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フレンは真っ直ぐユーリを見詰める。
ユーリもフレンの目から逸らさない。
至近距離の攻防にお互い怯むことはない。
「ユーリが代わりに怒ってくれなかったら…きっともっと違ってた」
「……」
「例えば怪我をしていたのが君なら、僕は君みたいに怒りを抑えられなかったかもしれない」
「………」
「そしたら君はきっと僕に「落ち着け、俺は何ともなかったんだから」って言うだろ
さっきの君みたいに、ね」
「………」
さっき…ウルフの件でそう言ったのはユーリだ。
ユーリは胸倉を掴んでいた手の力を漸く解いてフレンを突き飛ばした。
それでもフレンはユーリから目を逸らさない。
既に逸らされているユーリの視線を追う様にじっと見詰める。
「嬉しいよ、僕の代わりに怒ってくれる君が。でもそれで傷付く君を見たくはない」
「……かなわねぇな…ホント…」
ユーリは自嘲気味な笑みを浮かべる。
「ユーリ、機嫌直った?」
「あぁ」
そういうとフレンは優しく微笑んだ。
その表情にユーリの鼓動は一つ、ドクンと大きく跳ねて乱れる。
パッと気まずそうに目を逸らされてフレンは首を傾げる。
落ち着け、落ち着け、大丈夫、いつもみたいに抑えられる…
ユーリの心の中の葛藤も知らずフレンはユーリの顔を覗き込んでくる。
「ユーリ?」
大丈夫?と声を掛けられる。
大丈夫だから、とフレンの肩をやんわり押し返す。
近付くな、今近付かれたら今まで抑えてたものが溢れ出す。
フレンが死んでいたかもしれない事件を目の当たりにして気が動転している。
「顔が赤いよ?」
とそんな努力も知らず心配そうな瞳を向けられる。
「…っ平気だってっこっち来んなっ!」
「な、何その言い方…っあ、もしかして二日酔いが振り返したんだろっ頭に血が上ったから!」
「は!?ち、ちが…っ」
「そういえば僕君の二日酔いのドリンク取りに行ってたんだ、待ってて、すぐ持ってくる!」
「えっちょ、フレンっ」
何だこのやり取り二回目だろ
フレンはユーリの伸ばした手をやっぱり無視してテントの方に走って行った。
「……はぁ……」
危なかった…
そして自覚せざるを得なかった。
自分が抱く感情に。
「…最悪だ…」
俺の理想は「料理がうまい子」で決して味覚音痴なあいつではないはずなのに…。
そう、料理がうまくて……
あとは全部フレンみたいな子だったらいうことないと…
今まで隠してきた本当の理想の人が顔を出す。
いやむしろフレンがいい。
本当に飯さえうまかったら言うことなかった。
とりあえずこちらに向かって走ってくるフレンに
「美味い」とは言えなくても薬だから「よく効く気がするな」って
笑って言ってやるべく腹を括ることにした。
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完です。お疲れ様です。
次回は自分的にかなりの修正を加えまくって相当難産だったうつ連載です。
4、5回書き直しました…(汗)
おかげでストックがたまらない
そろそろ拍手とかTOPとか変えたいな~とか思ってはや何ヶ月経とうとしているのか…。
かれこれ両方2年くらい放ったらかしとかない。
拍手は2年以上の周期が当たり前になっていてさらにない。申し訳なさすぎる。
何かいいお題が欲しい…お題がないと絵が描けない病気。
とりあえず何か描きたくてユリフレやや幼少の落書きとか。
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「…というわけでこいつらの責任だった。」
先輩騎士に連れられ正座させられているのは数人の同期で
フレンは微妙な顔をするしか出来なかった。
「おい、ちゃんと謝れっ」
「…悪かった…」
渋々口々に呟かれる謝罪の言葉。
上っ面だけの気持ちなんて微塵も込められていない。
ユーリは無表情でそれを眺める。
「…謝って済むことかよ…」
「ローウェル」
先輩騎士がユーリのただならぬ気配に気が付いて止めようと名を呼んだ。
しかしユーリは立ち上がってそいつらを見下す。
「もしかしたら死んでたかもしれねぇ。お前らも同じ目に遭わせてやろうか」
その目に本気の殺意が込められていてその場にいた者たちは一様に息を呑んだ。
「ユーリ、もういいよ。幸い何ともなかったんだし」
「幸い、だろ?お前は腹がたたねぇのかよ」
「確かに腹は立つけど…でもそれをやり返すのも違うと思う。」
「………お前は甘いんだよっこんな奴らどうにかなったって誰も何とも思わねぇよ!」
指を差された騎士たちはドキリとする。
「そんなこと言うなっ…それに…それをするのがユーリなら…僕が辛いよ……」
「………………」
ユーリは諦め切れない苛立ちを何とか抑えて拳の力をやっとの思いで解く。
「……二度とこいつに近付くな…もし次があればその時は抑える自信がねぇ…」
怒りをスレスレのところで抑えて言い放つ。
騎士たちはあまりの気迫にゴクッと唾を飲み込んだ。
ユーリはフレンの腕を掴んでその場から立ち去った。
「ユーリ、本当に大丈夫だから、機嫌直して?」
「…………」
ユーリはさっきからフレンに目も合わせようとせず岩場に腰を下ろして一人不機嫌な顔をしていた。
「…ユーリ」
何度も何度も名前を呼んでくるからユーリははぁ、と長い溜め息と吐くことで
自分の中にある怒りを鎮めようと努める。
「怒ってねぇ、んな顔すんな」
「怒ってる。ユーリこそそんな顔しないで」
フレンの心配する顔にユーリは怒りを抑えきれなくてその胸倉を掴んで顔を寄せた。
「あぁ、怒ってるよ、卑怯な手を使ってお前を傷付けたあいつらにも、
それを平然と許してるお前にも…っ」
「……」
ユーリの怒りに震える瞳を逸らすことなく見詰める。
「……僕は…ユーリが代わりに怒ってくれたから…平気だったんだよ…」
そっと、胸倉を掴む手をフレンの手が包み込んだ。
「フレンっ!!」
無惨に倒れたテント。
大きなテントは骨組みだって太くて重い。
こんなものに押し潰されたらただじゃ済まない。
テントを除ける騎士たちを押し退けユーリも無我夢中でテントを除ける。
もぞ、とテントが動いた。
「フレンっそこか!?」
ユーリは剣をテントの布に立ててジャッと切り裂く。
見えた手をぐっと掴んで引っ張り上げた。
「…うっ」
引っ張り出したそれはやはりフレンで、顔を痛みに歪めた。
「っフレンっ大丈夫か!?」
肩を掴んで抱き抱える。
「…ユーリ…だいじょ…ぶ」
幸い骨組みの直撃は避けられたようでフレンに外傷は見当たらなかった。
「どいてっフレン大丈夫!?」
周りの騎士を掻き分けやって来たのは双子の騎士で
同時に詠唱を始めると暖かい光がフレンを包む。
「…すみません、」
「謝ることじゃないでしょ!」
「痛いところは?」
「いえ、本当に大丈夫です…むしろ……いえ、本当に大丈夫です」
「…ほんと?」
心配する双子にフレンは苦笑する。
むしろ引き上げられたときにユーリに握られた腕の方が痛いなんてこの状況では言えない。
「…ユーリも、大丈夫だから、ありがとう」
泣きそうな表情でフレンを見詰めて、きつく肩を抱くユーリをフレンは優しく微笑んで宥める。
ユーリは「良かった…」と小さな声で一言呟いてフレンを抱きしめた。
背中をとんとんと叩いてやると「ガキあやすみたいなことすんな」って言われた。
だからフレンも背中に回した手に力を込めて思いっ切りユーリを抱きしめ返した。
「なんでいきなり倒れたんだ?」
数人の騎士が現場検証を行う。
「おい見ろ!ここ解けてるぞっ」
騎士たちがそれを見つける。
「…嘘だろ?ちゃんと結んだぜ?」
ここを担当した騎士が青ざめる。
「そういや…さっきここでなんかやってる奴らが居たような…」
「誰だ!?」
「確か…あ、あいつらだよ!」
その騎士が指差した方には数人の騎士がいた。
何やら固まって何か話し合っているらしい。
「なんかちょっと計画狂ったな、」
「あぁ。本当は違う誰かに怪我してもらってあいつに責任押し付ける予定だったのに」
「まぁあいつが中に入ってくれたのはそれはそれで成功なんじゃないか?」
「確かに文字通り「痛い目」に遭ってるしな」
ハハッと笑う騎士に近付く黒い影。
「はは…は……って先輩…っ」
「お前ら…そういうことか…」
覚悟は出来てんだろうな、と指を鳴らす先輩騎士。
こっぴどく絞られることになるが
結局はその騎士たちの親の権力や何やかんやでうやむやになるのだった。
「別に大した怪我じゃなかったんだから気にすんなって…」
ユーリは顔を曇らせたままのフレンに安心させるように優しく声をかける。
「…やっぱり…昨日飲み過ぎたのが残ってるんだろ」
フレンが上目遣いで睨む。
「ん?まぁ酒残っちゃいるけどそれが原因ってわけじゃ…」
「僕さっきどうせそんなことだろうと思って二日酔いにいいドリンクを調合したんだ!」
「……は?」
ユーリの表情は引き攣って固まる。
ただでさえ味覚音痴の奴の調合したドリンクなんて飲めたもんじゃないに決まっている。
「いやフレンっ俺ホントに」
「取ってくる!待ってて!」
大丈夫だからっ、
伸ばした手は無視されてフレンはテントに走って行ってしまった。
「よぉ、いいなぁ心配してくれる奴がいて」
そう言いながらユーリに近付いたのはアシェットだ。
顔がニヤついていたからユーリは眉を寄せる。
「なんだよその顔」
「いや?ラブラブでうらやましいな~って思っただけだ」
「…ラブラブって…あいつは幼馴染みの男だって…」
「良かった、一応大事なことは覚えてるんだな」
「んだよそれ」
あいつは男だ。そんなこと言われなくてもわかっているし忘れる訳がない。
それなのに周りの奴らはラブラブだとかいちゃつくなとか夫婦だとか…
一体なんなんだ、普通だろ、こんなの。
そりゃフレンが仮に女だったら口説き落としてたかもしれないが。
でもあいつは男でそれは揺るぎない事実で。
俺の力じゃどうしようもない。
残念だなんて思ってない。
女だったらこれ以上理想的な奴はいなかったとしても。
なのに最近周りの声がやたらうるさくて
そういう風にフレンを見てしまう自分がいることに時々戸惑ってしまう。
本当は前からそういう感情に捕われることがあって、
でも気のせいだって気付かないフリをしていたのに。
フレンはそういうんじゃない、幼馴染み、親友。
そう自分に言い聞かせてなんとか感情を抑えつけているときすらある。
参る。
「フレンさっき本見ながら一生懸命ドリンク作ってたぜ~?
俺にもくれよって言ったら少し困った顔してた。」
「…困った顔?」
っていうかフレンの作るものほしいなんて怖いもの知らずだな、とユーリは心の中で思う。
決して手料理くれとかふざけたこと言うななんて思ってない。
「ユーリの味覚に合わせて甘くしようと思ってるからアシェットには少し甘いかも……だってよ!」
「………」
なんだ今のは、フレンの物まねか。
似てねぇし。
いやそんなことより……
ダメだダメだ可愛いなんて思うなっあいつは…あいつは…っ
その時だった。
「うわっテントが倒れた…っ!」
ユーリはその声にすぐ振り返る。
フレンが向かったテントだ。
ユーリは考えるよりも早く駆け出していた。
「大体よぉ、あいつ周りにいい顔し過ぎなんだよな」
「そうそう、作り笑いだって見え見えなのになぁ」
「自分の笑顔に自信あるんだぜきっと。夜はそういう御奉仕とかしてんじゃねぇの、先輩方に」
「あははっマジかよ、でもあいつなら良いって思っちまうかもな」
「うひゃひゃひゃ、マジかよはお前だよっ」
「男の中ではって話だよ、何も本気じゃねぇし。あいつ顔だけは綺麗だからな」
仕事をサボって他人の陰口を愉しむ数人の騎士。
先輩騎士から引っ張り凧のフレンを妬み、一方的に怨みを募らせる。
「でもホント…気に食わねぇよな…」
一人の騎士が声のトーンを低くして言った。
「一回痛い目に遭やいいんだよ」
「どうすんだ?」
「あいつが立てたテントに細工してやるんだよ」
「成る程な!」
騎士たちはにやりと笑うと早速そのテントに向かった。
杭に止めてある紐を解くと何気ない顔をしてその場から離れた。
討伐隊が戻り本日の成果を隊長が述べる。
予定よりも多くの魔物を退治出来たと隊長の機嫌もいい。
饒舌になった隊長のおかげで少し長くなった報告会から漸く解放されて、
討伐隊は疲れた体を休める為思い思いの行動に移る。
ユーリは無意識に幼馴染みを捜しながらぶらぶら歩く。
「ユーリ」
後ろから呼ばれて振り返ると捜していた人がそこにいた。
「よ」と軽く手を挙げて返事をする。
「お疲れ様、どうだった?」
「ん、ちゃんと活躍してきたぜ」
そういうとフレンもにこりと微笑んでくれた。
「怪我は?」
「ないない。」
「夫婦かあんたらっ」
そこへやって来たのは双子。
「あ、お疲れ様です」
フレンがぺこりと挨拶する。
「夫婦ってなんだよ」
ユーリは眉を寄せる。
「見たまんまじゃん、それよりさっきの怪我大丈夫なの?」
「怪我?」
聞き返したのはフレンだ。
「一応治癒術はかけたけど痛むようなら医務班にちゃんとみせなさいよ」
「……ユーリ…」
じとりと見る視線が痛い。
「大袈裟なんだよっかすり傷だって!」
「相手を雑魚だと思って油断してるからそうなんのよ」
「油断した訳じゃねぇよ、ウルフの中でもあいつは他のより強かったんだよ」
「つまり油断じゃないか」
フレンが一刀両断した。
「……悪かった…」
素直に謝罪を口にするとフレンはふぅ、と息を吐いて
「痛みは?」
と心配した声色で言う。
「ホント大丈夫だから」と言ってやると「それならいいけど」と言ってくれたが、
その表情は晴れてはくれなかった。
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漸くTOPに連載アンケートとか置いてみました!!
よろしければご協力お願いします!!!vv
カテゴリーにしてみると自分が片想い好きーなのが浮き彫りだった。
「大体フレンも鈍感な癖に天然だからわかりやすいわよね…
ユーリが居るときは絶対ハズレの料理出てくるんだもん」
「だよねだよね~、あんたらのバカップルっぷりに付き合わされるこっちは堪ったもんじゃないわ」
「………」
そういえば…俺が食べるフレンの料理はいつも「ハズレ」だ…。
当たり前過ぎてあんまり気にしたことはなかったが…。
「っていうかそんなにいうならお前らが言やぁいいだろ」
「言える訳ないじゃん!だってまるで悪意ないんだもんあの子」
「質(たち)悪いわよねぇ…」
「ま、私らはまだマシだけど?あれを一生食べ続ける覚悟のあんたは凄いわよね」
「………いやさすがにそれなら言うこと言うぜ?」
「へぇ~?」
向けられる疑いの眼差し。
「なんだよ」
「別に?でもあんた自分で思ってるより尻に敷かれてるわよ?」
「はぁ!?」
「ま、言えるもんなら言ってみろってね。ほら、とりあえず今は仕事!」
双子はユーリに背中を向けて歩き出す。
ユーリは渋々その後を追った。
一方、野営準備組。
「フレン!そっち持ってくれ!」
「はい!」
騎士が寝泊まりする大きなテントの布の端っこを持って指示する先輩騎士に
聞き分けの良い返事をしてフレンはもう片方の端を掴む。
大人5、6人で立てる大きなテントだ。
金属の骨組みに布から出る紐を結び付けピンと皺を伸ばしながら持ち上げる。
てっぺんから伸びる紐を杭に結び付けカンカンと地面に埋め込んだら完成だ。
「よっしゃ、次行くぞ」
先輩騎士の呼びかけにフレンは「はい」と立ち上がる。
聞き分けが良く、何事も真面目に取り組むフレンは先輩方から人気がある。
何かにつけやる気のない幼馴染みと比べられ、
可愛いげのあるフレンはよく仕事を言い付けられるのだ。
「おいフレン、次はこっち手伝ってくれ!」
「え、あ、あの…」
少し遠くから手を挙げて助けを求めてくる先輩騎士。
フレンは思わず立ち止まるが今は前を歩く先輩騎士に仕事を頼まれたばっかりだ。
「フレンは次こっちのテント立てんだよ、その辺に暇そうなのいんだろ」
フレンに仕事を頼んでいた騎士が振り返って言う。
「じゃあお前があいつらに言えよ」
「俺のが先だったろうが!」
「知るかそんなこと。おいフレン来いよ」
「えっと…あ、あの、先に向こうのテント立てて来ますのでそれから…」
先約を優先しようとすると放ったらかされた先輩騎士は口をへの字に曲げる。
「なんだよ俺はそれまで待ちぼうけか?」
「先に命を受けてますので…すみません」
「…わかった、早くしろよ」
「すみません」
そんなやり取りを見ていた同期たちは既に自分たちとフレンとの間に出世の溝を感じていた。
「ユーリそっち行った!」
「わかってるよ!」
チャキッと剣を構え直しユーリも駆け出す。
鋭い牙と爪をかい潜り腹に一大刀。
ウルフは動かなくなった。
「ふぅ、これで何匹目だ?」
剣に付いた血を払って飛ばし、双子に尋ねる。
「10ね。まだまだっ次行くわよ」
さっさと移動を開始する。
剣を扱える者ならさほど脅威を抱かないウルフだが一般人から見ると魔物は魔物。
異常繁殖を放っておく訳にはいかない。
ガサガサと歩きにくい森を歩く。
枝を掻き分け掻き分け、
それでも長く延びた枝に体を突かれユーリがうざそうにそれを払っている時だった。
シャスティルが何気なく話を始める。
「あんたらが別部隊って珍しいわよね」
主語がない言葉だったが何を指しているかわかって二人は振り返る。
「確かにね、今までも別行動はあったけど…、フレンは今日お留守番でしょ?」
「あぁ。…っていうかいうほど四六時中一緒にいるわけじゃねぇんだけど…」
「何言ってんのよいつもあんなベタベタしといて」
「ベタベタって…」
「無自覚な訳?あんなに独占欲丸出しにしといて」
言われてユーリは目を見開いて立ち止まる。
「…独占欲?」
「意識してんのかと思ってた。あんたフレンと居るときはこっちくんなオーラ凄いから」
「…んなの出してねぇよ」
「出てるわよ。お気に入りなのはいいけどあんまり見せ付けないでよ~?
あんたらがいちゃいちゃしてんの見て独り身の奴らは鬱憤溜まってんだから」
「……」
ユーリは眉を顰める。
「…俺料理がうまい子が好きなんだ」
まるで取り繕うように自分の好みを述べた。
「あ~フレンの料理って時々壊滅的だもんね…」
シャスティルがその凄まじさを思い出して苦笑いを浮かべる。
「だろ?あんなのと一緒になったら胃がどうなることやらだ。」
「それははっきり言わずに食べてあげるあんたにも問題あると思うわよ?」
「そうそう。私あんたがフレンに「まずい」って言ってるとこ見たことないもん。
いつも涙目になって完食してんじゃない」
「…………」
だって…
言える訳ないだろ。
あいつの料理がまずくなるのは俺のことを想っての結果だ。
美味しいものをって試行錯誤して頑張ったバロメーターなのだ。
満面な笑みで「美味しい?」って首を傾げられたら「まずい」なんて言える奴、
絶対テルカ・リュミレース上にはいないはず。
しかしユーリは気付かない。
好みのタイプを聞かれてまずフレンを思い浮かべている自分に。
「あんたさ、ぶっちゃけフレンのこと大好きなんでしょ?」
ヒスカに言われた言葉はやけに心に響いた。
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明日は飲み会だーー久しぶりだーーー
ガチャガチャと鎧がぶつかる音が響く。
騎士団の一隊は目的の森まで迅速に移動した。
久々の実戦で騎士たちも若干緊張の面持ちを見せる。
森の中でも開けた場所に整列した舞台は姿勢を正して隊長や参謀の話に聴き入る。
しかしそんな中で、頭を抱える数人の騎士。
「…頭痛ぇ…」
「…俺も…」
「おかしいよな…昨日そんなに飲んだか?」
「いやそれがさ、今日空き瓶片付けてて気付いたんだが…
あの酒甘さに隠れてわからなかったがどれもすげぇアルコール度数高くてよ…
きっとそれが原因…」
「マジかよ…」
「果実酒で、んなアルコール度数って有りかよ…」
数人は一斉に溜め息を吐く。
「お前今日どっち?」
アシェットがユーリに聞く。
主語が抜けていたが理解してだるそうに呟く。
「討伐隊」
「へへ、頑張れよ、俺ら野営準備組」
勝ち誇った様に言われてユーリは眉を顰めた。
討伐組と野営準備組にわかれて準備をする。
適当に剣の刃でも眺めて刃毀れがないか見て一降り、クルッと回して鞘にカチャンと納めた。
「ユーリ」
そこへやって来たのは幼馴染み。
「フレン、どした?」
「いや、調子はどうかと思って」
「あぁ…調子は最悪だけどまぁウルフ相手なら大丈夫だろ」
「また君はそんな風な考え方…油断してると怪我するよ」
「そしたらお前が治してくれんだろ?」
「そういう考え方も好きじゃない」
フレンは口をへの字に曲げる。
「治癒術を覚えたのは安心して怪我をして貰う為じゃない」
「はは、わかってるって。んな顔すんなよ」
ぽんぽんとふわふわの金髪を撫でてやる。
「気を付けてね」
「あぁ。一番活躍してきてやるよ。」
「ほどほどにね、いってらっしゃい」
まるで新婚夫婦の送り迎えの様だと、その場にいた騎士全員が心の中で思っていた。
「よし!では各班に分かれて前進!」
「おぉー!!」
討伐隊はそれを更に小さく分けたチームに分かれ森の中に入って行く。
「ユーリ!早くしなさい!」
呼ばれて小走りにそっちへ合流する。
呼んだのは双子の騎士。
「なんだ、ヒスカとシャスティルと一緒か…」
「隊の編成くらい目通しなさいよね!」
ヒスカが腰に手を当てて怒鳴る。
「大体私たち先輩だから!口の聞き方気をつけなさい!」
「へいへい」
「まったく、とにかく行くわよ」
「へぇ~い」
返事は短く一回で!と怒鳴られながら森に入るユーリを見てフレンはまったく…と溜め息を吐いた。
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昨日前から約束していたてんさんとakiさんと絵茶を開催しました!!!
総時間11時間30分という長期戦www
全員今日休みじゃなかったら無理だったww
っていうか七夕かーー!!!うっかりしてた!!
昨日絵茶中に気がつきました。
なんも考えてないのですが何か思いついたら漫画でも書こうかな。思いついたら。
