座って眠そうに頭を掻いた。
「昨日依頼した店の者なんだけどね、昨日のフレンとかいうの、もう一日貸して欲しいんだよ」
「フレンを?」
昨日のフレンの仕事は店のヘルプか?ユーリは思う。
「ギルドの客の連中があいつのこと相当気に入ったみたいで朝からあいつ出せって煩いんだよ」
「へぇ、あいつそんな活躍したのか…」
「あぁ、稼いではくれたんだけど「まだ金分触ってない」って暴れ出しちまってさ…」
「……金分触ってない…?」
ユーリの表情が固まる。
カロルも固まる。
ついでにエステルも奥にいたおっさんも、
ユーリの変わりそうな空気を敏感に感じ取って嫌な予感を募らせたのだ。
ユーリはゆっくり口を開く。
泣き言を言っている様な…頼りない声だった。
「…俺はお前が来ると思って……」
「………」
まさかの一言にフレンの中にフツフツと罪悪感が生まれる。
そういうことか。
「…ユーリ…」
疲れた体を力一杯動かして何とか俯せのまま上半身だけ肘で支えて起こす。
ごめんなさいと言おうとした時、ユーリの目の色が変わってフレンをギッと睨みつけた。
「もう一個聞く。お前誰と付き合ってる…?」
フレンは目を丸くして、質問の意図に気付き答えにくそうにポツリと呟いた。
「……ユーリ…です…」
「ほぉ~、一応自覚はあったんだな」
呆れと怒りが混じり合った目を向けられる。
そう、二人は付き合っている。
それも付き合ってもう何年も経つ。
どちらが告白したとかもう覚えていないが二人の気持ちは一致して、関係が変わるのも自然だった。
フレンは力が抜けてポスッっ顔面から枕に突っ伏した。
目はまだユーリを捕らえる。
「…僕だって…嫌だったけど…でも…僕が断っていいもんでもないじゃないか…
エステリーゼ様とデートして…ユーリがエステリーゼさまのことを好きになるなら…
しょうがないと思ったんだ…」
フレンは遂にユーリから目を離して枕に顔を埋めた。
男の自分と付き合って、ユーリはそれでいいのだろうか。
フレンがいつも感じる劣等感だった。
「…お前が考えんのもわかる。俺も何度も考えたことだ。
だけど何も言われずに違う奴と待ち合わせさせられた俺の気にもなってみろ。
しかもそれ仕組んだの、恋人って結構えげつねぇぞ」
「…ごめんなさい…」
くぐもった声で謝るとユーリはふぅ、と息を吐いた。
ベッドに移動してフレンが突っ伏す横に腰掛けて頭を撫でた。
「…エステリーゼ様にも悪いことしたな…やっぱり…断ればよかったかな…」
「エステルには言っといた。お前に酷いことしたって落ち込んでたぞ」
「っ!言ったのか!?」
「あぁ。」
『エステル、フレンに好きな奴居んの知ってんのか?』
『え?やっぱりフレンってそういう人居るんです?』
『…俺』
『…え?』
『フレンが好きなのは俺。』
『………ぇ、だって…フレンが…』
『あいつは人の頼み滅多に断ったりしねぇからな。外ならぬエステルの頼みなら尚更だろ』
『………。』
「…あぁ…どうしよう…何で言っちゃうんだよ…っ」
一通り聞いたフレンは枕の中で嘆いた。
「なんだよ、そのまま付き合って欲しかったのか?」
「そうじゃないけど…っ……はぁ、明日どんな顔して…」
フレンはこの世の終わりの様な落ち込み様だった。
さすがに悪いことしたかな…とユーリは心を痛めたがここは優しくする場面ではないと鬼になった。
「一晩しっかり反省しろよ」
「…うぅ…」
ついてない日は一日中ついてない。
今夜は簡単には眠れそうにない。
「…はぁ…酷い目にあった…」
帰り際、店長から貰った報酬をズボンのポケットに突っ込んで盛大に溜め息を吐いた。
宿に帰ってカロルの部屋をコンコンとノックした。
今夜はカロルとレイウ゛ン、ユーリとフレンの二人ずつの相部屋だ。
「あっお帰りフレン!どうだった?」
カチャッと扉を開けたカロルはフレンに今日の仕事の成果を尋ねた。
「あ、あぁ…これ報酬…」
お金の入った袋を手渡す。
「うわっすごいいっぱい入ってるけど!?」
予定よりも多い報酬にカロルは目を丸くする。
「なになに?フレンちゃんギルドの仕事でもしてたの?」
奥からレイウ゛ンが顔を出した。
「あ、まぁそんなところです」
「だいじょぶ?なんか疲れてない?」
「はぁ…ギルドの仕事って大変なんだね」
レイウ゛ンの言葉にカロルたちはすごいねと苦笑いで答えた。
一体何があったんだと顔を見合わせるカロルとレイウ゛ンを置いてふらふらと自室に戻った。
ドアを開けると窓枠に肘を付いて頬杖をつく親友がいた。
入ってきたフレンをちらりと確認するもすぐに視線は窓の外に移された。
誰が見てもわかるが、あまり人には見せない不機嫌な姿。
今日は本当についてない。
ユーリとエステリーゼの恋を応援させられて、
ギルドの仕事を手伝わされて、
行ったら遅いと怒られて、
客にはセクハラ紛いの行為を受けて、
帰ったらユーリは不機嫌で出迎え。
気持ちはわかるが今は宥める元気は残っていない。
そのままベッドにボスッとダイブした。
このまま眠ってしまおう。
こんな一日は早く終わらせたい。
目を閉じて現実逃避をしようとしたがそれを邪魔する声が引き止める。
「…おい」
「………」
きた…
フレンは、はぁ、と溜め息。
今日何度溜め息を吐いたんだろうか。
うんざりしながら顔をユーリの方に向けた。
「…なに…」
「…今日のはなんだよ」
「何が?」
「…エステルが来るなんて言ってなかったろ」
「…言ってなかったっけ?」
「…………。」
フレンのどうでもいいというような態度にユーリはイライラを募らせる。
左拳をギュッと握って何かを堪えているのが目に入った。
殴ろうとでも言うんだろうか。
それでもフレンはじっとユーリを見て視線を逸らさない。
ユーリは自分を落ち着けようと息を大きく吐いた。
「…っひっ!」
妙なところを撫で上げられフレンの背筋にぞっと冷たいものが走る。
「へへへ…いい反応だなぁ」
「ちょ、やめてください…っ」
きっと睨み付けるとギルドの男たちは、おや~?と言う顔をした。
「おい店長、あんたんとこのバイトが睨んでくんぞ~」
少し離れてドリンクの準備をしていた店長に叫ぶ。
「それはあなたたちが…っ」
「いいのか~?そんな態度とんならもうここにこねえぞ?」
「えっ!」
ぴくんと女店長が反応した。
「困るよなぁ、ここは俺たちが金を落としてもってるようなもんだもんなぁ」
女店長は痛いところをつかれたと顔を歪める。
が、すぐ笑顔を張り付けとんでもないことを言った。
「勿論常連さんにはサービスですよっ
そいつ気に入ったのならじゃんじゃんちょっかいかけてもらって構わないんで!」
「は!?」
フレンは耳を疑う。
「やだねぇ何でもするってギルドなんだろ?
その分報酬は弾むしギルドの信念の汚さないためにも頼むよ!」
「…そんな…」
確かにユーリたちのギルドは若干何でも屋みたいな仕事だ。
だけどこれはその「何でも」の行為に入るのか!?
「信念曲げちまったらギルドの名折れだもんなぁ」
「………」
「ギルドの悪い噂ってのはすげぇ勢いで広まるからなぁ」
「もう一回聞くぜ?お前はギルドの名を背負って俺らの相手してんだよな?」
「………」
ここで自分が逆らうことはギルドに迷惑をかけるということ…
それは代理人である自分がしていいことではない。
それにこのギルドは
ユーリが決めた居場所なのだから…。
「よしよし、そうやって大人しくしてりゃいいんだよ、優しくしてやるからな」
げへへと下品な笑いを浮かべながら顔を近づけてきた。
「……」
フレンは覚悟を決めにっこりとそれは綺麗に、そして怖い笑顔を見せた。
「僕にちょっかいかけたいならまた注文してくださいね。あくまで仕事の優先事項はヘルプなので。」
ベシッと近付いてくる顔面にお盆を押し付けて拒む。
綺麗な笑顔を貼り付ける小悪魔だった。
「大丈夫です、まだまだお酒は奥にいっぱいありますから。じゃんじゃん言い付けてくださいね」
背後から体を触ろうとした男の手をきつく抓って、自分に触りたいなら金を使えと言い放った。
その強気な態度をギルドたちは気に入ったようでバカ騒ぎに拍車がかかる。
「じゃんじゃん持って来い!!」
次第に飲みつぶれる客が増えていく。
そうしている間に漸く遅番の店員がやってきて
回りのブーイングをさらりと受け流してその場を立ち去ることに成功するのだった。
-----------------------------------------------------------------------------------
えーーと。
そろそろこんな話もお知らせしていこうと思いますよ。
実は「Fit via vi」の基てんさまからのお誘いがありまして
びびりながらこの度初同人誌を作ろうと計画しております。
びびりなので今までオンオンリーでひっそりやってたんですが
せっかく一緒に行ってくださるという方がいるのでこの際飛び込んでみましたよ!!
需要があるのか謎ですけど!!!
ユリフレオンリーイベント「星空の設計図」
「マグパイ」【リゲル-07】のてんさんのスペースにて置かせていただく予定です。(出来たら。)
個人のスペースはありません。委託です。ひっそりおかせていただきます。
ありがとうございます!!
内容は学パロほのぼの…の予定がちょっとずれそうです。
学パロ(現パロ)の女装ネタになりそうです(爆)ユリフレオールキャラでコメディです。
つーか半分書き直してます。なのでずれてます。
サークルリストとか発表されてもうひいいいって感じです。
やばいです。自分行っていいんだろうか。
とりあえず頑張ります!
以降は場合によっては関西のイベントにも出没するかもです。…しないかもです。
オフラインの情報部屋もそろそろ作ろうと思います。不束者ですがよろしくお願いします。(礼)
すみません手違いで明日の更新予定の記事が一瞬出てしまいました(汗)
混乱させてしまった方いましたらすみません…っ!!
「…ここ…か…」
フレンは一人言われた場所にやってきた。
中に入ると昼を少し過ぎたところだというのにもう出来上がっている酒飲みで溢れている。
カロルが持ってきた仕事とは急病で従業員が急に休んでしまった酒場のヘルプだった。
なるほど、20歳越えが条件だったのも頷ける。
「おーい、ビール追加だぁ~」
「姉ちゃん酒まだかー!?」
酔っ払いたちは好き勝手に店員を呼び付け自分の要求を口にする。
「はいただいま~っ」
ホールは一人なんだろうか。
忙しそうに走り回る店員はこの女性一人だけ。
するとその人と目が合ってぺこりと頭を下げた。
「いらっしゃい!一人?」
「あ、いえ客ではなくて、凛々の明星の者なんですけど…」
「ブレイブ…?あ、さっきのガキんとこの!?」
話が通じてフレンはこくりと頷いた。
「遅刻だよっこの忙しい時にっ奥に着替え用意してるから着替えてさっさと働きな!!」
「え、あの」
「さっさと行けっつってんだよ!」
「わぁっは、はいっ」
話に付いていけず呆気に取られていると怒鳴られてしまってフレンは慌てて奥に引っ込んだ。
何で僕がこんな目に…
簡易的なロッカールームで着替えをすませ店に出る。
白いシャツに黒のベストとズボン。所謂バーテンコスだ。
「はいこれ、オーダー表。これでオーダー取って。じゃ、よろしく!」
「え、あのまだ何も説明…」
「おーい追加頼まぁ!」
どんなメニューがあるかもわからないままフレンは仕方なく呼ばれた方に走った。
しかしそこは下町で積んだ経験がものを言う。
居酒屋のバイトだって経験済みのフレンはテキパキと働き、遅刻分の汚名も返上する勢いだった。
「やるじゃんあんた。ここで働かないか?」
ホールにいた女性は店長だったらしく、フレンを誘ってきた。
「あ、いやそれはちょっと…」
本職の関係上掛け持ちはまずい。
「おーい注文頼む~」
「あ、はいっ」
話している隙もなく客に呼ばれて走り回った。
今ここにいる団体客はギルドの一団で、ボスらしき人を中心に酒盛りが行われている。
常連のお得意様で女店長も頭が上がらないらしい。
フレンの素早い対応に気をよくしてきたギルド員はお酒を持って来たフレンの腕を掴んだ。
「…?あの、何か?」
「兄ちゃんよく働くなぁ、それに美人だ」
「……ありがとうございます…」
酔っ払いの言うことだと相手にしない。
気分は良くないが。
「笑顔見せてよ~」
肩を組まれてぐいっと引き寄せられた。
「兄ちゃんギルドの助っ人なんだってなぁ?」
「はい」
「じゃあギルド背負って俺らの相手してるわけだ…」
スルリと男の手がフレンの腰を摩った。
今頃二人は楽しくデートか…
自分で仕掛けたこととはいえエステリーゼを送り出してから溜め息が止まらない。
やっぱりやめとけばよかったかなぁ…
もう何を考えても後の祭りだけど。
宿の部屋でぼんやり肘を付いて窓の外を眺める。
もう何度目かわからない溜め息を吐いた時、ドアの外からバタバタと走る音が近付いてきた。
音は扉の前まで来たと思ったらその勢いで部屋の扉を開けた。
「ユーリーっ!」
入って来たのは凛々の明星ボス、カロルだ。
「ユーリ…あれ、ユーリは?」
きょろきょろと部屋の中を捜すも居ない人は居ない。
「ユーリなら出てるよ」
「えぇーっそんな困るよ~っもう引き受けるって言っちゃったのに…」
フレンは首を傾げながら聞く。
「仕事かい?」
「あ、うん…」
聞いて欲しそうだったのでフレンは素直に続きを聞いた。
「実はね、飲み屋のヘルプを頼まれてさ、
ほら、僕たちのギルドって20歳越えてるのユーリしかいないんだよね…」
「20歳以上が条件なのかい?」
「うん…こうなったらジュディスの年齢を…」
「カロル、それは犯罪だよ」
フレンの眼光が鋭くなる。
「え、や、やだなぁしないよ?うん、しないっ」
カロルはブンブン首を振ってさっきの言葉を否定した。
あぁ、どうしよう…、断ると信頼も落ちるだろうなぁ…
カロルは頭を抱える。
「ねぇフレン、ユーリどこ行ったか知らない?」
「えっ、し、知らない。」
今はデート中なのに邪魔するようなことを言う訳にはいかない。
「はぁ…そっか…じゃあ断るしか…はぁ…」
「…………」
あまりの落ち込み様にフレンは思わず提案してしまった。
「あの…カロル…」
「んっ何!?」
何かを期待する目を向けられた。
嫌な予感がしたがそのまま話を続けた。
「……僕が…代わりに行こうか…?」
カロルはその言葉を待ってましたとばかりに隠し切れない笑みを浮かべた。
「えー、でもフレンは騎士だしぃ…」
「君たちと一緒に行動させてもらってる以上、必要なら手助けするよ」
「…いいの?」
「うん。凛々の明星の名を汚さない様に頑張るよ」
カロルの顔は完全に笑顔に染まった。
「じゃあお願いしようかな!ぶっちゃけユーリよりフレンの方が絶対接客向いてるよね!!」
「そ、そうだね…」
フレンは苦笑いでそれに答える。
凛々の明星のボスはなかなか策士だ…
フレンはまんまと嵌められた気がした。
「ちょうど良かった。手伝えよ」
旅の飲み水確保に何度目かの水汲み作業をする。
「大変そうだね」
フレンもそこに近付いて滑車を引き上げるのを手伝う。
「ここの井戸結構深いんだよ、さすがに疲れるわ…」
肉体労働用に髪を結い上げている姿は周りで水を汲む街の女性たちを魅了する。
「手伝って貰えば良かったじゃないか」
汲み上がった水を水筒に移しながらフレンが言う。
するとユーリはムッとフレンを睨んだ。
「お前がどっか行ってるからだろ。」
僕に、とは言ってないんだけど…
何だかとばっちりを受けたような気がするが心の中だけに留めた。
水も汲み終わって水筒の蓋を閉める。
フレンは何気なさを装ってユーリに話を始めた。
「…あ、ねぇユーリ」
「ん~?」
「お昼から何か予定あるかな…」
「別にぃ?」
用事があってほしいところだった。
「そう、じゃあこの後街の広場まで来てくれないかな」
「…いいけど」
「うん、よろしく」
少し淡泊に返事をしていたユーリがフレンに尋ねる。
「…それってデートのお誘いか?」
「…そうだね」
フレンは閉め終わった水筒の半分を持つと宿屋に向かって歩き出した。
「…デートか…」
ユーリも残りを持って宿に向かった。
「本当です?わぁ、ありがとうフレン」
一足早く宿に戻って報告するとエステリーゼはとても喜んでくれた。
「どこかおかしいところないです?」と言いながらフレンの前でくるっと一回転して衣装の確認をする。
「大丈夫ですよ」と言うとふぅ、と一度息を吐いた。
「では行ってきます!」
まるで戦にでも臨むかの様に力強く言われた。
「はい、お気をつけて。」
にっこり微笑んで送り出す。
大切な主君。
恋の応援なら全力でしてあげたかった。
相手が彼でなければ…。
応援出来ないことに少し罪悪感を感じながらも笑顔で出ていくエステリーゼに手を振った。
少しそわそわとしながらユーリは街の広場に向かう。
普段の彼を知っている人なら挙動不審だと思うくらいだ。
きょろきょろと辺りを見渡す。
そんなユーリに可愛らしい声が呼び掛けた。
「ユーリっ」
振り向くと予想通りのお姫様が小走りで近付いて来ていた。
「エステル?」
「すみません、少し遅れました?」
と息を整えながら首を傾げる。
ん?とユーリも怪訝な顔をする。
「や、今来たとこだけど…」
まさか、と嫌な予感を募らせる。
「ユーリは何を食べたいです?二人でお昼なんて旅を始めた頃以来ですね」
にっこり笑顔を向けられてユーリは全てを理解した。
---------------------------------------------------------------------
すげー童顔になってしまた。あ、いつものことか。
漸くリンクを更新させていただきました!!!
こっそりリスペクトサイトさまへのリンク集です。あとTOPにイベントを。
ものすごい行動遅いよ。リンクフリーに甘えまくった更新です。
神サイトさまにリンク貼っていただいているのを見ると恐れ多いですね。
もっと頑張らないと!って思います。
漏れとかあったらまたちょくちょく増やしていきます!!
