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4


話の間もユーリはずっと女性を見ていた。
レイウ゛ンがにやにやしながらからかいに近付いた。
「青年てばあの子好み?」
「んぁ?好み…ね…まぁそうかも。」
女性は一人で座っていてちらちらこちらを見ていた。
こちらというか…フレンを。
コーヒーをちびちび飲んでいる彼女のもとにガラの悪そうな数人の男が近付いた。
「彼女~一人?」
女性は彼らの顔を一通り眺めたあとふるふると首を振った。
「待ち合わせしてんの?」
こくりと頷く。
「でもまだ来てねぇみたいだしそれまで相手してくれよ」
女性は一瞬たじろんで、しかしふるふるとまた首を振った。
「えー、なんでよいいじゃん」
隣に座ってきた男をドンッと力一杯押す。
男は椅子から転がり落ちた。
「痛ってっ!なにすんだこのヤロ…っ」
相手が体勢を立て直している間にそそくさと逃げ出そうとしていた女性はぐっと腕を掴まれる。
大きく振り上げられた拳に目を瞑った。
しかし次の衝撃はなかなか来ない。
女は目を開けた。
「何寄ってたかって女の子いじめてんだよ」
ユーリがその男の拳を掴んでいた。
それを勢いよく後ろに力をかけると男は後ろにひっくり返った。
「…っこのやろぉ…っ!」
男はすぐ起き上がってユーリに殴り掛かる。
「おっやるか!」
ユーリの目もギラリと光って受けてたつ。
力の差は一目瞭然。
あっという間に男をKOしたユーリは満足そうに手をパンパンと叩くと女性に向き直った。
「大丈夫か?怪我は?」
女性はふるふると首を振った。
「そか、よかった」

「いや~っ青年カッコイイ~っチンピラに絡まれてる女の子助けるなんて恋の予感!?」
レイウ゛ンが大袈裟にいらぬ恋のアシストをしてきた。
「別にそんなんじゃねぇよ」
ムッとレイウ゛ンを睨む。
女性はペこりと頭を下げるとそそくさと食堂から出て行った。
「追い掛けて彼女ゲットよっ青年ガンバ!」
ぐっと拳を握ってキラキラ目を輝かせるレイウ゛ンに「おっさんマジうぜぇ」と一蹴して
頭に軽くチョップをかましてやった。
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3


「記憶に混乱っていうのはつまり…」
カロルがわかりやすい言葉を促す。
ソディアが顔を曇らせながら言う。
「実は数日前団長が行方不明になったことがあったんです。」
「え?初耳だわ」
レイウ゛ンが言う。
「はい、半日もしないうちに戻って来られたので事が大きくならず…
 幸い周りに洩れることなく片付いたんです。」
「成る程ねぇ~」
「ですが…問題はそのあとでした…団長は記憶障害を起こしておりまして…
 覚えておられることと覚えておられないことがもう目茶苦茶で…」
「そ、それで僕のこと忘れちゃったんだ…?」
カロルが悲しそうに言うのにジュディスが付け足す。
「でも彼の様子を見ているとカロルだけじゃなくエステル以外の全員のことを忘れてるみたい。
 勿論ユーリも。」
皆がユーリを見るとユーリは興味なさそうに先程の女性を眺めていた。
「ユーリ!フレンが大変な時なんですから少しは真面目に聞いて下さい!」
エステルに怒られて漸くフレンの方を見た。
「ん?あぁはいはい。記憶障害だって?頭打ったりしたのか?」
「医師にみせたところ外傷はないそうで…どうしてこうなったかわからず…
 騎士団長ということは覚えておいでなのですが団長としての仕事は何一つ覚えておられないし…
 ここにも最近騒いでいる盗賊を撃退するために来たんですが
 指揮をとっているのは私という状況で…どうしていいものか…」
ソディアがはぁ…と重々しい溜め息を吐いて今の状況がどれだけ困っているかを表した。
しかしそれとは正反対に当事者はあっけらかんとしている。
「記憶なんてすぐに戻るよ。仕事も覚え直せばいいんだし。
 ソディアには迷惑かけてしまうことになるけどね」
「は、いえ、それはいいのですけど…」
問題はそこじゃないと言いたいところをぐっと堪える。
フレンはふわりとした笑みを貼付けたままエステルに話し掛けた。
「エステリーゼ様、このあと何かご予定は?」
「え、あ、いえ、何も。」
「では一緒にお食事でも如何ですか?実は宮廷料理人も同行させてるんです。」
「あ、はぁ…でも私皆と…」
「城の味、お嫌いですか…?」
しゅんと眉を下げる。
エステルはそんなフレンを断りきれなかった。
「じ、じゃあご一緒します…皆も…」
「彼らも、ですか?」
「はい、彼らは私は勿論、フレンにとっても大事な人達なんですよ」
「そうなんですか…わかりました。では人数分用意するようにシェフに伝えますね」
「よ、よろしくお願いします…」
エステルが笑いを引き攣らせながら食事の約束を取り付けられているのを聞いて、
カロルは「お城の料理だって!」と興奮するのに対し、ユーリはまだ先程の女性に見惚れていた。




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突然ですがさっきパソコンを衝動買いしちゃいました!!www
直前までそんな気まったくなくて兄貴さまに「いいの探して~」とかいって
部屋に押しかけてたんですがなんか限定で安いのあって悩んだ挙句もう買っちゃいましたよ!!!
これでパソコンも新しくなったら
(出れるのかわからない)インテに向けて(作るのかわからない)新刊を
デジタル作業さくさく出来んじゃね!?って感じですvvv
とりあえず今はこのパソコンと最後のひと時を過ごしたいと思いますよ~~
今までお疲れさんっ
2


「エステリーゼ様!お会いしたかった!」
フレンはギュッとエステリーゼの手を握った。
「え、フレン、私に何か用事でも…?」
「いいえ、ないですよ?ただ会いたかっただけです」
キラキラと爽やかな笑顔を向けられる。
「…ふ、フレン…?どうかしたんです…?」
さすがのエステルもやや困惑気味に笑顔を引き攣らせた。
エステルが知るフレンは、いつも部下として一線引いている様な人物で、
簡単にスキンシップなどしてくるような人ではない。
フレンの後ろに付き従うソディアですらやや困惑した表情を浮かべている。
「何がですか?エステリーゼ様」
キラキラと端正な笑顔を向けられる。
「その…いつもと違う気が…」
「やだなぁ、そんなことありませんよ、いつも通りです」
「そ、そうでしたっけ…」
いつもこんなだったかとエステルは少し考える。
「ふ、フレン、元気そうで良かったよ」
カロルが少し前とは印象は違うが元気な様子なので戸惑いながらも話し掛ける。
「………」
「……フレン?」
急に黙り込んで首を傾げたフレンにカロルも同じく首を傾げた。
その時、そのやり取りを傍観していたソディアがユーリに話し掛けた。
「ユーリ殿」
「あ?」
「…少し…お話が…皆様も…」
全員顔を見合わせて少し怖い気もするがとりあえず話を聞こうと頷き合った。



場所を街の食堂に移してテーブルを囲む。
ガタガタと席についた一行。
カロルがふとユーリの視線がどこかに向いていることに気付いてそれを辿る。
その先には一人の女性が座っていた。
清純そうな女性だ。
「ユーリ、あの人がどうかした?」
「ん、いや、美人だなぁと思って。」
「ユーリ殿!真面目に話を聞いていただきたいのだが!」
それを耳にしたソディアに怒鳴られてユーリは仕方なくその女性から目を離した。
「で?なんなのよ?」
リタが切り出した。
「…フレン団長なんだが…皆さんも少しおかしいと気付いたと思います」
「そうだね、気付かない方が難しいね」
カロルが頷くとフレンが可笑しそうに笑った。
「やだなぁ皆して。僕は何もおかしくなんてないよ?」
「団長、彼らのこと、おわかりになりますか?」
「……、いや、会ったことあったかな」
フレンが首を傾げるのを見てカロルたちは目を丸くして顔を見合わせた。
「…さすがにわかったと思うが…団長は記憶に若干混乱を生じられておられる。」
「…ぇ、えぇーっ!?」
一部のメンバーが大声を上げてガタンと席を立った。



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原稿取り込みの前に印刷会社調べまくりです。
あとページ数32とか書いてましたが36です。A5です。
1



たまたま訪れたその街。
何だか少しざわついている。
そういえば最近この辺りで盗賊ギルドが住み着いたとかで
物騒になっていると聞いたような気がする。
だがこのざわつきはそれに対してのものではないということを
住民同士の会話から知ることになった。
「見た見た!?」
「見た見た!かっこよかった~っ」
若い女性が何やら興奮した様子で話している。
「やっぱりさ、こんな田舎の男にはないオーラっていうか?清潔感っていうか?違うわよねぇ~っ!」
「でも彼帝都でも下町出身だって聞いたことあるわよ?」
「いや~ん意外に近い人なのかも~っ」
「むしろ貴族とかより私たちの方がチャンスあったりして!」
「確かに!貴族様とじゃ話合わないわよねぇ~っ」

そんな大声でされる会話を聞いた凛々の明星と+αの面々はお互いに顔を見合わせた。
「…さて問題です。誰のこと言ってるんでしょ~うか?」
レイウ゛ンが皆に問題を投げかけた。
「そりゃ…帝都下町出身で…」
「女性が憧れる一目置かれた存在、」
「弱冠21歳で史上最年少騎士団長に成り上がった…」
「…フレンここに来てんのか…」
皆でリレーするように特徴を述べて言ったそのアンカーはレイウ゛ンの問い掛けは無視して呟いた。
「ちょっと青年も乗っかってくんないの!?」
「おっさんうざい」
答えたのはユーリではなくリタだった。
「会えるかなぁ?任務だから忙しいかな」
カロルが若干そわそわしながら言う。
フレンに会うのは本当に久しぶりだ。
「ま、仕事でもちょっとくらい気利かしてくれんだろ」
ユーリが軽く言う。
皆と違って小さい頃からずっと一緒に居た身としては
いくら団長になったとはいえ、そんなに変わらないように思うのが本当のところだ。
以前から変わらず小言は多いし、時々考えられないほどの無鉄砲っぷりを発揮するし、
小さい頃と何も変わらない。
それはユーリが安心することの一つではあるが。

だがそばで話す女性たちの会話が彼の意外な面を語り出す。
「やっぱり彼は普通の女の子が好きなのよ、
 私なんてさっき「あなた以上に綺麗に咲く華はありません」…って言われちゃったんだから!」
「私も私もっ「あなたみたいな美しい人がいるから私は頑張れる」…って!」
「素敵よねぇ~」
女性たちは揃って感嘆の溜め息を吐いた。

「…なんか…フレンってそういうこと言う人だったんだ…」
カロルが意外そうに言った。
ユーリもその話をどこか胡散臭そうに聞いていたが。
「あ、エステリーゼ様!」
と聞き慣れた声がして振り向いたその声の主はやはり、今噂されていた中心人物だった。
10



「…ユーリいつから知ってたの…?」
フレンは睨むように視線をユーリに向けた。
悔しい、と顔に書いてある。
学校の屋上、二人きり。
ユーリは両腕を金網についてフレンを逃がさないように囲んで座る。
「ん~…割と初期。」
「……死にたい…」
「なんでだよ、こうやって両想いになったんだからいいじゃねぇか」
「……そういう問題じゃない……」
フレンはゆっくり顔を上げる。
「…じゃあ君は僕からだと知ってて…あんな理想を口にしてたのか…?」
「理想?」
ユーリが首を傾げるとフレンはムッと眉を寄せた。
「言ってたろ、可愛い子とか…」
「…理想じゃねぇし。」
今度はフレンは意味がわからないと首を傾げた。
フレンはユーリがどういう印象を抱いているかなんて知らない。
まぁ可愛くて可愛くて仕方ないなんて知らなくてもいいことなのかもしれないが。
「そういやこっちも聞きたいことあんだよ」
「なに?」
「なんで手紙くれなくなった?結構本気でダメージくらったんだけど」
「……ユーリに好きな人がいるのは知ってた…から…。
 あの手紙をその人から貰ってると思ってるんだったら悪いことしてるなと思って…。」
「まぁ実際好きな奴からの手紙だったんだけどな」
「………」
フレンは無言で目を逸らした。
仄かに顔を赤らめて。
「…フレン、」
「なに」と顔を上げたフレンの口を塞ぐ。
優しく唇をはむ。
「っ~…!」
ギュッと目を閉じて萎縮しているフレンの腰を撫でる。
固く横に結ばれた唇に舌を押し当て、言いなりのように開かせたそこに侵入した。
と、フレンの体がぴくんと反応して目を見開いたと思ったら力一杯体を引き剥がされた。
「なっ何すんだよっ今そういうムードだったろ!?」
「ふっ不健全だ…っ!!」
「はぁ?」
顔を真っ赤にして眉を吊り上げるフレンにユーリは何言い出すんだこいつ、と
まるで天然記念物でも見るかのような目を向けた。
「こっここ、高校生なのにそんなっ」
「…あのさぁ、知ってるかフレン、」
ユーリが呆れながら諭すように言う。
「女は16、男は18で結婚出来んの。国が赤ちゃん作っていいですよ~って認めてんだよ」
「変な捉え方するなっそれは責任とかそういう…っていうか僕はこっ子供なんか出来ないしっ」
「あそ、じゃあ尚の事いいじゃねぇか」
「わあぁぁっわっやめっ」
迫ってきたユーリを慌てて押し返す。
「…お前は俺のこと好きなんだよな?」
「う?うん…」
「でもそれはこういうことすることとは違う好きなんじゃねぇか?俺の片想いか?」
「…ゆ、ユーリ………ご、ごめんなさ…まだ…その…覚悟が…」
「んじゃいつヤらしてくれんの?」
「や…っ他に言い方ないのかっ」
「いつ?」
フレンの言葉は無視して自分の質問を押し切った。
「……お…大人になったら…」
「大人?じゃもう大人だからいいな」
「違う違うっ成人したらって意味…っ」
顔を近付けてきたユーリにフレンは慌てて首を振る。
「は?成人?なんだよ何年お預けするつもりだ、鬼かお前」
「お、鬼ってそんな…」
「じゃ、百歩譲って高校卒業したら!それ以上は無理!」
「そ…卒業…」
「卒業式終わってすぐすんの。いやぁそういう約束もまた…」
「変な想像するなっ」
フレンの右ストレートが左頬にクリーンヒットした。
「あ、あとさ、」ユーリが注文を追加しようとするのをフレンはまだ何かあるのかと睨みつける。
「これ、明日からもちょうだい」
ユーリはフレンが先程ポケットにしまっていた紙を抜き取って見せた。
「…手紙?」
「お前の想いが沢山詰まったの。毎日、卒業までな」
「………か、考えとく…」
二人はギュッと抱きしめあった。

それからもユーリの下駄箱には白い紙が入れられ続けたという。





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絵が申し訳なさすぎるwwwwもう笑うしかないぜ
でも差し替える気力はなかった。ごめんなさい。

次回からは公式設定です~
9


「わかってるよ、何もかも。始めからお前だって知ってて受け取ってた。」
「……同情か…?」
フレンは辛そうな笑みを見せた。
「なんでそうなんだよ、俺ここで張り込んだ時にお前が手紙入れんの見てすげぇ嬉しかったのに…。」
「………」
フレンはまだ疑いの目を向けている。
ん~、どうすっかな…
ユーリは頭をガリガリと掻いて考えた。
「じゃあさ、お前のロッカーに入ってたこの山程の紙たちだが…
 これに込められた意味、お前わかる?」
「…意味って…」
「多分お前と一緒の意味なんだけど。」
「…一緒…」
かぁ、と赤くなった。
やべぇすっげえ可愛い…。抱きしめたい…。
ユーリは口元を押さえてにやける顔を我慢する。
「お前が俺のロッカーの前でどんだけ想いを込めて手紙入れてくれてたのか知ってる。
 お前からだって知ってからは一枚たりとも捨ててねぇ。」
「………、ユーリ…気持ち悪くない…?」
「全然。お前は男である前に俺にとっては『フレン』だ。
 確かに男を好きな趣味は持ってねぇけどお前は特別。」
「と、特別…」
「はっきり言って好きすぎる。どうしたらいいと思う?」
「…………っ」
フレンの顔はりんごの様に赤くなる。
「そういう可愛い反応生殺しなんで勘弁しろ…」
「…う…うぅ…ユーリ意地悪だ…」
言葉攻めのユーリにフレンは弱々しく睨みつけた。
「何がだよ、答えなんかわかってるだろ?
 お前は俺にあんなにも愛の篭った手紙くれてたんだから」
「………、」
「あの手紙想いは篭ってたけどさ、白紙だったから…お前の口から直接聞きたい。」
真っ直ぐ見詰めながら言うと漸く観念したようにフレンが口を開いた。
「……ぼ…ぼく…」
「うん」
少しずつフレンに近づく。
「……」
「言えよ、断ったりしねぇから」
「……それって…言う意味あまりない気が…」
「聞きたいの。」
「……ユーリ…」
「うん」
「…………すき、です…」
ぽそぽそと小さな声で呟かれた愛の告白。
「聞こえねぇ」
「…嘘ばっかりっこんな近くにいるのに…っ」
顔を上げて真っ赤になっているフレンは涙目で抗議してきたが、
そういう言葉ばかり大きな声で主張してくる口をユーリのそれで優しく塞いだ。
「これくらいして欲しかったな」
にやりと笑ってみせるとフレンの腰は砕けてへにゃりとその場に座り込んだ。
8




フレンはいつもの時間に登校した。
まだ人も疎らにしかいないこの時間、下駄箱の前で思い詰めた様に立ち尽くす。
手には白い二つ折りの紙。
「…………」
ユーリの下駄箱の前。
もう場所なんて自分のものであるかのように覚えてしまった。
毎日手紙を忍ばせた。
伝えられない気持ちを込めたそれを、僕だと知らずに毎日嬉しそうに受けとっていたユーリ。
それは騙していることになるんだろうな。
持っていた紙を胸の前でギュッと握り締めた。
想いを込める。

そして、それをポケットへとしまった。
一つ深呼吸をして落ち着いてから漸くその場から離れて自分の下駄箱のロッカーを開けた。


「…え、あ、わっわぁっ!」
ドアを開けた瞬間中から何かがドサドサと溢れてきた。
入り切らないくらいのその幾つかは地面にひらひらと落ちていく。
それは、白い紙。
自分がユーリに出していたものと同じ、何も書かれていない真っ白な。
それが入り切らないくらい自分の下駄箱に入れてあって、開けた瞬間落ちてしまったのだ。
暫し呆然とそれを眺めていると「あっはっはっ」と腹を抱えたユーリがひょっこり現れた。
「ゆ…ユーリ…」
「どうだ~?俺からの溢れんばかりの愛は」
にやりと笑みを向けられる。
「…え、これ…ユーリ…愛…?」
「いつも貰ってるからたまにはお返ししようと思ってな」
「………え…ユーリきみ…」
言葉を理解していくに連れみるみる顔が赤くなった。
「し…知ってたのか!?ぼ、僕からの手紙だって…っ」
「あぁ。一度張り込んでたのお前気付かなかったよな」
「………」
フレンは俯いてしまった。その視線の先にはユーリの手紙。
「…知ってたなら言ってくれれば…すぐにやめたのに…」
小声で言ったそれにユーリは何をそんなこと、とでも言うように返した。
「だからだろ」
「……だから…?」
「言ったらやめちまうんだろ?だから言わなかった。嬉しかったからな、もっと貰いたかった。」
「…君は…僕がこの手紙に込めた想いをわかって言ってるのか…?」
「ま、一応。」
あっけらかんと返したユーリにフレンはじわじわ苛立ちを感じていった。
「………、わかってないよっゆ、友情じゃないんだっ僕が君に抱いてる感情はっ!」
「だからわかってるって言ってんだろ」
ユーリも負けじと強気な口調で返した。




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ペン入れの最中に意識が飛んで気が付けば変な線が描かれていることが多いです。
ごみ取り作業が大変そうだなぁと感じる今日この頃。
っていうかパソコンがちゃんと動いてくれるのかが心配。


てんさん
昨日気が付いたら更新予約時間を過ぎていてお礼かけなかったんですが
コメントありがとうございます~
レス不要ということでここで一言だけお礼を。
前のイラはこう、朝日を浴びて光ってる感じにしたかったのです。
美しいありがとうございます~~っ!!

レス不要の方。
イラストにコメありがとうございます!
絵を気に入っていただけるのは嬉しいですvvv
ですがこの辺りから腕を酷使しすぎて絵が描けてませんのであまり期待はしないでくださいね(笑)
ありがとうございました!!
7


嫌われたわけじゃないらしい。
だったらなんで手紙をやめたりするんだ?
いつも通りでいいじゃねぇか。
俺が手紙を貰って喜んでたことはフレンはわかっているはずだ。

授業中、教師が一生懸命話しているのを完全に思考からシャットアウトして
前の席に座る親友を見詰める。
フレンは時々ふぅ、と溜め息を吐いたりなんかして同じく授業が耳に入っていないようだ。

あぁ、聞きたい。
何で手紙入れてくれなかったんだ。
でもそれを聞くときっと逃げるだろうな。
フレンは自分だとばれてないと思ってるはずだ。
いや、そんなことより今は何で入れてくれなかったのか、だ。
噂が原因?
こいつ浮ついた話とか嫌いそうだもんな…。
でもそれはデマだって知ってるって言ってたじゃないか。
心の底では疑ってる?
俺が結婚してるとかいう馬鹿な噂を?
それはとりあえずないな。
家に入れたこともあるし。
じゃあ俺が誰かと付き合ってるっていう方か?
確率としては高そうだけど違うな。
俺はいつもフレンと一緒にいたし、その時彼女がいる素振りなんて見せたことないはずだ。
フレンだけを見詰めたしフレンのことしか考えてなかった。

…じゃあ何でなんだよ…
教えてくんねぇかなぁ…まじで。

あ、もしかして鈍感だから嫌気がさした?
いい加減気付けよってことか?
いやだから、多分フレンは自分だとばれてないと思ってやってるわけだから…。
それとも噂話を立てられたこと自体に怒ってる?
火のないところに煙はたたないというやつか。
いやでもマジでそういうのないから排除しようがないんだけど…

ん、あ、もしかして…
嫌いになったわけではないけど他に好きな人が出来ました、みたいな?
冗談じゃねぇよ、ずっと好きだった俺はどうなんだよ。
フレンが離れるとか誰かに取られるとか、マジ無理。

それなら…こっちから…


「ユーリくん、一人で百面相しないでおっさんの楽しい授業に集中してちょうだい」
ぽん、と物理教師に教科書で軽く頭をこつかれて現実に引き戻された。
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