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「…ユーリいつから知ってたの…?」
フレンは睨むように視線をユーリに向けた。
悔しい、と顔に書いてある。
学校の屋上、二人きり。
ユーリは両腕を金網についてフレンを逃がさないように囲んで座る。
「ん~…割と初期。」
「……死にたい…」
「なんでだよ、こうやって両想いになったんだからいいじゃねぇか」
「……そういう問題じゃない……」
フレンはゆっくり顔を上げる。
「…じゃあ君は僕からだと知ってて…あんな理想を口にしてたのか…?」
「理想?」
ユーリが首を傾げるとフレンはムッと眉を寄せた。
「言ってたろ、可愛い子とか…」
「…理想じゃねぇし。」
今度はフレンは意味がわからないと首を傾げた。
フレンはユーリがどういう印象を抱いているかなんて知らない。
まぁ可愛くて可愛くて仕方ないなんて知らなくてもいいことなのかもしれないが。
「そういやこっちも聞きたいことあんだよ」
「なに?」
「なんで手紙くれなくなった?結構本気でダメージくらったんだけど」
「……ユーリに好きな人がいるのは知ってた…から…。
あの手紙をその人から貰ってると思ってるんだったら悪いことしてるなと思って…。」
「まぁ実際好きな奴からの手紙だったんだけどな」
「………」
フレンは無言で目を逸らした。
仄かに顔を赤らめて。
「…フレン、」
「なに」と顔を上げたフレンの口を塞ぐ。
優しく唇をはむ。
「っ~…!」
ギュッと目を閉じて萎縮しているフレンの腰を撫でる。
固く横に結ばれた唇に舌を押し当て、言いなりのように開かせたそこに侵入した。
と、フレンの体がぴくんと反応して目を見開いたと思ったら力一杯体を引き剥がされた。
「なっ何すんだよっ今そういうムードだったろ!?」
「ふっ不健全だ…っ!!」
「はぁ?」
顔を真っ赤にして眉を吊り上げるフレンにユーリは何言い出すんだこいつ、と
まるで天然記念物でも見るかのような目を向けた。
「こっここ、高校生なのにそんなっ」
「…あのさぁ、知ってるかフレン、」
ユーリが呆れながら諭すように言う。
「女は16、男は18で結婚出来んの。国が赤ちゃん作っていいですよ~って認めてんだよ」
「変な捉え方するなっそれは責任とかそういう…っていうか僕はこっ子供なんか出来ないしっ」
「あそ、じゃあ尚の事いいじゃねぇか」
「わあぁぁっわっやめっ」
迫ってきたユーリを慌てて押し返す。
「…お前は俺のこと好きなんだよな?」
「う?うん…」
「でもそれはこういうことすることとは違う好きなんじゃねぇか?俺の片想いか?」
「…ゆ、ユーリ………ご、ごめんなさ…まだ…その…覚悟が…」
「んじゃいつヤらしてくれんの?」
「や…っ他に言い方ないのかっ」
「いつ?」
フレンの言葉は無視して自分の質問を押し切った。
「……お…大人になったら…」
「大人?じゃもう大人だからいいな」
「違う違うっ成人したらって意味…っ」
顔を近付けてきたユーリにフレンは慌てて首を振る。
「は?成人?なんだよ何年お預けするつもりだ、鬼かお前」
「お、鬼ってそんな…」
「じゃ、百歩譲って高校卒業したら!それ以上は無理!」
「そ…卒業…」
「卒業式終わってすぐすんの。いやぁそういう約束もまた…」
「変な想像するなっ」
フレンの右ストレートが左頬にクリーンヒットした。
「あ、あとさ、」ユーリが注文を追加しようとするのをフレンはまだ何かあるのかと睨みつける。
「これ、明日からもちょうだい」
ユーリはフレンが先程ポケットにしまっていた紙を抜き取って見せた。
「…手紙?」
「お前の想いが沢山詰まったの。毎日、卒業までな」
「………か、考えとく…」
二人はギュッと抱きしめあった。
それからもユーリの下駄箱には白い紙が入れられ続けたという。
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絵が申し訳なさすぎるwwwwもう笑うしかないぜ
でも差し替える気力はなかった。ごめんなさい。
次回からは公式設定です~
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「わかってるよ、何もかも。始めからお前だって知ってて受け取ってた。」
「……同情か…?」
フレンは辛そうな笑みを見せた。
「なんでそうなんだよ、俺ここで張り込んだ時にお前が手紙入れんの見てすげぇ嬉しかったのに…。」
「………」
フレンはまだ疑いの目を向けている。
ん~、どうすっかな…
ユーリは頭をガリガリと掻いて考えた。
「じゃあさ、お前のロッカーに入ってたこの山程の紙たちだが…
これに込められた意味、お前わかる?」
「…意味って…」
「多分お前と一緒の意味なんだけど。」
「…一緒…」
かぁ、と赤くなった。
やべぇすっげえ可愛い…。抱きしめたい…。
ユーリは口元を押さえてにやける顔を我慢する。
「お前が俺のロッカーの前でどんだけ想いを込めて手紙入れてくれてたのか知ってる。
お前からだって知ってからは一枚たりとも捨ててねぇ。」
「………、ユーリ…気持ち悪くない…?」
「全然。お前は男である前に俺にとっては『フレン』だ。
確かに男を好きな趣味は持ってねぇけどお前は特別。」
「と、特別…」
「はっきり言って好きすぎる。どうしたらいいと思う?」
「…………っ」
フレンの顔はりんごの様に赤くなる。
「そういう可愛い反応生殺しなんで勘弁しろ…」
「…う…うぅ…ユーリ意地悪だ…」
言葉攻めのユーリにフレンは弱々しく睨みつけた。
「何がだよ、答えなんかわかってるだろ?
お前は俺にあんなにも愛の篭った手紙くれてたんだから」
「………、」
「あの手紙想いは篭ってたけどさ、白紙だったから…お前の口から直接聞きたい。」
真っ直ぐ見詰めながら言うと漸く観念したようにフレンが口を開いた。
「……ぼ…ぼく…」
「うん」
少しずつフレンに近づく。
「……」
「言えよ、断ったりしねぇから」
「……それって…言う意味あまりない気が…」
「聞きたいの。」
「……ユーリ…」
「うん」
「…………すき、です…」
ぽそぽそと小さな声で呟かれた愛の告白。
「聞こえねぇ」
「…嘘ばっかりっこんな近くにいるのに…っ」
顔を上げて真っ赤になっているフレンは涙目で抗議してきたが、
そういう言葉ばかり大きな声で主張してくる口をユーリのそれで優しく塞いだ。
「これくらいして欲しかったな」
にやりと笑ってみせるとフレンの腰は砕けてへにゃりとその場に座り込んだ。
フレンはいつもの時間に登校した。
まだ人も疎らにしかいないこの時間、下駄箱の前で思い詰めた様に立ち尽くす。
手には白い二つ折りの紙。
「…………」
ユーリの下駄箱の前。
もう場所なんて自分のものであるかのように覚えてしまった。
毎日手紙を忍ばせた。
伝えられない気持ちを込めたそれを、僕だと知らずに毎日嬉しそうに受けとっていたユーリ。
それは騙していることになるんだろうな。
持っていた紙を胸の前でギュッと握り締めた。
想いを込める。
そして、それをポケットへとしまった。
一つ深呼吸をして落ち着いてから漸くその場から離れて自分の下駄箱のロッカーを開けた。
「…え、あ、わっわぁっ!」
ドアを開けた瞬間中から何かがドサドサと溢れてきた。
入り切らないくらいのその幾つかは地面にひらひらと落ちていく。
それは、白い紙。
自分がユーリに出していたものと同じ、何も書かれていない真っ白な。
それが入り切らないくらい自分の下駄箱に入れてあって、開けた瞬間落ちてしまったのだ。
暫し呆然とそれを眺めていると「あっはっはっ」と腹を抱えたユーリがひょっこり現れた。
「ゆ…ユーリ…」
「どうだ~?俺からの溢れんばかりの愛は」
にやりと笑みを向けられる。
「…え、これ…ユーリ…愛…?」
「いつも貰ってるからたまにはお返ししようと思ってな」
「………え…ユーリきみ…」
言葉を理解していくに連れみるみる顔が赤くなった。
「し…知ってたのか!?ぼ、僕からの手紙だって…っ」
「あぁ。一度張り込んでたのお前気付かなかったよな」
「………」
フレンは俯いてしまった。その視線の先にはユーリの手紙。
「…知ってたなら言ってくれれば…すぐにやめたのに…」
小声で言ったそれにユーリは何をそんなこと、とでも言うように返した。
「だからだろ」
「……だから…?」
「言ったらやめちまうんだろ?だから言わなかった。嬉しかったからな、もっと貰いたかった。」
「…君は…僕がこの手紙に込めた想いをわかって言ってるのか…?」
「ま、一応。」
あっけらかんと返したユーリにフレンはじわじわ苛立ちを感じていった。
「………、わかってないよっゆ、友情じゃないんだっ僕が君に抱いてる感情はっ!」
「だからわかってるって言ってんだろ」
ユーリも負けじと強気な口調で返した。
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ペン入れの最中に意識が飛んで気が付けば変な線が描かれていることが多いです。
ごみ取り作業が大変そうだなぁと感じる今日この頃。
っていうかパソコンがちゃんと動いてくれるのかが心配。
てんさん
昨日気が付いたら更新予約時間を過ぎていてお礼かけなかったんですが
コメントありがとうございます~
レス不要ということでここで一言だけお礼を。
前のイラはこう、朝日を浴びて光ってる感じにしたかったのです。
美しいありがとうございます~~っ!!
レス不要の方。
イラストにコメありがとうございます!
絵を気に入っていただけるのは嬉しいですvvv
ですがこの辺りから腕を酷使しすぎて絵が描けてませんのであまり期待はしないでくださいね(笑)
ありがとうございました!!
嫌われたわけじゃないらしい。
だったらなんで手紙をやめたりするんだ?
いつも通りでいいじゃねぇか。
俺が手紙を貰って喜んでたことはフレンはわかっているはずだ。
授業中、教師が一生懸命話しているのを完全に思考からシャットアウトして
前の席に座る親友を見詰める。
フレンは時々ふぅ、と溜め息を吐いたりなんかして同じく授業が耳に入っていないようだ。
あぁ、聞きたい。
何で手紙入れてくれなかったんだ。
でもそれを聞くときっと逃げるだろうな。
フレンは自分だとばれてないと思ってるはずだ。
いや、そんなことより今は何で入れてくれなかったのか、だ。
噂が原因?
こいつ浮ついた話とか嫌いそうだもんな…。
でもそれはデマだって知ってるって言ってたじゃないか。
心の底では疑ってる?
俺が結婚してるとかいう馬鹿な噂を?
それはとりあえずないな。
家に入れたこともあるし。
じゃあ俺が誰かと付き合ってるっていう方か?
確率としては高そうだけど違うな。
俺はいつもフレンと一緒にいたし、その時彼女がいる素振りなんて見せたことないはずだ。
フレンだけを見詰めたしフレンのことしか考えてなかった。
…じゃあ何でなんだよ…
教えてくんねぇかなぁ…まじで。
あ、もしかして鈍感だから嫌気がさした?
いい加減気付けよってことか?
いやだから、多分フレンは自分だとばれてないと思ってやってるわけだから…。
それとも噂話を立てられたこと自体に怒ってる?
火のないところに煙はたたないというやつか。
いやでもマジでそういうのないから排除しようがないんだけど…
ん、あ、もしかして…
嫌いになったわけではないけど他に好きな人が出来ました、みたいな?
冗談じゃねぇよ、ずっと好きだった俺はどうなんだよ。
フレンが離れるとか誰かに取られるとか、マジ無理。
それなら…こっちから…
「ユーリくん、一人で百面相しないでおっさんの楽しい授業に集中してちょうだい」
ぽん、と物理教師に教科書で軽く頭をこつかれて現実に引き戻された。
ユーリと知り合って、興味を持って、近付いた。
こうなることがわかっていればそんな馬鹿なことしなかったのに。
まさか友情以上の感情を抱いてしまうなんて…。
抑えられない感情を込めてユーリに手紙を出すことにした。
自分の想いをうまく言葉になど出来なくて、想いを込めた真っ白なラブレター。
幸いユーリは僕だと気付いていないし喜んでいるようだったから
やめないといけないとわかっていてもやめられなかった。
でも本当は知っていた。
ユーリには好きな人がいること。
噂が広がった。
付き合ってるとか、結婚してる、とかは嘘だとわかった。
でも、ユーリに好きな人がいるのは本当だ。
だから余計言えなかった。
ラブレターには何も書けなかった。
彼は優しいけれど男の人だし、自分が抱く感情は迷惑以外何物でもなかった。
わかっていた。最初から。
この恋が実ることは、絶対にない。
ユーリはいつもの時間に登校した。
いつもの様に手紙が入っているであろう下駄箱の扉を期待して開ける。
「………あれ…」
手紙が…ない。
靴を退かして、隅から隅まで探して、もしかして場所間違えてんじゃ、
と考えて周りのロッカーも調べた。
やっぱり…ない。
ユーリは走って教室へ向かった。
もしかしたらまだ来てないだけかもしれない。
ガラッと開けた扉の向こう、期待を裏切る様に彼はいつもの場所に座っていた。
「…よ、おはよ」
「あ、ユーリおはよう」
にっこり、可愛い笑顔を向けられた。
いや、これに騙されてはいけない。
「…今日手紙がなかった…」
「え、あ、そ、そうなんだ…」
気まずそうに目を逸らされた。
「…何でだと思う?」
「え、さ、さぁ…」
「嫌われたのかなぁ俺…」
「…そ、そんなこともないんじゃない…?」
「え、そうなのか!?」
フレンの言葉にユーリは素直に反応する。
フレンの言葉は手紙の子の言葉だ。
「う、僕は…わからないけど…」
「お前はそう思うのか?」
「…う…うん…いや、わ、わからない…」
「俺はお前に聞いてんの」
「………」
真っ直ぐ見詰めてくるユーリに鼓動が高まる。
顔が熱い。
ダメだ、ダメだダメだっこんな感情抱いちゃいけないっ
いけないのに……。
「…嫌いじゃない…と…思うよ…」
「…そっか。良かった。」
ねぇユーリ…誰に重ねてるの…?
誰からの手紙だと思って楽しみにしていたの…?
涙が出そうになるのを、必死に堪えた。
フレンを中庭まで引っ張ってきた。
チャイムが鳴るのが聞こえて帰ろうとしたフレンを無理矢理引きずってベンチに座らせた。
「あーもうなんなわけこのデマの嵐…」
「………ユーリが昨日の金髪美人と付き合いだした、とか
ユーリが金髪美人をフッたのは既に結婚してるからだ、とか…」
「…まさかお前まで真に受けてないよな…?」
俯いたままのフレンにユーリは覗き込むように言った。
「……うん、結婚なんてちょっと有り得なくてさすがに…」
否定したフレンに気付かれないようにほっと息を吐いた。
「まぁ俺の話はいいわ、お前のことだ。何か悩んでんじゃねぇの?」
「……ん、別に?」
作り笑いで答えたフレンの両頬を手の平でむにっと挟んだ。
「その間はなんだ。」
「……、ホントに何でもないよ?」
「…俺には言えないことか…?」
「言えないんじゃなくて言うことがないんだよ」
「………」
嘘つけ。
ユーリは諦めの溜め息を吐いて手を離した。
「…はぁ、何だかドキドキする…」
「は?」
心臓辺りを押さえてフレンが言う。
顔は少し赤みがかっていてその発言にユーリは過剰反応した。
「僕授業サボるの初めて。」
「あ、あぁ、なんだ…」
ユーリは頭をガリガリ掻いていたたまれなさに顔を逸らした。
「ユーリと居るとやっぱり面白いね」
ふふっと笑ったフレンにユーリはつい顔を綻ばせる。
「だったらずっと一緒にいればいい。」
肩を引き寄せて抱きしめた。
まるで恋人の様な光景に茶々を入れる友人らはいない。
フレンもゆっくり背中に手を回した。
だが「うん」と言う声も、頷く様子もない。
抱き合っていてフレンの表情を見れなかったので感情を窺い知ることは出来なかった。
笑ってくれているといい、と望んだ。
噂が広がる。
いつもクールな奴に好きな人がいる。
噂には尾鰭が付く。
いつしか噂は原型を留めなくなった。
金髪碧眼の美人と一緒に暮らしている。
ユーリはその娘と婚約している。
いやいや、ユーリは実は既に結婚している。
元々変に目立っていたユーリだから、知っている人も多く
噂は瞬く間に学校中に広まった。
フレンはそんな噂をあちこちで聞いては耳を塞いだ。
下駄箱に紙が入っているのを確認して気分を良くしたユーリの元にもその噂は襲い掛かった。
根も葉も無い妙な話にユーリの顔はさすがに引き攣る。
なんっだそりゃ!俺がいつ結婚したんだっての…っ
ムカつく。
こんな日はあいつの笑顔でも見て回復するに限る。
教室の戸を開けていつもの場所に座るその人を見ると顔を綻ばせた。
「よ、今日も早いな」
「…うん…おはよう」
振り向いたフレンは俯きがちで浮かべた笑顔にいつもの眩しさはなかった。
ユーリは首を傾げる。
「どうした?なんかあった?」
「ん?別になにもないよ?」
そういうと思った。
ユーリは心の中で息を吐いた。
こいつは何か悩みを抱えていても絶対口に出したりしない。
いつもならそれどころか顔にも出さねぇから
大体一人で解決してから過去形で話を聞かされることが多いのだが。
今日は明らかに暗い。
心配しないわけがない。
どうしたんだよ、と声をかけようとしたその時、逆に周りからわっと声をかけられた。
「やるなぁユーリ!」
「おま…っもう結婚してるとか有り得ねぇだろ!」
「だからあんま女の話に乗り気じゃなかったのか!」
「…っうるせぇなっ邪魔すんな…!」
今フレンと話してんだ!と手をしっしっと振った。
「なんだよはぐらかすなよ~っ」
「あほかお前らっ結婚なんかしてるわけねぇだろ!?いいからどっか行け!」
ギャアギャア騒ぐ男たちに囲まれている間もフレンは俯いたままだった。
しかし尚も騒ぎ続ける空気に耐えられないと言うようにフレンはカタンと席を立った。
「え、ちょ、フレンっどこ行くんだ!?」
「…ちょっと…」
フレンは特に当てもなさそうに言葉を濁してその場を立ち去ろうとした。
「ち、ちょ、待て俺も行く!」
「…気遣わないで。僕元気だから」
どこがだ!とツッコミを入れたく成る程の苦笑いだった。
「…っあぁもう!」
ユーリはもうめんどくさいとばかりにフレンの手を掴んでその場から逃げ出した。
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ペン入れをしているもんだからペンタブとの感覚の差に驚愕します。
マドンナが呼び出した理由はやはり愛の告白だった。
「あ~、悪ぃけど無理。」
「!、どうして?誰か付き合ってる人いるの?」
「いやそうじゃねぇけど…」
「私ずっとあなたのこと気になってて…
最近あなたの好みのタイプが私の容姿にも当て嵌まることを知ったの、
だから告白しようって勇気出したのに…っ」
「出したのにって言われてもなぁ…お前あいつじゃねぇし…」
ユーリが頭を掻きながら目を逸らして言った。
「…あ、あいつ…?もしかして…」
マドンナはそれで察する。
「気になってる奴がいるんだ。だから付き合えない。ゴメン」
はっきり言われてマドンナは残念そうに笑った。
「なんだそっか。じゃあ仕方ないね」
マドンナはゴメンなさい、忘れてね、と言いながら去って行った。
いい子だと思う。
ただあいつ以上に自分に響くものがなかった。
フレンと出会ったのは高校に入った時だった。
入学式で祝辞を述べる為に壇上に上がる優等生、
遠い存在だと思ってその姿を興味も無しに眺めていた。
フレンと同じクラスになった。
意外にも最初に話しかけてきたのはフレンからだった。
「ユーリ・ローウェルくん…だよね」
「あ?何で知ってんの…?」
「壇上から見て君目立ってたから」
緊張して真面目に座っている生徒たちの中で自分のようにだらしなく座っていると悪目立ちするもんだ。
「…あ~…成る程。」
それで教師が式の間中睨んでたってわけか…。
「何だか君とは合いそうな気がする」
「はぁ?冗談だろ、俺自慢じゃねぇけど今まで優等生の友達なんか持ったことねぇぞ」
「僕優等生かな?」
フレンは首を傾げてユーリに問うた。
「は?俺に聞くなよ…」
なんか…天然か、こいつ…
そんなやり取りが最初だった。
フレンの言う通り、付き合ってみると確かに気が合った。
今では親友と呼び合う仲だ。
しかしいつしか俺の中に独占欲めいたものがフツフツと沸き上がっていることに気が付いた。
素直に気持ちを伝えてくるフレンのことを可愛いと思い、
離れたくない、
離したくない、
誰にも渡したくない…
と気持ちが変化していた。
そんなときに下駄箱に紙きれが入れてあったのだ。
それがフレンだと知った時、更に愛しさが込み上げた。
俺はフレンに恋をしているのだと思い知った瞬間だった。
