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enikki-sin7.jpg




自分が歩くと周りがざわついた。
注目を浴びるのが怖い。
もしかしたらからかわれているのかもしれない。
だけど見渡す景色はいつもよりも低くて、足元はいつもと違ってスースーする。

「女性になりたい」と投げやりに言った言葉に怪しい女は「わかったわ」とあっさり答えた。
「は?」と呆気に取られるフレンをよそに女はぺらぺらと分厚い本をめくった。
「あったあった、攻撃魔法以外はあんまり使ったことないのよね~…」
なんて不安を更に増長させる言葉を浴びせられたかと思ったら次の瞬間には「
いくわよっ」と手を天に掲げられていた。
「えっえっ、ちょっとまっ…っ」
一体なにがどうなると言うのだ。
なんで突然こんな意味のわからない展開に巻き込まれているのだ。
フレンは止めようとしたが既に遅く。
「ちち~んぷいぷい~っ!」
なんて怪しさ盛り沢山の呪文とともに下ろされた指に体は捕らえられた。
その向けられたよくわからない気合いにフレンの体はビクンと大きく反応する。
突然体や服が発光しだしたかと思ったらみるみるその形を変えていったのだ。
体は小さく細く、服は短くかわいらしく。
光りが収まったかと思ったら自分の体がどうにかなってしまっていた。
「なっ何を…っ」
と叫んだ声も若干高くて気持ち悪い。
「なにって…あんたが言ったんでしょ、女になりたいって」
怪しい女はぱっと鏡をなにもないところから魔法で出現させるとそれをフレンの前にどんと置いた。
「ほら、さすが天才!」
鏡に映る自分の姿は、いつもとは似ても似つかなかった。
「あ…あ…」
「なに、言葉も出ない?まぁ私もこの出来には満足かも」
と自己満足する女の横でフレンは思いっ切り叫んだ。
「ちょっうるさいわねっ」
「ぎゃーーっ!な、これっなんてこと…っ」
最早単語の一つも出ないようだ。
「なによ?女になりたかったんでしょ?違うの?」
女は少し動揺したように怖ず怖ずと尋ねた。
「…なっなりたかった…っけど……」
いざなると気持ち悪いものだ。
心は変わらないのだから。
自分の姿を信じられない、と何度も確認する。
「大丈夫よ、どっからどうみても女よ。私の術式に間違いはないわ」
女は踏ん反り返って言った。
「…本当に…女の子に…」
胸に手を当てると膨らみがあって思わず「わぁーっごめんなさいっ」と謝った。
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enikki-sin6.jpg






ユーリが結婚したらその時は笑って「おめでとう」って言うんだ。
それはフレンがずっと決めていたこと。
だからあの時も「幸せになって」と言ったのに。
なんだかユーリとの間に壁が出来てしまったようだ。
正確にはユーリの方から壁を作られている。
あれからユーリは少しよそよそしくなった。
あまり目も合わせてくれない。
あれから数日、フレンは騎士の仕事のため城に戻ったのでユーリには会えなかった。
下町の騎士仲間が言うには相変わらず下町のお祭りの手伝いに駆り出されているそうだ。
クレープ屋のお姉さんとは気が合うようで仲がいいという噂はよく耳にした。


今日はいよいよ祭り本番だ。
フレンはやはり休みが潰れ今日も城にいた。
だが一日中仕事というわけではなく夕方で上がれるということなので
最後のダンスには間に合いそうだ。
…いや、間に合ってしまうようだ、というのが本音だった。
行きたくない。
はっきり言えば祭りの日、仕事が入ったことにフレンは安心したのだ。
見なくて済む、と。
しかしフレンが下町出身だと知る騎士の仲間が、
気を遣って早目に上がれるように仕事を手伝ってくれたのだ。
仲間想いの友人たちに抱く感情はこの日ばかりは感謝ではなくお節介だった。
「もう上がれよ」
と満面の笑みで言われてしまっては新たに仕事を作って残業するわけにもいかず、
フレンは渋々城をあとにした。

夕方よりは少し時間がおしてすっかり日は落ち、夜になっていた。
しかし運の悪いことにダンスはまだ始まってすらいない。
フレンはどうしようかと下町の路地裏をさ迷った。
友人らがせっかく気を遣ってくれたのに祭りに顔も出さないわけにはいかない。
しかしもうすぐダンスが始まる時間で、そ
うするとユーリとあの女の人が踊るところを見なくてはいけなくなってしまう。
どうしよう…
と、頭を抱えてその場にうずくまった。

そこへ、なんとも怪しい黒いマントに身を包んだ女が近付いた。
「あなたの悩み、解決してあげましょうか?」
フレンは声のする方を見上げた。
黒いマントに黒いフード。
手には分厚い本を持っていたがそれ以外情報は得られなかった。
「…悩みを解決?」
フレンは自嘲気味に笑う。
出来るわけがない。
自分の抱える悩みは、たやすく解決するものではない。
「願えば叶えてあげるわ。私に不可能はない」
きっぱり言い放った怪しい女に、フレンはどうせ無理な癖にと投げやりに願いを述べた。

「女性になりたい」

と。



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皆様お気づきの通りブログに広告が入ってしまうようになってしまいました…。
最新記事だけのようですが。
つきましてはブログのお引越しを検討しております。
この連載が終わったら新しいブログに変更します。

ちょっと最近このブログおかしかったのでいい機会かな~とか…(ぼそ)
(記事書く段階で書きにくいことが多々あったので…。。。)
使い勝手悪かったら戻ってくるかもしれません。


フレンの服の配色が逆でしたが…まぁこんな服も持ってればいいよwww
enikki-sin5.jpg





「いつそういう話になったんだ?」
ユーリがさすがにじとりと睨んだ。
お姉さんはふふ、と笑う。
「いいじゃない、別に本当に踊るわけじゃないから安心してよ」
「どういう意味だ?」
「だってあなた本命の子に言わないつもりなんでしょ?
 あなたが相手を決めない限りいつまで経ってもダンスのお誘いはやってくるわよ」
「……」
ユーリはわかりやすくうざそうな表情をした。
それにお姉さんはクスリと笑う。
「だから私ってことにしときなさいよ、大丈夫、私自分がフラれたってちゃんと理解してるから」
優しく微笑むお姉さんは本当になんの見返りも期待していないようだった。
だからユーリは「そうだな…」とその厚意を有り難く受け取った。
「じゃあそうさせてもらう、サンキュ」
「いえいえ、私の方こそ助かるわ」
「やっぱりモテんじゃねぇか…」
「いつかフッたこと後悔させてやるから」
お姉さんはそう言って笑った。



「聞いたよ、相手決まったんだってね」
「んぁ?」
ご飯を頬張りながらフレンの言葉に「なにが?」と首を傾げた。
「ダンスの相手。良かったね、いい人が見付かって」
フレンはふわりと微笑んだ。
その笑顔に口の中のご飯を思わずごくりと飲み込むとユーリは微妙な顔をした。
「…人の気も知らねぇで…」
「?なぁに?」
「なんでもねぇよ」
「クレープ屋のお姉さんだよね」
「なんで知ってんだ」
「噂がそこらじゅうにとんでるよ」
「…勘弁してくれ…」
ユーリはがっくり肩を落とした。
女性はショックを受けて、男性は面白がって噂をする。
「彼女サッパリしててユーリの好きなタイプっぽいよね」
「そうか?似てねぇと思うけど…」
じっとフレンを見る。
「似てる?誰に?」
「や、なんも。」
視線を外しておかずを手に取る。
「…そういえば知ってる?」
「ん~?」
「このダンスで一緒に踊った人って結ばれることが多いんだって。」
「ぶっ!」
ユーリは思わずご飯を喉に詰まらせた。
「ユーリもついに結婚かぁ、ってハンクスさんが少し涙ぐんでた」
「げほっげほっ、あのジジイ…」
ユーリが詰まらせたご飯をお茶で流しながら想像したハンクスを恨めしそうに睨みつける。
「…僕も、ユーリが幸せになれば嬉しいよ」
声に出したフレン一人の決意は、その時確かに二人の間に溝を作ったのだった。


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今日やったXの感想…。

キールーーーーーーーーっ!!!!!(人違い)

いや、あの展開あぁなると思いましたが…。まさか…。

っていうかティポが可愛すぎるどうしようっ!!!
戦闘終了後の「つかれた~」って絶対疲れてないですからね(笑)
あぁあぁかわいいっ
ちなみにアルヴィンの頭の上にはエリーゼ仲間に入る前から
ずっとティポぬいぐるみが置いてありますwww
アルヴィンにサングラスが似合い過ぎて付けたいけど目が見えなくなるので外さなければ
いけないジレンマとの戦いRPG。

ただいまジュードくん普通の髪型に黒うさみみです。なんて似合うのこの子っ!!
っていうか仕草が女子すぎて…もう…っ!!
ジュドエリを応援したい。エリーゼはジュードのお嫁さん目指して頑張ればいい。
ジュードはそんな健気な頑張りも気づかず誰か好きな人いるんだ~って応援してたらいい。
レイアがまだ仲間に入ってないですけどね。
ヒーローヒロインの関係なのに自分の中でミラとはないですね。
っていうかヒーローヒロイン逆じゃないかこの2人。

黒うさみみの説明文がユーリのこと言ってるようにしか見えない壬はきっと正常。
enikki-sin4.jpg



ユーリはクレープ屋の屋台を組み立てる。
「はい」と阿吽の呼吸で手渡される木材。
所謂気の利く女だ。
男からダンスの相手にって申し出も数多だろう。
「お姉さんダンスの相手決まってんの?」
何気ない、本当に何気ない疑問だった。
「いえ?なぁに?踊ってくれる?」
「なんでそうなるんだよ」
「あら、自然な流れだったでしょ?」
「あんたモテそうだから聞いただけだって」
「モテないわよ、別に」
ふふ、と笑う女性。
誰が聞いても謙遜だとわかる。
「なんで決めないんだ?いっぱい言われてんだろ?」
「モテないって言ったはずなんだけど…まぁいいわ。う~ん、本命じゃないから、かな」
「本命?いるんだ?」
ユーリはまた何気なく返した。
「えぇ、目の前に」
「ふ~ん?…………ん?どこ?」
ユーリはキョロキョロと辺りを見渡す。
「態とやってるのかしら」
そう微笑まれてユーリは少し止まった。
「…あぁ…俺?」
「当たり。やっぱりモテる男は反応が違うわね」
クスクス笑う。
その声を抑えて、表情は穏やかなままユーリを見詰めた。
「私と踊ってくれない?」
「わりぃ無理」
返事は恐ろしく素っ気なく、あまりに早かった。
「ちょっとくらい考えてくれてもいいんじゃない?」
お姉さんはムッと眉間に皺を寄せ腰に手を当てた。
「お姉さんと同じ理由なら考えなくても答えはすぐ出るだろ?」
ユーリは木材に釘を打ち付けながら言った。
「…いるんだ?」
「まぁ」
「誘わないの?」
「誘えないの」
「どうして?」
お姉さんの質問にユーリは手を止めて自嘲する。
「嫌われたくねぇから」
それだけ言うとユーリはまた木材に釘を打った。
「…あなたが嫌われるわけないと思うけど…」
お姉さんは相変わらずタイミングよく木材や釘を手渡してくる。
「俺なんかじゃ釣り合わないほどの美人なんで…」
「なにそれ」
ふふ、とお姉さんは笑った。
そこへ先程フレンに話掛けた女の子がやって来た。
「あ、あの、ユーリさん…お久しぶりです…」
ユーリは振り向いて女の子を見て、首を傾げた。
「誰だっけ?」
「あ…その…以前男の人に絡まれているところを助けて頂いて…」
「ふ~ん?そうだっけ?で、なに?」
「……、えっと…ダンス…一緒に踊って下さらないかと…」
ユーリがまたか、と少しうんざりした表情になるのをお姉さんは見た。
そして女の子とユーリの間に割って入ると笑顔でこう言った。
「ごめんなさい、ユーリは私と踊るのよ」



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エクシリア始め(て)ました。
アルヴィンのジュードに対するスキンシップが激しい気がするのは壬だけでしょうか。
アルヴィンイケメンだわ~~かっこいいわ~~
ちょっとゼロスみたいですよね。
でも今エルフ耳つけてもらってるのでエルフの里のモブキャラのようにも見えます。
ジュードは前髪(真ん中分けつんつん??)とメガネとマイクを付けてるんですが…っ
壬はこのジュード君かなり好きです…っ!!!アイドルか!!!メガネアイドル!!!
あぁあぁでも今のとこ気になるのはエリーゼたんですね!!!
OPの魔法のシーンのプレセア度が半端ない!!(笑)壬はプレセア大好きです。
いやさすがユーフォーさんクオリティですよ!!
やっぱりところどころSの面影ありますよね。
早くレイアとじいちゃん仲間にしたいわ~~。ってまだ序盤の序盤だと思うんですけど。
あとなんだかとても高○ゆん的な敵キャラが気になります。
服装きわどすぎだろ。っていうかラブ○スだろ。

そして知らなかったんですけど…(一応楽しみを奪ってしまいそうなこと書いてるので伏せます。
ジュード編、ミラ編どちらもやってる方はネタバレOKだと…。)
OPすら2種類あるなんて…っ!!!
壬はとりあえずジュード編から進めてるのでまだ見てないですが…
や、ミラ様ないがしろすぎだろとか思ってたんですが。


ユーフォーと言えばSですがあのドラマCDは壬の中でヒットでしたね!!!
もうシルヴァラント幼馴染ーズ可愛すぎだろぅ!!!
あれぞおバカなロイドくんの可愛いところですよね!!!vvvvv
にゃんこ先生(笑)

とりあえずジュードとじいちゃんのDL衣装にものすごく惹かれる。

enikki-sin3.jpg



「これどこに置きますか?」
「あぁその辺でいいよ、ありがとな」
屋台を組み立てるおじさんは釘を打つ手を止めてフレンに笑いかけた。
「ご苦労さん、午前中はお勤め行って来たんだろ?」
「はい、今はそんなに忙しい時期でもないですし」
「そーかそーか、よく働く男はモテるぞ~」
そう言って大声で笑われて、フレンは苦笑で返すしか出来なかった。
女の子にモテたって仕方ないですとは口が裂けても言えない。
するとそこに一人の女性が近付いてきた。
「あの…」
「はい?」
話掛けてきたのは10代後半くらいの女の子で頬を桜色にそめて目は落ち着きなくうろうろしていた。
「なに?」
フレンは向き直って先を促す。
「ちょっと…お聞きしたいことが…」
もごもごと女の子は言いにくそうに言葉を紡いだ。
「僕に?なんだい?」
「……あの……ユーリさんと…仲良かったですよね…」
「…まぁ…」
「ユーリさん…ダンスのお相手とか…決まったりしてるでしょうか…」
「…いや…きまってないみたいだけど…」
「!そうですか!」
女の子はぱっと明るい表情になった。
「あ、私以前男の人に絡まれているところをユーリさんに助けて頂いたんです」
「あぁ、なるほど…」
それでユーリに恋してしまったと。
「彼は私のこと忘れちゃってるかもしれないけど…」
エヘヘと照れたように笑う女の子にフレンの瞳は陰を落とした。
「さぁ…それはわからないけど…ユーリなら向こうにいるよ」
「あ、ありがとうございます」
女の子は慌ててぺこりと頭を下げるとそっちの方向へ駆けて行った。

フレンはそれを見送り溜め息を吐く。
また嫉妬してしまった。
最後の言葉はきっと、「ユーリはあなたのことを覚えているよ」という後押しがほしかったのだろう。
だけどそこまでお人よしにはなれなかった。
気付いて、態と無視した。
最低だ。
ユーリの好きな「素直で優しい子」とは掛け離れてるな、とフレンは静かに自嘲した。




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脱稿しましたーーーっ!!!
ふぅ一安心。
今日気になっていたページをまるまる書き直して印刷会社さまに旅立たさせていただきました。
表紙などはまた後日アップしますね。
「堂々と仲良くして何か問題でも?」(←一応タイトル)ユリフレ A5 44P 600円で予定してます。
公式ネタで前半1本の話とそのあとの酒盛りでの酔っ払いたちの話、あとおまけで突然の女装ネタです。
またかよ、みたいな(笑)
今回どんな女装かと言うと…言ってもいいかな。
拍手絵で使ってますメイドさんです。
連載にしようとした話とはまるっきり違うんですがちょっと小ネタとして再利用させていただきました。
それにしても話が脈絡なさすぎですよ。
あくまでおまけの小ネタですんで女装ネタを期待しての購入はおすすめしません。
がっかりさせてしまうのが怖いのでよろしくです。
あと少し仲良すぎるシーンが含まれてますがR指定ないくらいですのでその辺もご理解をwww
オレにはこれが限界だ。
前回はコメディでしたが今回はコメディよりギャグに近いテイストです。
ユリフレが始終くっついている話です。
あと多分にエスリタが含まれてますので苦手な方はご注意ください。

enikki-sin2.jpg



「お前が女だったら…」

言われた言葉はフレンの心の中に長く居座る。
女だったら、ユーリの傍にいることがどれだけ楽だったろうか…。

フレンは思考も体もしっかり男であるが時々有り得ない願望を抱くことがあった。

女の子になりたい…と。

そう思ってしまう理由はわかりきっている。
ユーリが女の子と親しそうに話しているのを見たときだ。
フレンはユーリと仲良くする女性を見かけると、嫉妬のような感情と同時に心が冷たくなるのを感じるのだ。
悲しくて寂しくて仕方ない。
それが親友に対してもつ感情でないことくらい、すぐにわかった。
僕はユーリが好きだ。
抱く想いは友情でなく愛情。
そしてすぐに現実に引き戻される。
自分は男で、ユーリも男なのだと。
そんなとき、女だったらと考えてしまう。
女だったら、ユーリに気持ちを伝えるのも今よりずっと楽だったに違いない。
成功するかしないかは別問題として、そのあとユーリに与える衝撃は遥かに少ないだろう。
好きだと言ったら彼はどう返事をするだろう。
ごめんと一言言われて元通りになるならそれでいい。
気持ち悪いと拒絶の目で見られて、関係に溝を作るのが、何より怖い。
だから言わない。
このままでいい。
ユーリに恋人が出来たって、隣で笑顔を見れればそれでいい。
離れたくない。
無理矢理でも、笑っていく自信はある。
自分が傷付くことなんて、ちっとも怖くない。




下町は数日後に迫ったお祭りの準備でいつも以上に賑わっていた。
男たちの作業する声が響き渡る。
フレンとユーリも力仕事を手伝うことになった。
屋台に使う木材を運ぶ。
「俺クレープ屋で店番したいな」
ユーリが呟いた。
「つまみ食いとかするなよ」
フレンが念を押す。
「わかってるって」と屈託なく笑うユーリに絶対わかってないなと溜め息を吐いた。
「はははっ沢山稼いでくれたら嫌って言うほどクレープ焼いてあげるよ」
クレープ屋のお姉さんがユーリの背中を叩いた。
「えっマジで!?」
ユーリは頂いた言葉に満面の笑みで振り返る。
「もちろん。ユーリが来てくれたら店繁盛間違いなしだろうしね」
にっこり笑うお姉さんは20代前半の綺麗な人だ。
サバサバした性格でユーリと合いそうな感じだった。
「……、じゃあ僕あっちに持ってくから」
フレンは重い木材を担いで離れた屋台にそれを運んだ。

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「ユーリもう決まった?」
「何が?あ、この煮物うめーな」
「あぁ、今日仕事先のおかみさんにレシピ教えてもらって…ってそうじゃなくて」
なるほど、新しい料理だと最高級の味を提供してくれる幼馴染みだ。
この旨さも納得納得。
だが幼馴染みはそんな話はどうでもいいとばかりに話を元に戻したがった。
「なんだよ?」
「だから…今度下町あげてのパーティーがあるじゃないか、その最後のダンスの相手」
「……やっぱ出ねぇとダメかな」
「実行役員の人がすごい張り切ってるし…今日も絶対出ろって言われちゃったよ…」
ユーリは美味しい煮物を一口含むと眉を寄せた。
「ダンスなんて柄じゃねぇんだよな…屋台の店番だけじゃダメなのかよ…」
「ダンスって言ってもペア作って好き勝手踊るだけみたいだけど」
「っつーかお前決まってんの?」
ユーリがフレンの目を見て質問返しをしてきた。
フレンはいや、と首を振る。
「僕は出れるかどうかもわからないし…約束をするわけには…」
フレンは騎士だから突然任務で出兵なんてことも有り得る。
一応休みはとってはいるけれど確証はない。
「女どもが泣くな」
色男が出ないんじゃ、とユーリは笑った。
「まったく君は、またそうやって僕をからかうんだから。ユーリの方がモテるくせに」
フレンが口をへの字に曲げた。
知ってるんだ、ダンスの相手だって何度も誘われてるの。
ユーリは素っ気ない返事をするけれど。
「一人決めるなんてめんどくせぇんだよな…この間なんて「あの子と組んだら許さない」とか怖ぇし「
 私を選べば付き合ってあげる」とかなんで上から目線なんだよ」
「それだけユーリのことが好きなんだろ、でも素直になれないとかそういうんじゃないの?」
「俺は素直な優しい子の方が好みだ」
「だったらそういう子を選べばいいじゃないか」
「う~ん……」
ユーリは眉に皺をくっきり作って難しい顔をした。
「なんでお前女じゃねぇんだよ」
「は?」
突然言われた言葉にフレンは間の抜けた声をだした。
「お前が女だったらダンスの相手なんかで悩まずにすんだのに…」
はぁ、とユーリはテーブルに頭をごとんと預けて溜め息を吐いた。
「…それは…残念だね、僕は男だ」
「知ってるって」

ユーリは顔を上げなかったからわからないがフレンの表情は少し曇っていた。

enikki-hosi14.jpg



行きで体力を殆ど消費してしまったことと、夜遅いことから生ずる睡魔に勝てなかった子供二人を
背中に背負い、ユーリとフレンは慎重に岩場を下りていく。
ユーリに背負われた子ユーリは(ユーリ的には子フレンを背負いたかったが
フレンと子ユーリに全力で却下された)くいっとユーリの髪を引っ張ってユーリを呼んだ。
「なんだよ?」
「…絶対泣かせんなよ」
「おーおーいっちょ前なこと言うなぁ」
「絶対だからな」
子ユーリの声に真剣さが含まれていることを感じたユーリは「あぁ」と一言だけ答えた。

「ユーリと僕はずっと仲良しなんだね、嬉しいな」
子フレンは半分意識を夢の中へ飛ばしつつフレンの背中でふふ、と笑った。
「これからもずっとずっと仲良しでいてね」
「うん、そうだね」
背中の子供が意識を失って次第に重くなる。
それを一度背負い直して岩場をひょいっと下りた。


二人の子供を孤児院へ送り届ける。
二人は既に眠ってしまっていて、院の母親は「ご迷惑をおかけしてすみませんでした」と受け取った。
起こそうかとも思ったが、このままこのありえない出来事は
二人にとって夢であったのかもと思ってもらった方がいいという判断で起こさなかったのだ。
少し寂しい気もしたが、実際ユーリとフレンはこういう体験を夢でしたことがあるような気がしていた。
それは子供二人が体験したことが自分たちの記憶に何らかの影響を及ぼしたのかもしれない。
もしくは自分たちが体験した記憶を思い出してきたのか…。


とりあえず二人は子供を院に返すとほころびの出口まで歩いた。
そういえば、と話始めたフレンの次の言葉をユーリは静かに待った。
「僕ね、星見つけてたかも」
「は?」
星を見つけただけでも?なのにかもとはどういうことだ。
「僕だけの星」
フレンはとても嬉しそうな笑顔を向けてくる。
意味を問い詰めても「内緒」とだけ言われて微笑まれた。


僕の願いを聞いたのも、叶えてくれたのも、ユーリなんだよ



「おっっっそいのよっ!!」
すっかりお月様が夜空に煌々と輝く時間。
漸く帰ってきたユーリとフレンを仲間が睨みつけながら向かい入れる。
「まったくっ街見てすぐ帰ってくると思いきやっ何してきたのよ!」
予想通り。リタはカンカンだ。
だから黙らせる言葉だってちゃんと用意済みだ。

「あぁ、ちょっと星空の下で結婚式を挙げてきた」




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次回からは公式コメディです。女体化注意です。(※女装ではありません)
シ○デ●ラパロです。
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