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enikki-hosi5.jpg



一通り小さいフレンが行きそうな場所を歩き回った。
しかしどこに行っても、誰に聞いてもフレンを見た人はいない。
「…っどこ行ったんだよっ」
もう陽も落ちてきている。
小さな子供が夜中うろうろするには下町は安全な街ではない。
「ほら、ユーリ、もう遅いぞ、早く家帰んな」
八百屋の親父が一服しながらユーリに叫ぶ。
するとどこかで遊んできた帰りらしい子供たちがその声を聞いて同じく叫んだのだ。
「ユーリにはお父さんやお母さんいないから怒られなくていいよな~!」
子ユーリは顔を顰る。
「院の母さんが心配すんだろ」
八百屋の親父が言う。
「本当のお母さんじゃないじゃん!」
「……」
子ユーリは辛そうに顔を歪めた。
「ガキってのはほんと、言いたい放題だよなぁ…」
「ユーリ、元気出して。僕だってお母さんいないし…」
「大体俺あいつらの顔覚えてねぇんだよなぁ…
 きっとこれっきり会ってねぇんだぜ、気にするこたねぇよ」
「……うん…」
子ユーリは表情を和らげることはなかった。
そこでふとユーリが気付く。
「…今思い出したんだけどこういうやり取りってこの頃よくなかったか?」
「そうだっけ?あまり覚えてないな…」
「お前だって一緒に言われてたろ。まぁ俺も今まで忘れてたんだけど…」
「…あぁ…でもそうだったかも……あれ、僕それでユーリに何かしようと思った気がするんだけどな…」
フレンが何か思い当たる様で顎に手を当てて考える。
「えっほ、ほんとか!?フレンどこに居るんだ!?」
子ユーリはフレンに詰め寄る。
「えーっと…なんだっけな…」
「そういや何かされた気がするな…」
ユーリも考える。
しかし思い出せない。
とても大切なことで自分の生きる糧にすらなるような出来事があったはずだ。
なんだっけ、なんだっけと悩む二人を見て、子ユーリは眉を顰めた。
大事な二人の思い出のはずではないのか。
忘れてしまうようなことなのか。
「…もういい、とにかく捜す」
子ユーリは悩む大人に冷たく言い放つと一人で歩き出した。
「…おかしいな…ここに来るまでは覚えていたと思うんだけど…」
「っていうか俺今この頃の記憶が殆ど思い出せねぇんだけど…」
「あ、僕も」
二人は顔を見合わせる。
「…もしかしたら俺らの記憶、ここに来ることで何か影響受けたのかもしれねぇな」
「未来を変えないように、かな」
「さぁな。とにかく俺を追いかけようぜ」
ユーリの言葉に頷くと二人は先を行く子ユーリの後を追った。



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TOVのCD聞きました~~~vvvネタバレなので反転
いや~爆笑したwwwあのモノマネやばい
竹本さんが面白すぎてどうしようかと思う。「あんなバカっぽくしゃべれない」ってw
「馬鹿にしてる!?」っていうのにも爆笑した
とりあえず竹本さんのカロルのくだりは面白すぎたwww
森永さんは可愛い。可愛すぎるっ!!!「ないないするよ、ないない」
「似てない!!!」(キッパリ!)
それにしても森永さんは見た目と中身のギャップが激しい気がするのですがwww
鳥さんの「早く開けてほしいのだけれど」にも爆笑した。
そのときの中原さんの「はらたつっ」って返しにも萌vv
久川さんや渡辺さんにも来ていただきたいですよね。
もちろんマモさんにもvvv
Vメンバー全員でしゃべってCDじゃなくて映像付きにしてほしいな。
久川さんの前で「バウル!」ってやってほしいぜ…っ!!

ドラマパートはまさかのイカフレかとドキドキした(笑)
そこでお姫様を助けるナイトユーリとかだったらいい展開だったのにwww
冬に期待vv
海にまで鎧を来てくるフレンにがっかりするユーリ萌(違)
しかしやっぱり二人きりがいいんだねvvv

なぜかSCDとは別々に来るみたいでSはまだ聞いてないけど
きっとゲストはXの二人なんでしょうね。
Xまだ未開封なんだけどなぁ…。脱稿まではお預け中です。
ちなみに予約限定のマスコットはノーマルジュードでした。
クレスバージョンちょっと期待してたんだけどな~。

そいでは原稿に戻ろう。
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enikki-hosi4.jpg


離れろと顔を赤らめながらフレンを可愛く睨みつけている自分を見ながらユーリは思う。
俺もしたい。
羨ましい。
そこで気が付く。
「なぁ…お前一人?」
ユーリの何気ない疑問。
それに「あっ」と目的を思い出した子ユーリは急に焦りだした。
「そうだっフレン!」
「なに?」
「ちっ違うっ俺と同じ歳のフレン!」
「一緒じゃねぇのか?」
「どこにもいなくてっ今捜しに行くとこだったんだっ」
子ユーリの話にぴくりと反応するユーリ。
「いない?どういうことだ?」
「知らねぇよ…朝はお互い別々に家のこと手伝ってたんだけど…
 昼ご飯が出来たから呼びに行ったんだけどどこにもいなくて…」
家とは二人の孤児院のことだ。
二人はここで出会い、共に育った。
「お前どこ行ったんだよ?」
ユーリがフレン自身に聞く。
変な感覚だ。
「さぁ…どこだろう…」
「自分のことじゃねぇか」
「そんな前のこと覚えてないよ…何か目的があったわけじゃないかもしれないし。」
「…そっか…」
手懸かりを得られず子ユーリは眉尻を下げた。
「ご、ごめんねユーリ、もうちょっとよく思い出してみるからっ」
落胆したユーリの様子を見てフレンは慌てて記憶を掘り返す。
しかし覚えていないものは覚えていないのだ。
大体いつくらいの話なんだ、それすら曖昧であっては…。
「ユーリ、最近何かあったかな」
フレンは子ユーリに最近の出来事を聞く。
「…最近………、……いや、なんも…」
「そのわかりやすい間はなんだ」
ユーリが子ユーリをじとりと睨む。
「うっせぇなっフレンが居なくなりそうなことは何もねぇよっ」
子ユーリも負けじと睨み返す。
何かあったのは確かだろう。
だが子ユーリはそれがフレンがユーリに黙って行ってしまったこととは関係ないと言い切れるようだ。
フレンも何があったのか気にはなったがそれ以上追求しなかった。
「とりあえず捜してみようか、僕が行きそうなとこ」
二人はそれに頷く。
子ユーリの表情は晴れないままだった。
フレンとユーリはそんな子ユーリの態度に何か引っ掛かっていた。
とても大事な出来事があった気がする。
この時、何故か二人ともその時の記憶を無くしていたのだった。
3



「いっいい加減離せってっ!」
決して悪意ある訳ではない抱擁にユーリは照れたように身をよじった。
「ん、あ、ごめん…」
フレンが名残惜しそうにユーリから離れる。
小さい頃のフレンはとにかくユーリにべったりだった。
どこに行くにも一緒に行きたがったし夜も同じ布団で眠った。
それをユーリも嫌だと思ったことなんて一度もなく、むしろ一番可愛がってさえいた。
天使のような容姿をしているくせに危なっかしくて目が放せない。
心配だから一緒に居るんだと周りの大人には強がって、
隣で微笑むフレンの笑顔を独り占めしてきたのだ。

そんなユーリが、見た目が少し変わっているからってフレンのことがわからないはずもなく。
「…フレン…?」
振り向いて今まで自分を抱きしめていた人を見て呟いた言葉は
第六感から口に直接下りてきたものだった。
しかしすぐ何を馬鹿なことを口走っているんだと少し遅れて脳が働く。
「…なわけないよな…」
フレンは自分と同い年のはずだ。
こんなでかくなってるわけ…
「ユーリっ僕のことわかってくれるんだね…っ!」
フレンは感動のあまりまたユーリに飛び付いた。
「…っ、は!?おま…本当にフレン、なのか!?」
再度抱きしめられてうろたえるユーリ。
「あ~あ、完璧思考がガキんときのに戻ってんな…」
ユーリは溜め息を吐きながらやれやれと苦笑した。
フレンは少しユーリから体を離して瞳を覗く。
「フレンだよ、ユーリ、久しぶりだね」
「…じゃあもしかしてそっちのあんたは…」
ユーリがゆっくり成長したユーリを見上げた。
「よぉ、久しぶりだな、オ・レ!」
「な…っ」
どうなってんだと二人の顔を見る。
「僕らもよくわからないけど何故かここに居たんだ」
まぁ確かに大まかな、本当に大雑把にことのいきさつを話すとそうなるが
あからさまに怪しいだろ、それ…
ユーリは心の中で思ったがフレンは信じてくれるよね?と
期待に満ちた視線を子供のユーリに送っている。
そしてフレンが言うことには弱いのがユーリだ。
「……わかった…」
思いっ切り怪しいと思ったがユーリは頷いた。
「ユーリ大好き!」
と喜んで抱き着いてくる大人になったフレンの腕の中で、ユーリは顔を赤らめて溜め息を吐いた。

ホント…こいつには勝てねぇな…
と大人ユーリも同時に溜め息を吐くのだった。
2



「うわ~すごいね!」
「…すげぇな…」
「あっという間に帝都だ!どうなっているんだろう」
「…帝都だな…」
素直に感激するフレンの隣でユーリは首を傾げた。
そう、帝都だ。
あの建物にもこの貼り紙にも見覚えがある。
まごうことなき帝都。
ヨームゲンではない。
「…おかしいな…なんで帝都なんだ?」
「そっか。昔のヨームゲンに行くはずだったんだよね」
フレンも漸くユーリが感じる違和感に気付いた。
「まぁとりあえず歩いてみるか。敵はいなさそうな普通の帝都みたいだし」
「そうだね」
二人は歩き出す。
しかしすぐに二人して首を傾げることになる。
「ユーリ、あの建物大分前に取り壊されなかったかな…」
「同じ建物作った…な訳ねぇよな」
「あの花屋のお姉さん確かハルルの人と結婚して今は居ないはずだよ」
「っつーかさっきから知ってる店の親父さんが皆どことなく若いような…」
二人の中にある考えが浮かぶ。
「…ユーリ、同じこと考えてる?」
「多分な。ここは過去のヨームゲンと繋がってたような場所だし有り得ないことはない」
「…居るのかな…」
「さぁな。とりあえずもうちっと歩こうぜ」
二人はまた歩く。
懐かしい光景が広がる。
昔親しくして貰ったおばあさん、現実世界ではもう会えない。
あの建物は改装して今では綺麗になっている。
あの子供は近所のお兄さんに面影が似ている。

そして。


ドンッ

と、何かがユーリの足にぶつかった。
「うぉっ!?」
「あ」
フレンがそのぶつかったものを見て思わず顔を綻ばせた。
正確にはぶつかった子供。
「痛って…」
その子は打ったところを押さえて顔を歪めたがすぐ立ち上がってユーリを見た。
「ごめん、急いでたから…」
その子供を前にしてユーリは酷く動揺する。
同じ色の瞳をした二人の視線が絡み合う。
「……マジで居やがった…」
「?」
ユーリの呟きを聞いて子供は首を傾げた。
と、隙を見せる子供を後ろからハグしたのはフレンだった。
「うわ~っ小さい頃のユーリだっ!久しぶりだなぁ~っ」
「うわっな、なんだよあんたっ」
背中からぎゅうっと抱きしめられてその子供、
ユーリは驚いてもがくがその拘束から逃れることはない。
そういや小さい頃のフレンはよく俺にしがみついてたな…なんて思いながら
自分とフレンの一方的な抱擁を複雑な思いでユーリは見ていた。



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今日の絵はアタリにそのまま描いたものだったりするので酷すぎるwww
ユーリが落書きすぎてびびる。
やはりアタリとは別のレイヤーにした方がいいな。
1



「…ってゆーかここに何しに来たのよ?」
ごつごつした岩と限りなく続く青空、おまけにこの灼熱地獄に囲まれてリタが言った。
こことはフェローの岩場。
普通に行けばフェローを精霊化した今、立ち寄る必要のないところだ。
「え?何か用があったんじゃないの?」
「あら、エステルが行きたいと言ったんじゃなかったかしら」
「レイウ゛ンが暑い所に行きたいって…」
「青年が取り逃した宝箱が~とか何とか…」
「パティが言ったんじゃなかったか?」
「うちはリタ姐がエアルの調査がしたいと言っておったと思うんじゃが?」
「言ってないわよっ…確かに調査はしたいけど…」
その場に沈黙が流れた。
「なんだ、用ないのか」
「アホらし。用がないならさっさと帰るわよ」
リタが踵を返す。
「ねぇユーリ、あそこに何かあるのはなに?」
「ん?」
フレンに袖を掴まれてユーリは指差す方を見た。
そこには空気が少し歪んだブラックホールみたいなものがあった。
「…あぁ…お前初めて見んのか」
「あれは幻のほころびと言ってフェローが作り出した異空間へ通じる入り口ですよ」
エステルが代わりに説明をした。
「昔のヨームゲンに繋がってるんだ!すごいよ、綺麗な町だったんだ~」
カロルの説明に「へぇ~」と目を輝かせてその入り口を見詰めた。
ワクワクしているような、入ってみたいと顔に書いてある。
幼馴染みの相変わらず素直な反応にユーリは苦笑を漏らした。
「入ってみるか?」
「え?い、いいよ。用ないみたいだし」
「いいだろ1日くらい…皆も疲れてるだろうし休んでもらえばいいさ」
「ちょっとなに勝手に…っ」
リタが勝手に決めるユーリに怒鳴ろうとしたその瞬間、
期待に満ちていたフレンの表情がさっと曇るのをリタは見てしまった。
「……ぇ…えっと…」
思わず言葉を詰まらせたリタ。
「あ、うん、わかってる。ここには用事はないし次に行こう」
フレンは少しがっかりしたように言った。
そんな、一見聞き分けのいいようでそんなにあからさまに落胆されたら
さすがのリタでも意見を合わせるしかなかった。
「…そ、そうね、私も少しここでエアルの調査するから…あんたらその間に行ってきなさいよ…」
「えっ本当かい?」
パッとフレンの表情が明るくなる。
わかりやす過ぎる…
全員が思った。
「良かったな、じゃあ俺が付き合ってやるから行こうぜ」
ユーリがさりげなくフレンの手を握ってほころびに近付く。
「じゃあ行ってくるわ」
「リタ、ありがとう」
にっこり微笑まれてリタは頬を赤らめた。
「さ、さっさと行って!」
恥ずかしさでリタが怒鳴るから二人は慌てて中へ足を踏み入れた。
enikki-negai26.jpg




フレンは今日も机に向かう。
以前のように暗い気持ちにはならない。
確実に前へ向かうのだ。
悩んで悩んで出した答え一つ一つが、前に。

フレンは次の書類に目を通す。
読み終えた書類を左に置き、新しく目を通す書類を右の束から抜き取る。

コンコン

窓の方からノックが聞こえた。
そんなところからやってくるのはたった一人しかいない。
フレンは思わず目を細めて立ち上がると窓を開けた。
「よっと」
ひらりと入って来た友人にフレンはまったく、と腰に手を当てたが、
彼の出で立ちを見て小言を引っ込める。
「…行くのかい?」
ユーリは小さくも大きくもない荷物を愛刀と共に持っていた。
「あぁ。」
今回は大分長い間帝都にいたから離れるのがやっぱり少し寂しくなる。
「お前の代わりにお前の仕事っぷりを世界中で見てきてやるぜ」
にっと笑みを浮かべる。
フレンは頷く。
「俺も負けてらんねぇからな、俺は俺のやり方で約束を果たしてみせるさ」
「ユーリならきっと沢山の人を幸せに出来るね」
「お前にゃ敵わねぇだろうけどな」
「そんなことないよ。僕は何度も何度も救われてるよ」
目を閉じて、思い返す。
ほら、あの時も、あの時も…。
ユーリはそんなフレンを物言いた気に見詰める。
「俺も今背負ってる悩みから救ってもらいたいもんだな…」
「ん?」
目を開けたフレンからユーリは目を逸らした。
「何もねぇよ!」
窓枠に足をかける。
「じゃな、帰ってきたら顔出すわ。あんま溜め込むなよ」
「うん、気をつけて…」
「………」
ユーリは窓の外を見つめながら出ていこうとした動きを止める。
枠にかけていた足も下ろしてフレンに近付いた。
そのままぎゅうっと抱きしめた。
「…フレン、」
「ん?」
「お前俺のこと好きなんだってな…言ったの覚えてる?」
「うん、気を失う前だね」
バッとユーリはフレンから離れる。
「返事は言わねぇ」
「は?」
「お前返事聞く前に死んだりすんなよ!?俺も言うまで死なねぇから!」
「…うん…?」
「お前がお前のこと一番に考えられるようになったら返事聞かせてやる」
「…騎士を辞めたら…ってこと?」
「そ。ジジイになって他の騎士からうざがられて引退した後」
「なにそれ…」
「気になんだろ、俺がお前のことどう思ってるか!約束だからな!約束したからな!忘れんなよ!」
ユーリはまるで言い逃げのように窓枠を蹴って外に飛び出した。
下にはラピードが待っていた様で二人は走って行く。
小さくなる影を見詰めて愛しさが込み上げる。
「…聞くまで死ねないね…長生きしなきゃ…お互い…」
フレンは彼が見えなくなるまで目で追い続けた。

見送りが終わるとフレンは机に向かった。
老後に出来た楽しみに、心が膨らむ。

早く歳をとりたいなんて感じるの、初めてだよ。

フレンは幸せそうに笑った。



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ユーリはフレンは騎士を一生続けるんだろうなって思ってます。
その邪魔にはなりたくないので今まで通り付かず離れずの立ち位置でフレンを見守りつつ
老後のひとときくらいは一緒に気楽にのんびり暮らす時間くれってな感じです。

おっさんよりもはるかに歳とっても、二人の気持ちは変わらない。
きっとそれまで、お互い片想いのままです。

でもキスしたり押し倒したりとかは普通にしてそうwww
それでもユーリは返事しないけどwww
だってお盛んな年頃ですから抑えられないことだってあるでしょう(笑)


色々補足説明しようとしたんですけどやっぱりやめました。



というわけでこれでこのお話はおしまいです!!
久しぶりに長かったですね、お疲れ様でした!!!
次回からはコメディ??です。公式設定です。

enikki-negai25.jpg


そこに広がっていたのは人、人、人。
城の前は疎か市民街、もしかしたら下町にまで続こうかという人の群れ。
「フレンさまーっ!」
「意識回復したそうで良かったです~っ!」
「金も全部戻ってきたぜ~!」
「一人で背負い込まないでください!」
「お前じゃなかったら誰が騎士団の顔として俺らギルドと話し合うんだよ!」
口々に叫ぶ声が聞こえる。
フレンは付いていけなくてエステルとヨーデルを目をぱちくりさせながら見た。
「…あの、これ…」
フレンが状況を飲み込めずにオロオロするのに、ソディアはガバっと頭を下げた。
「申し訳ございません!!」
「え?なに?何で謝ってるんだい?ソディア…」
余計混乱したフレンにゆっくりソディアは頭を上げる。
「…実は……騎士も国民も…最初から全て知っていたのです」
「………は?」
「フレン様おっしゃいましたよね、私が信頼する騎士には話してもいいと。
 私には信頼する騎士が大勢いますので…」
ソディアが困ったように笑みを浮かべる。
「大体一ヶ月なんて無茶言い過ぎです、団長。
 そんなの…我々だけではこなせません。」
自分たちの知らないような場所や、普段見かけないような怪しい人物、
そんな情報を提供してくれたのは他でもない、この国の人々だ。
それがあってこそ、この短時間で相手の居場所を特定することが出来、
フレンとソディアはそこに乗り込むことに成功したのだ。
その奇襲も地形などの情報を提供してくれた人物がいなければ成功していたかは怪しい。
それにヨーデルが続く。
「国民にも説明をした上で取立てを行なったみたいです。
 皆快く演技に一役買ってくださったみたいですよ」
「…え…演技…」
エステルも続く。
「でもこれはフレンだから皆協力してくださったんですよ。
 皆口々に言うんです。フレンがこうしてくれたから私たちは助かった、
 フレンが意見を聞いてくれたから悩みが解決した、
 皆フレンに感謝の気持ちが沢山あって、だから今回のことも皆協力してくれたんだと思います」
「………」

あの、机に向かう日々。
書類に事務的に書かれた人々の不平不満に、1枚1枚悩んで出していた答え。
自分が指示をしても、それが良かったかどうかなんて返事は返ってこない。
自分がしていることは人々の役に立っているのかって、不安にばかり思っていた日々。

フレンの瞳からポロリと涙が零れた。
全て、無駄じゃなかった。
ちょっとずつでも、前に進んでいた。
自分のしたことで、こんなにもこんなにも沢山の笑顔を見ることが出来た。

嬉しい、
嬉しい、
嬉しい…っ

今まで大変だったことなんて、遥か彼方に消えて行ったみたいだ。
心に残るのは、喜びしかない。

「騎士団長を辞めるなんて言わないでくださいね、
 ここまで支持されている人物を解任すると私が皆に恨まれてしまいます。」
ヨーデルも城の前に集まった人々を見ながら言った。


「やっぱすげえな、お前は」
ユーリが優しく笑いかける。

フレンの瞳から零れる涙は止まることがない。
それが全部、今までこいつの中にあった不安だったんだと思うと、
放ったらかしにしてしまった自分の浅はかさや弱さが恨めしく思う。
窓の外を見て涙を流し続けるフレンを、ユーリは見詰め続けた。
守っていこうと、決意する。
この、強くて弱い掛け替えのない人を…。
enikki-negai24.jpg



握り締める力は段々強くなる。
「俺は…お前を傷付けるのが怖くて…」
汚してしまうんじゃないかって…
「不安で…ずっと言えなかったことがあるんだ…」
「……うん」
「ガキん時から…何度消そうとしてもダメだった。
 だから逃げてやろうと思ってもお前追っかけてくるし…
 急に変になっちまったんじゃねぇかって事し始めるから心配になるし…
 結局お前のことが毎日気になってしょうがねぇんだよ…」
「……うん…」
フレンは真面目にユーリの言葉を聞いている。
真っ直ぐ、瞳の深い青がユーリの心を射抜く。
「フレン、俺お前のこと――――」
「フレン!!目を覚ましたんです!?」
バターンとノックも無しに入って来たのはエステルとヨーデル、そしてソディアだ。
「エステリーゼさまっヨーデルさまっ!ソディア!」
「………」
ユーリは手を握り締めたまま固まる。
なんつータイミングだこれ。
いっそ泣きたい…。
フレンの目はもうドアの3人に向いている。
「フレン大丈夫です?私にもっと高度な治癒術があればなくなった
 血も回復出来たかもしれないのに…」
「いえ、エステリーゼさまが傷を塞いで下さらなかったら
 私は今頃天国で両親に会っているところでした」
「縁起でもないこと言わないで下さい~っ」
エステルが泣きながら文句を言う。
「ヨーデル陛下も…ご無事で何よりです。
 この度は私が城を留守にしたばっかりにこんなことになってしまい…」
フレンは深々と頭を下げた。
「いえ。元はと言えば私が彼等の口車に乗ってついていってしまったのがいけなかったのです。
 辛い思いをさせました。」
頭を下げた皇帝にフレンはうろたえる。
「そ、そんなっ頭を上げて下さいヨーデルさまっ」
そして、心配するもう一つの瞳とぶつかる。
「…ソディアも、ご苦労だったね、責任あることを押し付けてしまってばかりだった。」
「…っいえ…信頼していただき、嬉しく思います!」
ソディアは堪えられなかった涙を一粒頬に伝らせながら敬礼して答えた。
「それよりフレン、すごいんです!」
エステルがフレンの腕を掴む。
「立てますか?フレン」
ヨーデルも隣に来て手を差し出す。
フレンはふらつきながら立ち上がって導かれるままバルコニーへと歩いた。
その大きな窓を開けるとそこにあった光景にフレンは息を呑んだ。
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