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フレンは少し時間をおいて要約自分の置かれた立場を理解した。
「…よ、よくわからないけど…ありがとうと言うべきなんだ、よね?」
「なんなのあんたの反応。あんたが女になりたいって言うから私…」
「いや、ありがとう!すごい嬉しいよっうん」
悲しそうな顔をした女にフレンは慌ててお礼を言い直した。
「まぁいいわ。ところで注意事項があるから」
「え、あ、はい」
フレンは姿勢を正してその言葉を聞く。
騎士の職業病だ。
「この魔法0時になったら解けるの。あと2時間くらいね」
「あ、元に戻るんだ…」
フレンはここ数年で一番安心したと言っても過言ではなかった。
「ちゃんと女になりたいならそういう上級魔法もあるけど?」
「いえ、これで満足です」
キリッと言い返した。
「じゃあ私は行くわ」
怪しい魔女は片手を上げるとクルッと踵を返した。
「あ、あのっ」
最後にもう一度呼び止めて、「ありがとうっ」と叫んだ。
魔女は「べっ別にあんたのためにやったわけじゃないわよっ実験よ実験!」と言いながら走って逃げて行った。
彼女のことはなんだかよくわからないがとりあえずフレンはそんな成り行きで女になった。
そして、自分が女であったら絶対にするんだと決意していたことがあった。

ユーリに…想いを伝えたい…

フレンは愛しい人がいるクレープ屋の屋台へとゆっくり歩み出した。



『間もなく、メインイベントのダンスが始まります。皆様、相手の方と…』
ダンスの時間が近いアナウンスがされる。
すると皆どことなくそわそわしながら相手とその時間を待った。
「ユーリ、お疲れ様」
クレープ屋の女主人もユーリに労りの声を掛ける。
ダンスが始まるということで客足が途絶えたのだ。
「お?お~…」
気の抜けた声。
「最近毎日そんな調子ね。クレープの美味しさも半減だわ」
女性が溜め息を吐きながら腰に手を当てた。
「んなすぐ立ち直れるか」
「フラれたってやつ?でもはっきり言われたわけじゃないんでしょ?」
「俺に踊る相手が見つかったって喜んでそいつと幸せになれって言ったんだぞ!?
 お世話にも脈ありなんて言えねぇだろ」
ボールの中の生クリームを適当にカシャカシャ混ぜながらユーリがはぶてる。
店長はそんな姿を見て逆とは思わないのかしら、と考える。
好きだから想いを伝えられないことだってあるはずだ。
何より自分がそうだったのではないのか。
そう思ったが口には出さなかった。
自分はこ男にフラれている。
応援してやる義理はない。
女性店長は何食わぬ顔で「残念ね」と呟いた。


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